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Gゼロ時代の津波石碑

Gゼロ時代の津波石碑(3)日中韓、泥沼化する「桜の起源」論争 山崎純二

2025年7月2日22時26分 コラムニスト : 山崎純二
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関連タグ:山崎純二

前回までは、新教皇レオ14世の就任に関連して、プロテスタントとカトリック神学の違いについて書かせていただきましたが、再び『Gゼロ時代の津波石碑』の内容の一部を紹介させていただければと思います。

敷島(しきしま)の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花(やまざくらばな)

ソメイヨシノは韓国が起源!?

まずはFNNプライムオンラインの以下の記事を読んでください。

韓国の行政機関である文化財庁は「ソメイヨシノは韓国が起源」だと主張している。その理由はこうだ。1908年にフランス人神父が韓国の済州島に自生していた桜を採取し、それをドイツ・ベルリン大学の研究者に送ったところ、日本のソメイヨシノと同じである事が分かったのだという。(中略)済州島の桜を韓国では「王桜」と呼んでいたため、文化財庁は「ソメイヨシノ=王桜」であり、「ソメイヨシノは韓国起源」と主張しているのだ。(引用元:FNNプライムオンライン「春の風物詩?『ソメイヨシノは韓国起源説』を検証する」)

私も韓国に留学していた時期があり、ソウルの中央にある汝矣島(ヨイド)公園などには、多くの桜(ソメイヨシノ)が咲いていたのを記憶しています。そして、ソメイヨシノが韓国の起源だという主張を聞いて驚きました。

しかし、2018年にゲノム分析を通じて日本のソメイヨシノと済州の「ワンボンナム(王桜)」は異なる種であることが確認されました。これは世界的ジャーナル『ゲノムバイオロジー』9月号に掲載された内容で、韓国内においても論争にいったんの終止符が打たれたということのようです。

しかし、ここで話が終わりというわけではありません。なんと、それならばということで、既に植わっている多くのソメイヨシノを韓国産の「王桜」に植え替えるプロジェクトが始動したといいます。それは少しやり過ぎではとも思ってしまいますが、かれこれしているうちに、中国もこの論議に加わってきました。「Record China」には、以下のような記事が掲載されています。

桜の起源は中国!?

中国桜花産業協会の代表は「桜の起源は日本でも韓国でもなく、中国である」という驚くべき発言をした。2016年春には、武漢市のネット金融サービス会社が東京渋谷の大型モニターに「世界の桜のふるさと」と銘打って武漢大学の桜をPRした。2017年には、山東省棗荘市山亭区の役人が、農業科学院の専門家の結論として「世界の桜の原産地は山亭だ」と発言した。(引用元:Record China「日中韓の『桜の起源』論争に終止符?=中国専門家『奪うな、桜は日本のものだ』」)

ここまで来ると、桜の起源論争は、あたかも日中韓の国の威信をかけた謎のプロパガンダ合戦になってしまっている感があります。ちなみに、中国の主張は「ソメイヨシノ論争」とは異なり、野生種の原産地の話だそうです。確かに、野生種の桜の原産はヒマラヤ山脈地域である可能性が高いらしく、大元をたどれば、桜の原産地は中国(チベット)なのだとも主張できるようです。

かくして、極東アジアの三国は、他の国々から見れば、さまつにも見える議論に熱を上げているのです。しかし調べてみると、他にも韓国と中国の間では熾烈なキムチ起源論争があり、韓国と日本の間でいえば「剣道」「茶道」「神社」「城」などが、自国起源説の議論の対象となっているようです。

万国津梁の鐘にうたわれている精神

一応、議論のバランスをとるために付け加えておくと、沖縄の築城技術は中国大陸や朝鮮半島の影響が強いといわれていますし、「やちむん」は、1600年代に琉球王府が薩摩から招いた朝鮮人陶工から技術指導を受けたことが原点とされています。

そもそも、日本は遣隋使や遣唐使を送って、中国から漢字をはじめ多くの文化を学んできましたし、朝鮮半島を経由してきたものも少なくないので、そんなに目くじらを立てて、一つ一つの起源を議論しなくても「昔からお互い、さまざまな交流がありましたね」でよいのではとも思います。

沖縄の首里城にある万国津梁(ばんこくしんりょう)の鐘には、そのようなポジティブな異文化交流の精神が碑文として刻まれています。書き出しはこのように始まります。

琉球国は南海の勝地にして三韓(朝鮮)の秀をあつめ、大明(中国)をもって輔車となし、日域(日本)をもって唇歯となす。

輔車とは「ほお骨」と「歯ぐき」のことであり、唇歯とは唇と歯のこと。つまりは、互いにお互いを補完し合い、支え合う密接な関係を意味しています。そして、「三韓(朝鮮)の秀をあつめ」とあることから、沖縄においては中国、日本、朝鮮半島と文化や経済の交流があり、豊かな互恵関係にあったことがうたわれているのです。しかし、20世紀、21世紀と時代が進むにつれて、自国起源説に熱を上げる人たちが多いのは、なぜなのでしょうか。

自国優越主義の台頭

それはひとえに、自国のナショナリズム的なアイデンティティーの優越性や固有性を主張したいがためでしょう。そして、それは不安と自信の欠如の表れであるともいえます。例えば、個人として自分のすべき使命が定まっていて、その道にまい進している人々は、このような論争にはあまり加わらないでしょう。

なぜなら、自分自身の中に内発的な自信がみなぎっているときには、他者と比較する必要がなく、自国に付随する外的なアイデンティティーをことさらに誇る必要がないからです。

ちなみに、冒頭の詩を書いた本居宣長を長年研究してきた小林秀雄さんは、昔の日本の歌人が愛し、歌っているのは日本古来の「山桜」のことであり、ソメイヨシノのようなものは近年になって、文部省と植木屋が結託して人工的に植えた俗悪なものだと言下に退けていました。それを聞いたときには、複雑な思いにさせられました・・・。

さて、以上が本文からの抜粋ですが、私は今回、何かを批判したり、自己の夢を追求すべきだといったりしたいわけではありません。今回の内容は、300ページに及ぶ本書の序章の一部であり、私たち現代人が抱えている病理の一側面の描写に過ぎません。

ただ、私たちが知らず知らずのうちに巻き込まれてしまうかもしれない感情の渦について、また、古来から行われてきた他国との豊かな交流について思い起こしていただくことが、今後の議論の前提として有益だと思ったのでシェアさせていただいた次第です。最後に、使徒パウロがコリントの人々に宛てて書いた手紙から一つ引用して終わりにしたいと思います。

いったいだれが、あなたをすぐれた者と認めるのですか。あなたには、何か、もらったものでないものがあるのですか。もしもらったのなら、なぜ、もらっていないかのように誇るのですか。(コリント人への手紙第一4章7節)

本の全文を読みたい方は、書籍『Gゼロ時代の津波石碑―再び天上の神様と繋がる日本―(21世紀の神学)』を手に取っていただければと思います。

山崎純二のユーチューブチャンネル「21世紀の神学―Gゼロ時代の津波石碑―」の方でも、さらに踏み込んだ内容が発信されていますので、興味のある方はこちらもご視聴いただけます。

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◇

山崎純二

山崎純二

(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。米国ではクイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。ツイッターでも情報を発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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