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日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(166)弱さを抱え、孤独に生きる人々を支えたい 広田信也

2023年2月11日11時48分 コラムニスト : 広田信也
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関連タグ:広田信也

弱さを抱え、孤独に生きる人々を支える完全非営利型一般社団法人「善き隣人バンク」の働きが、全国の奉仕者、応援者、支援者の皆様に支えられ、拡大展開を始めています。聖書の示す隣人愛を基に、継続的な「傾聴」活動を担う、人材、能力、情報、資金、連携の力強いネットワークが、やがて日本の各地に行き渡ると期待しています。

コロナ禍の始まった2020年春、最初のクラウドファンディングを実施し、皆様のご支援によってこの働きを発足させることができました。人的交流の難しい逆境下でしたが、多くの皆様から温かい応援を頂き、大いに励まされた次第です。心より御礼申し上げます。

今回は、その後にこの働きに加わってくださった方を含め、約50人の傾聴スタッフや地域スタッフを支えるため、もう一度クラウドファンディング(2月13日~4月10日)に挑戦します。私たちの予想を超え、依頼者もスタッフも急増しているため、人件費、活動費の財源が、極端に不足していることが背景にあります。

スピリチュアルペインを担う

今から9年前、聖書学校の卒業を機に、人々に寄り添う働きを創出するため、地域教会の牧師になることを諦め、ブレス・ユア・ホーム株式会社を設立しました。その後、効果的な宣教ツールを求めて数多くの事業を試し、現在も試行錯誤を続けています。

そのような中、介護保険外サービスとして始めた「話し相手・付き添いサービス」の効果が著しく優れることに気付きました。実施件数は少なく、事業性は全くない働きでしたが、長年、依頼者に寄り添い、信頼され、良い関係を築きながら祝福をお届けすることができました。

これらの成果を生んだ要因は、実施している内容が「傾聴」に徹することであり、依頼者の状況によらず、長期にわたって寄り添い、依頼者の抱えるスピリチュアルペインを共に担えたことにあると考えています。依頼者の話を、ただひたすら聞かせていただいたことで、信頼関係が育まれ、「善き隣人」に近づけたように思います。

スピリチュアルペインとは、全ての人が抱えている心の痛みですが、神様から離れる人間の心の内にある罪責感に起因し、理性では解決できないものの、継続的な傾聴が効果的に作用するといわれています。

無償で寄り添うことを決断

このように「話し相手・付き添いサービス」は、確かに大きな成果を生む働きでしたが、介護保険が使えないため、株式会社のサービス事業として成立しないのは明らかでした。

しかも実際にやってみると、お話を聞き続けるのは簡単なことではなく、依頼者に寄り添う傾聴スタッフを支えるため、組織的な連携が必要になることも分かってきました。それらの人件費、活動費を負担できる手立てが全くありませんでした。

優れた宣教の働きにもかかわらず、拡大展開できない状況が約6年近く経過してしまいました。その間、依頼者やその家族だけでなく、細々と働きを継続してくれる傾聴スタッフからも、この働きの卓越性が届けられるようになりました。

やがて2020年、私たちは神様に押し出されるように、この働きを拡大展開するため、完全非営利型一般社団法人「善き隣人バンク」を創設するように導かれました。

依頼者に対して料金を設定するサービス事業にできないのなら、思い切って全て無償にしようと、寄付金で運営する完全非営利型一般社団法人にすることにしました。それまでの経験を通し、この働きの優れた効果を共感してくださる奉仕者、応援者、支援者が、今後も数多く与えられると確信できた故の決断でした。

依頼者、奉仕者の急増、ファンドレイジングの必要

「善き隣人バンク」を法人化し、ホームページを立ち上げ、情報誌や案内を作成して広報活動を始めました。「善き隣人」という言葉は、聖書をよく知っている人でなければ思いつくキーワードではないため、ネットで検索されにくく、急に依頼が増えることはないだろうと高をくくっていました。

ところが、孤独に悩むさまざまな立場の方から、依頼が頻繁に寄せられるようになりました。無償で寄り添うことで、生活困窮者や、名前や住所も伝えられない、弱さの中にある人たちのお話も聞かせていただいています。

さらにありがたいことに、この働きに参加して働きたいと希望する方からも、数多く連絡が入り、傾聴スタッフだけで30人を超えるようになりました。全国からの依頼に対し、十分に応えられるほどではありませんが、参加を申し出てくださる方の多くは、福祉関連の働きの経験を持たれ、傾聴に関しても理解のある方ばかりですので、大変良い効果の連鎖が起こり始めています。

一方、スタッフの急増に対し、これまで実施したことのないファンドレイジングの手段を学び、何とか寄付金によって経費を捻出しようとしてきましたが、継続的な支援を得るのは難しく、スタッフを支える財源が極端に少なくなってしまいました。

今回のクラウドファンディングの目標額は、未達成になる危険を回避するため、250万円にしました。しかし実際には、次年度に1000万円を超える額が不足すると考えています。

これらの非常に大きなリスクを抱えたまま、「善き隣人バンク」は拡大展開を始めています。不安がないわけではありません。しかし、神様の御旨に沿って進めるなら、必要なものは全て備えられると信じています。今後とも皆様からのご加祷、ご支援をよろしくお願いします。

あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。(マタイの福音書19章19節)

まず神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて与えられます。(マタイの福音書6章33節)

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◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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