9月29日から10月5日にかけて、ブラジルサンパウロ郊外のグアルーリョスで、「新たな経済、金融枠組みに関するグローバルエキュメニカル会議」が開催された。同会議は改革派教会世界共同体(WCRC)と世界教会協議会(WCC)および世界宣教会(CWM)の共催で開催され、世界各国から60人の神学者、経済学者らが新たな経済体制、金融システムの在り方に関する会議を行った。
同会議において過剰な消費や欲を抑制することが新たな世界中の資源を公正に分配する経済の在り方において考えるべき重要な要素であることが確認された。同会議では社会的包容、ジェンダーにおける正義、環境への配慮および人間の欲に打ち克つための具体的な政策について、「新たな経済と金融枠組み」の題目の下に会議がなされた。
声明文では「各国政府および国際機関は国内総生産(GDP)の成長率をその国の経済成長度を計る主たる指標とするのではなく、質の高い仕事に就業する人々による仕事の成長率や各国の健康、教育状態の質を示す指標、および持続可能な環境開発に関する指標などに置き換えて計るべきである」と発表された。
同声明文においては、統治や経済学、マネジメントに関する超教派の学校設立をエキュメニカル運動の一環として立ち上げていかなければならないことも指摘された。カナダユナイテッドチャーチから参加し、同会議の声明文草案作成グループの議長を務めたオメガ・ブラ氏は、今回の声明文の重要さについて「現在の(経済、金融に関する)モデルの代替となる明確な指針を提供できました。(新たな枠組みのために)具体的な取り組みにかかることが必要不可欠です。ただ問題に対して非難するだけではなく、これからなされるべきことは何かについて問わなければなりません。今回の会議ではそのような代替となる指針を提供できたという意味で重要な会議となりました」と述べている。
WCCから出席したロゲート・ムシャナ博士は人間の欲の抑制と貧困問題の解決の視点から、「超教派の委員会で今後追究していくべき最も重要な提案事項は、国際通貨基金(IMF)を別の新たな民主的な国際金融機関に変更していくべきこと、別の国際的な通貨準備機関を設立していくべき必要性についてです」と指摘した。
CWM代表のコリンⅠ世は、 「今回の会議によって私達の間に、世界経済と環境問題において間違った状態に陥って混乱状態にある中で、社会の不正を正していく良き意欲と勇気が与えられていることを確認することができました」と述べている。
WCC中央委員会議長のウォルター・オルトマン博士は「(今回の会議で)南半球と北半球の人々および諸教会が基盤とするべき共通の土壌が示されました。なぜならば金融危機は世界中の人々の生命に関わる問題であるという構造が明らかにされたからです」と述べた。
米カリフォルニアルーテル大学宗教学名誉教授のパメラ・ブルベーカー氏は、声明文発表を受け「クリスチャンの信仰の土台に深く基づいた超教派による預言的な声明文を発表することができました。世界経済とすべての人々の生命のために私達すべての持つ見解を共有してしていくことができました」と述べている。
WCRC代表のセトリ・ニョミ氏は声明文発表を受け、「この日を行動における新たな時代の幕開けであると記憶していただきたいと思います。今回の決意によって、これからかつての世界経済体制の在り方から、新たな生命に奉仕する経済に向かう第一段階に踏み出すことができました」と述べている。
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