南米ベネズエラで6月24日にマグニチュード(M)7を超える地震が相次いで発生してから1カ月が経過した。世界の子どもを支援するキリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン」は、現地の子どもたちの心の中では、もう一つの「見えない地震」が進行していると警鐘を鳴らしている。
ベネズエラ政府の発表によると、この地震では、22日時点で5398人の死者が確認されており、負傷者は1万6740人、住居を失った人は1万7907人に上る。
目に見える爪痕はいまだに深く残っているが、地震は建物だけでなく、子どもたちの「安心」も打ち砕いたとワールド・ビジョンは指摘する。余震への恐怖や家族との死別、住み慣れた家からの退去は、深刻なトラウマをもたらすとし、こうした「見えない地震」が子どもたちの心の中で進行しているという。
ワールド・ビジョンはこれまで、避難所や物資配布拠点に、子どものための安全な居場所「チャイルド・フレンドリー・スペース」(CFS)を設置し、遊びやアートを通じた心理社会的支援を行ってきた。ベネズエラ事務所の事業責任者であるマリベル・プラダ氏は、CFSについて「子どもたちにとって、感情的な生命線となる場所です」と話す。
ワールド・ビジョンは地震発生から3週間で4652世帯、3万6720人に支援を届けており、そのうち約3分の1が子どもだという。
今回の地震は、長年の経済危機と政情不安の中にあったベネズエラの子どもたちを直撃した。ワールド・ビジョンによると、同国では約790万人が国外へ移住し、推計100万人の子どもが親の不在により親族や隣人に預けられている。地震では400校を超える校舎が被害を受けており、教育格差のさらなる拡大が懸念されている。
支援は命を守る緊急期から復興期に移行しており、ワールド・ビジョンは今後、学校コミュニティー全体への心理社会的支援や学用品と制服の提供、学校施設の修復、仮設教室の設置なども進める計画だ。
中南米カリブ地域の対外連携担当ディレクターであるミシェル・ミッチェル氏は、「教育を受ける権利を回復することは、地震の影響を受けた多くの家族が追い込まれる不法移住や強制移動のリスクを、先手を打って防ぐ最も有効な手段です」と強調する。
ワールド・ビジョンは地震発生直後から、食料や水、衛生用品、一時的な住まいを提供し、地域のボランティアや教会組織などと協力して支援活動を展開してきた。今後も子どもの保護と教育、安全な水と衛生環境、生計回復などの長期支援を続けるとして、日本事務所のワールド・ビジョン・ジャパンは、緊急支援募金への協力を呼びかけている。

















