Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(35)「金持ちと貧しいラザロの例え」―大きな淵に架けられた橋― 臼田宣弘

2022年12月7日13時24分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘

今回は、16章14~31節を読みます。

ファリサイ派の人々への警告

14 金に執着するファリサイ派の人々が、この一部始終を聞いて、イエスをあざ笑った。15 そこで、イエスは言われた。「あなたたちは人に自分の正しさを見せびらかすが、神はあなたたちの心をご存じである。人に尊ばれるものは、神には忌み嫌われるものだ。

前回、イエス様が語られた「不正な管理人の例え」とその解釈において、「神と富とに仕えることはできない」ということが示されたことをお伝えしました。ファリサイ派の人々が、それを聞いていてイエス様をあざ笑った場面から、今回のお話は始まります。彼らはお金に対する執着心を持っていました。

ファリサイ派の人々は、律法と預言者(書)の中に、「正しい者たちは繁栄する」というメッセージを見ていたからです。富は彼らにとって、正しさの証しであったのです。ですから、富を持つことはむしろ名誉なことであったのでしょう。

イエス様はそれに対して、第一に、「あなたたちは人に自分の正しさを見せびらかすが、神はあなたたちの心をご存じである。人に尊ばれるものは、神には忌み嫌われるものだ」と言い、ファリサイ派の人々が自分自身の正しさを主張することを批判されたのです。

イエス様は第二に、律法と預言書には、繁栄することではなく貧しさを尊重することが記されていると語られました。第8回でお伝えしましたが、イエス様のナザレの会堂での宣教は、「主の霊がわたしの上におられる。貧しい人に福音を告げ知らせるために、主がわたしに油を注がれたからである」というイザヤ書の朗読から始まりました。神様は貧しい者に目をかけてくださることが告げられていたのです。律法と預言書は、貧しさを尊重しているということが、イエス様の公生涯において語られていたのです。

16 律法と預言者は、ヨハネの時までである。それ以来、神の国の福音が告げ知らされ、だれもが力ずくでそこに入ろうとしている。17 しかし、律法の文字の一画がなくなるよりは、天地の消えうせる方が易しい。18 妻を離縁して他の女を妻にする者はだれでも、姦通(かんつう)の罪を犯すことになる。離縁された女を妻にする者も姦通の罪を犯すことになる。」

「律法と預言者は、ヨハネの時までである」とは、「正しい者たちは繁栄する」というファリサイ派の人々の律法の古い解釈は、洗礼者ヨハネより前の時代のものであり、洗礼者ヨハネ以後はそういう解釈はなされていないということだと私は考えています。

第4回でお伝えしましたが、洗礼者ヨハネは、「下着を二枚持っている者は、一枚も持たない者に分けてやれ。食べ物を持っている者も同じようにせよ」「規定以上のものは取り立てるな」「だれからも金をゆすり取ったり、だまし取ったりするな。自分の給料で満足せよ」というメッセージを語っていました。これらのことは、概して「富に固着するな」ということです。洗礼者ヨハネより前の時代には、「正しい者たちは繁栄する」という解釈があったかもしれないが、洗礼者ヨハネ以後はそうではなくなったということだと思います。

イエス様の教えは新しいものでしたが、律法と預言書を廃棄するのではなく、律法と預言書を完成させる解釈によってそれを伝えるものでした。マタイ福音書5章17節の「わたしが来たのは律法や預言者を廃止するためだ、と思ってはならない。廃止するためではなく、完成するためである」という言葉は、そういう意味であると思います。イエス様の律法と預言書の解釈は、貧しさに対する思いやりがあったのです。

金持ちと貧しいラザロの例え

エドゥアルト・フォン・ゲープハルト「金持ちとラザロ」(米クロッカー美術館所蔵)
エドゥアルト・フォン・ゲープハルト「金持ちとラザロ」(米クロッカー美術館所蔵)

