さくら時計
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さくら時計(最終回)エピローグ 星野ひかり
長く、イエス様と共にさくら色の花びらのさくら時計の針に乗って、記憶を旅してまいりました。甘く、悲しい記憶の旅に、イエス様は何度でも私を連れて行ってくださいます。幼子の私は、イエス様を見上げてほほ笑みました。
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さくら時計(11)血の縄 星野ひかり
私は、間もなく60歳の定年を迎えようとしておりました。ちょうどその頃、母の連れ合いが亡くなったと知らせを受けました。もう、生きている身内のいない人だったそうで、母と私、そしてたくさんの趣味の仲間たちに見送られ、天国に旅立ったのです。
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さくら時計(10)神様の庭 星野ひかり
「おはよう、サビ、ブチ、ミコ、ミィ…」。朝は、猫たちが寄ってたかって「お腹がすいた」と叫ぶので、大忙しの私です。外はまだ朝日が昇る前、冷たい闇が広がっている朝の4時。
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さくら時計(9)夫はイエス様 星野ひかり
その家は、白の塗り壁に青い瓦屋根の小さな平屋でありました。庭には野草がぼうぼうに生えていて、木張りの床や柱も黒ずみ、その家の生きてきた年月を感じさせました。
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さくら時計(8)目まい 星野ひかり
私は大みそかも働いておりました。大みそかと言ったら、家族や親族が集い合い、和気あいあいと歌番組でも見て、ぜいたくな料理をつつき合い、日付の変わる頃には年越しそばと除夜の鐘、そんなにぎやかな日でしょうか。
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さくら時計(7)来られた方 星野ひかり
さくら色の花びらで縁取られたさくら時計の中で、「イエス様、あの日のことは、今でもよく分からないの。ただ、あなたが来てくださったことだけは、分かっているの」そう目に涙をためる私の肩を、イエス様はそっと抱き、静かにうなずきました。
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さくら時計(6)聖夜の祈り 星野ひかり
「ねえ、お兄様、天のお父様はなぜあれほどに私を打ったの?」私は悲しげな瞳で、イエス様を見上げました。イエス様もとても悲しそうな顔をして、「おまえをただ、深く愛しておられたんだよ」とほほ笑みました。
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さくら時計(5)万華鏡 星野ひかり
闇の深き所から、無数に触手が伸びてくるのが見えるようでありました。その触手は私のからだをまさぐり、細い足首をつかみました。触手はめりめりと私の足首にめり込んで、私の一部となっていくようでありました。
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さくら時計(4)きりきり舞い 星野ひかり
「お客さん、着きましたよ」。タクシーの後部座席で眠っていた私は、運転手が何度も呼びかける声で目を覚ましました。おぼつかない指先で、お財布をまさぐりお金を払うと、よろよろと家へ帰りました。
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さくら時計(3)かげろう 星野ひかり
イエス様、今日は母があなたによってこの世の労を解かれてから、5年目の日であります。この世の人は、どんな人も類にもれず、この世を離れる時を迎えます。私にとって、天の世界への思いは強く、あなたが生きられる世界に行く日は楽しみであり…
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さくら時計(2)せいくらべ 星野ひかり
私は今朝も、早く起き過ぎてしまいました。まだ世界には陰りがあり、太陽の光に照らされるまで、時間はたっぷりあるようです。鳥たちもまだ眠っているのでしょうが、静寂の中に虫たちの声が混じっているような気がします。
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さくら時計(1)プロローグ 星野ひかり
「お父様、どうして私ばかりぶつの?」そう言う私は幼子で、拳を振り上げる天のお父様を見上げていました。私は涙をぽろぽろと流しておりましたが、お父様の目も、熱い涙でうるんでいるようでした。
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