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主の山に備えあり 穂森幸一

2026年1月8日22時09分 コラムニスト : 穂森幸一
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アブラハムが目を上げて見ると、見よ、角をやぶにひっかけている一頭の雄羊がいた。アブラハムは行って、その雄羊を取り、それを自分の子の代わりに、全焼のいけにえとしてささげた。そうしてアブラハムは、その場所を、アドナイ・イルエと名づけた。今日でも、「主の山には備えがある」と言い伝えられている。(創世記22:13、14)

この世界は一神教と多神教に分けられるといわれます。一神教はユダヤ教、キリスト教、イスラム教ですが、この三者は旧約聖書と関わりがあります。ユダヤ教は旧約聖書とタルムード(ユダヤ教の戒律書)を経典としています。キリスト教は旧約聖書と新約聖書を経典としています。イスラム教は旧約聖書とコーランが経典になっています。そして、三者ともアブラハムを信仰の父としてあがめています。

ユダヤ教とキリスト教は、共に同じ神様を信じています。イスラム教はアラーという表現をしていますが、同じ神様を信じていると私は思います。日本の宗教は多神教の分類に入るかもしれませんが、宇宙の支配者とかサムシンググレイトという解釈はありますので、一神教を受け入れる素地はあります。

日本の古神道は一神教であったという説もあります。八百万(やおよろず)の神々という表現がありますが、当時の古代日本の人口は、多く見積もって800万といわれていました。800万の人の神という意味ではないかと思います。

全ての国民に神が宿るし、自然界の全てのもの、動植物や鉱物の中に神の霊が宿っているという信仰でした。神様のことをお天道様と表現することもありました。お天道様は全てを見ているから、悪いことをしてはいけないという気持ちでした。だから他人と争わず、動植物や鉱物の中にも神の霊を認め、自然を大切にしていこうというのが縄文時代の信仰だったのではないかと思います。

私は、日本という国は決して旧約聖書と関わりのない国ではないと思います。創世記10章を見ますと、ノアにはセム、ハム、ヤペテという3人の息子がいました。セムからアルパクシャデ、アルパクシャデからシェラフが生まれ、シェラフからエペルが生まれます。このエペルから二人の男の子が生まれたとあります。ペレグとヨクタンです。

ペレグは、アブラハムにつながる家系の祖となります。もう一人のヨクタンには13人の男の子が生まれますが、東の高原地帯に定住したとあります。この高原を山と訳している聖書もあります。聖書の中に登場する人名には意味があるといわれます。歴史上の大きな役割を果たしています。ヨクタンと13人の子ども全ての名前が記されていますが、ここで途絶えてしまうのです。

この東の高原、あるいは山はどこであったのかという論議は何度かなされたようですが、結局は中東かアラビア半島のどこかであったのではないかという結論に落ち着いたようです。しかし、ヘブル語の東という言葉はケデムという表現ですが、「日が昇るところ」という意味もあります。日出る国という表現は、中東のどこにもありません。

ヨクタンの一行が東の果ての国、日本を目指したのではないかという説を唱える学者もいますが、まだまだ一般的には受け入れてもらえないかもしれません。神様が救い主の家系としてアブラハムを用意されましたが、地球の果てに何らかのアシスト役としての民族を秘密裏に備えておられたという考え方も、ロマンがあるかもしれません。

日本は中東から遠過ぎるという考えもありますが、イザヤ書に「それゆえ、東の国々で主をあがめ、西の島々で、イスラエルの神、主の御名をあがめよ」(24:15)とあります。また41章9節には「わたしは、あなたを地の果てから連れ出し、地のはるかな所からあなたを呼び出して言った」とあります。

また、イエスは「あなたがたに言っておくが、神は、この石ころからでも、アブラハムの子孫を起こすことがおできになるのです」(マタイ3:9)と言われました。これは、救いの計画について何らかの備えがあるのだというように受け取るのは、行き過ぎでしょうか。ユダヤと日本に共通していることの一つに、家系図を大切にすることもあります。エルサレム陥落で途絶えた系図が、日本では万系一世として受け継がれています。

アブラハムが誕生する以前に、ヨクタンと息子たちが日本の地を訪れ、アッシリア捕囚やバビロニア捕囚、エルサレム陥落などの機会にも東の果ての地を目指す一団があったと考えると、幾層にも重なった影響を日本にもたらしていると考えることができます。世界で最も古い歴史を持つ日本で生きる者に、役割が与えられているとしたら何だろうかと考えさせられます。世界の平和と人類繁栄のために祈ることではないでしょうか。

祈りの宣教者と呼ばれるシスターが米国にいます。燃える柴の祈り会という組織を全世界で作り、祈りの輪を広げています。このシスターは、祈る時は「神を褒めたたえなさい」と教えているそうです。神を褒め、御国が来るように求めることが必要だそうです。天の御国と自分の空間がつながると、自分の諸々の問題はいつの間にか解決しているそうです。これはまさしく主イエスが主の祈りで教えておられることです。「天にいます私たちの父よ。御名があがめられますように。御国が来ますように。みこころが天で行われるように地でも行われますように」(マタイ6:9、10)

使徒時代に最初の殉教者となったステパノは、殉教の直前に叫びました。「見なさい。天が開けて、人の子が神の右に立っておられるのが見えます」(使徒の働き7:56)。偉大な預言者も、この地上で偉大なことを成し遂げた人々も、天とつながり、エネルギーを受けたのではないでしょうか。祈りに応えて天にある神の倉が開かれます。神様は求める者に惜しみなく与えてくださいます。

求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。(マタイ7:7)

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◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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