Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
聖書と植物

聖書と植物(19)個性的なテレビンの木 梶田季生

2023年8月16日19時36分 コラムニスト : 梶田季生
  • ツイート
印刷
関連タグ:梶田季生
聖書と植物(19)個性的なテレビンの木 梶田季生+
大西洋テレビン(写真:Eitan f)

1. はじめに

聖書に「エラー」(ヘブル名)という木の名前が13回出てきます。聖書協会共同訳では全てテレビンの木となっています。それが新改訳2017では、11回が樫の木、他の2回がテレビンの木と訳されています。

現在、植物学者はエラーをテレビンの木、アルローンを樫の木(前回参照)と同定しています。そこでイザヤ6:13とホセア4:13の2カ所では、エラーとアルローンが同一箇所に使われ、次のように訳します。

「しかし、切り倒されたテレビン(エラー)や樫の木(アルローン)のように、それらの間に切り株が残る。この切り株こそ、聖なる裔(すえ)」(イザヤ6:13、新改訳2017)

「彼らは・・・丘の上で犠牲を供える。樫の木(アルローン)、ポプラ(リブネー)、テレビンの木(エラー)の下で」(ホセア4:13、同上)

ところが、ギリシャ語訳(LXX)ではエラーの13回のうち5回がテレビンの木、6回が樫の木、2回が「樹陰を作る大きな木」と、入り乱れて訳出されています。

それ故、新改訳2017も前述のように、2カ所だけテレビンの木にし、他は樫の木にしているのではないかと思います。でも個人的には、他の11カ所もテレビンの木とした方がすっきりすると思いますが(口語訳でもアルローン、エラーいずれも樫の木、テレビンの木の両方に訳出する混同が見られます)。

2. パレスチナのテレビンの木

テレビンの木はウルシ科カイノキ属(Pistacia)で、パレスチナに5種ありますが、代表的な3種を取り上げたいと思います。

① 大西洋テレビン(別名:ニシノウミノウコウ)Pistacia atlantica Desf.

分布は、地中海地域から北アフリカを経て大西洋岸に至ります。学名の種小名と和名は、これによるといいます。パレスチナでは上・下ガリラヤ、フラー平原、ダン、ギレアデ、アモン、エドム、ネゲブです。

樹高4〜20メートルで、3種の中で一番高い落葉樹です。温帯の乾燥地帯をステップといい、そのステップと半ステップの湿潤な所に生育し、数が少ないです。大西洋テレビンとタボル樫との群落が築かれているものの、このテレビンの木が点在する様子も見られるといいます。

植物学者は、創世記35:4、エゼキエル6:13、ホセア4:13のテレビンの木は、これの大木であったと推測しています。目印として、または、ある場では偶像の礼拝所になっていたのです。

葉は3〜5対の羽状複葉で小葉の先は尖らず、丸い。花期は3〜4月、果実は小さく6〜7×5〜6ミリ、赤色で食用可です。

② パレスチナテレビン(別名:セイチノウコウ、イスラエルテレビン)P. palaestina Boiss.(=P. terebinthus L. var. palaestina 【Boiss.】Engl.)

聖書と植物(19)個性的なテレビンの木 梶田季生
パレスチナテレビン(写真:Eitan f)

樹高2〜6(〜10)メートルの落葉樹です。奇数または偶数羽状複葉で、小葉は4〜5対前後で先は尖ります。花期は3〜4月。この果実も小さく径約5ミリ、赤褐色です。食用可。

分布は広く、シャロン平原、上・下ガリラヤ、カルメル山、ギルボア山、サマリア、ダン、フラー平原、ゴラン、ギレアデ、アモン、モアブ、エドムです。パレスチナテレビンとセイチ樫とは、パレスチナ、レバノン、シリア、トルコなどのマキスにおいて最も大切な仲間で、群落を形成しています。

③ マスチックテレビン P. lentiscus L.

聖書と植物(19)個性的なテレビンの木 梶田季生
マスチックテレビン

常緑樹です。樹高は低く、1(〜3)メートルの低木です。葉は偶数羽状複葉で、小葉は普通2〜3対、葉軸に翼があります。花期は3〜4月。果実は他よりさらに小さく径3〜4ミリで、赤または黒色に熟します。

分布は海岸から標高約300メートルの所に自生します。ガリラヤの海岸、アッコ平原、シャロン平原、ペリシテ平原、上・下ガリラヤ、カルメル山、ギルボア山、サマリア、ユダ山地に普通に見られます。

マキスに最も普通に見られる構成要素の一つで、イナゴマメ(マメ科、常緑樹、拙著『聖書の植物』参照)との特定の群落を作ります。

3. テレビンの木の特異性

現在、食品売り場に行けば簡単に手に入れることのできるピスタチオは、テレビンの木と同じ仲間で Pistacia vera L. といいます。栽培種です。

染色体数は30本です。ところが、大西洋テレビンは28本、マスチックテレビンは24本です。基本数(x)がそれぞれ15、14、12本です。遺伝的に大きな開きがあることに驚かされます。個性的です。

セイチカシなど Quercus 属の染色体数は、そのリストによれば28種全て、生育地が新旧大陸に広がっているにもかかわらず、24本と48本(一つだけ四倍体)です。基本数(x)が12本です。テレビンの木とは対照的です。

特定のテレビンの木が樫の木の特定種、あるいはイナゴマメを仲間とする群落が特記されていることに不思議を覚え、驚きました。

① 乾燥地を好む大西洋テレビン(落葉樹)とタボル樫(落葉樹、暖冬では葉が残る)。

② パレスチナテレビン(落葉樹、新葉が赤い)とセイチ樫(常緑樹、若い新枝は黄色)。春の芽吹きの赤と黄の輝きは、実に美しい様相を醸し出します。

③ 赤花のマスチックテレビン(常緑樹、樹高約1メートル)と陽光を好むイナゴマメ(常緑樹、高さ3〜5メートル)。

エラーの「エル」は神を意味し、力、強さを象徴します。群落のテレビンの木と特定の木は、神の創造の知恵の豊かさ、美しさや優しさを表し、人に注がれる父とキリストの愛と憐(あわ)れみ、平安を語っているようです。

「主は あなたに恵みとあわれみの冠をかぶらせ あなたの一生を 良いもので満ち足らせる」(詩篇103:4、5)

「この方は恵みとまことに満ちておられた」(ヨハネ1:14)

パウロとペテロは手紙のあいさつで祈ります。「恵みと平安があなたがたにあるように」、テモテには「恵みとあわれみと平安があるように」と。ヨハネやユダも。

<<前回へ     次回へ>>

◇

梶田季生

梶田季生

(かじた・すえお)

1946年愛知県生まれ。66年に日本バプテスト宣教団津新町キリスト教会で受洗。学生時代はKGK(キリスト者学生会)で交流。68年に三重大学農学部農学科(育種)を卒業。72年に大阪聖書神学校を卒業後、池田キリスト教会伝道師。80年から南都農園(現ナント種苗)飛鳥育種農場で品種改良に従事し、メロン、カボチャ、大根を担当。農場長および宇陀育種研究農場長を経て退職。単立名張聖書キリスト教会元牧師、みえ洗足キリスト教会元協力牧師。このほど、聖書の視点から植物に託されたメッセージをひも解く『聖書の植物―草と木に託されたメッセージ』(イーグレープ、四六判・300ページ、税込2200円)を出版した。なぜイエスは人との関係をブドウに例えたのか、アーモンドはなぜキリストの復活の象徴なのか。実物のカラー写真を配置しながら、分かりやすい言葉で解説している。注文は、全国の書店・キリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:梶田季生
  • ツイート

関連記事

  • 聖書と植物(18)樫の木 梶田季生

  • 聖書と植物(17)用途の広いいちじく桑の木 梶田季生

  • 聖書と植物(16)人生の花とことばの力 梶田季生

  • 聖書と植物(15)アーモンドの花とケーパーのつぼみ 梶田季生

  • 聖書と植物(14)アロエか沈香か 梶田季生

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ワールドミッションレポート(6月11日):キリスト教信仰が最も急速に成長している国々

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(230)聖書と考える「あなたを奪ったその日から」

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.