その後、イエス様は一つの例えを語られました。当然ながらそれは、ファリサイ派の人々に向けて語られたものです。そのためだと思いますが、復活を信じている彼らの死生観が背景になったお話になっています。そこでは、イエス様による新しい律法と預言書の解釈が示されています。

19「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。20 この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、21 その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。

22 やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。23 そして、金持ちは陰府(よみ)でさいなまれながら目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた。24 そこで、大声で言った。『父アブラハムよ、わたしを憐(あわ)れんでください。ラザロをよこして、指先を水に浸し、わたしの舌を冷やさせてください。わたしはこの炎の中でもだえ苦しんでいます。』

25 しかし、アブラハムは言った。『子よ、思い出してみるがよい。お前は生きている間に良いものをもらっていたが、ラザロは反対に悪いものをもらっていた。今は、ここで彼は慰められ、お前はもだえ苦しむのだ。26 そればかりか、わたしたちとお前たちの間には大きな淵(ふち)があって、ここからお前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの方に越えて来ることもできない。』

ある金持ちが、持っているお金の故にぜいたくに遊び暮らしていました。高価な材料の食事を楽しんでいたのでしょう。ところが、金持ちの家の前にはラザロという貧しい人がいて、その家で捨てられた食べ物をあてにして暮らしていたのです。しかし金持ちは、ラザロを自分が楽しんでいた宴席に招待することはしませんでした。

時が過ぎて2人が亡くなると、ファリサイ派の人たちの死生観に基づいて、2人はよみがえります。ラザロは天使によってユダヤ人の先祖であるアブラハムのいる宴席に連れていかれますが、金持ちであった人は陰府に連れていかれます。彼のいる場所は、アブラハムとラザロのいる場所の「はるかかなた」でした。また26節によれば、2つの場所の間には大きな淵があります。

陰府は刑罰の場所と考えられていたようで、金持ちであった人は炎の中で苦しんでいたとされています。それでアブラハムに対して、「ラザロをここに遣わして、その指先につけた水で私の下を冷やさせてください」と懇願します。生前のラザロとの関係がまだ脳裏に残っているようで、ラザロは自分の思い通りになると考えていたということかもしれません。

しかし、アブラハムはその懇願を拒否します。その理由は、金持ちであった人は生前ぜいたくをしていたけれども、ラザロは苦しんでいたからだとし、ラザロはよみがえった後は慰められ、金持ちであった人はもだえ苦しむのだと言うのです。そして、2つの場所の間には大きな淵があって、行き来をすることは無理なのだと告げます。金持ちであった人は、生前にラザロを宴席に招くことをしませんでしたが、死後は金持ちであった人が、アブラハムの宴席に行くことができなかったのです。

27 金持ちは言った。『父よ、ではお願いです。わたしの父親の家にラザロを遣わしてください。28 わたしには兄弟が五人います。あの者たちまで、こんな苦しい場所に来ることのないように、よく言い聞かせてください。』 29 しかし、アブラハムは言った。『お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい。』 30 金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ、もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。』 31 アブラハムは言った。『もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。』」

それを聞いた金持ちであった人は、方針を転換します。自分が助かることは諦めるのですが、まだ生きている自分の兄弟たちがこんな苦しい場所に来ることがないように、ラザロを遣わしてぜいたくな生活をやめるように言い聞かしてくださいと言うのです。

それに対するアブラハムの答えは、「お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい」というものでした。つまり、律法と預言書を読めばよいということです。ここでファリサイ派の人々への警告にあった「律法と預言者は、ヨハネの時までである」という言葉についての、イエス様の考え方が示されたのです。

イエス様の律法と預言書の解釈は、ナザレの会堂で朗読されたイザヤ書の「貧しい人に福音を告げ知らせるために、主がわたしに油を注がれたからである」に沿ったものでした。ファリサイ派の人々の「正しい者たちは繁栄する」という解釈とは一線を画すものであったのです。

そしてアブラハムは最後に、「もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう」と告げたとされます。この「たとえ死者の中から生き返る者があっても」というのは、イエス様の復活を予示しているとされます。

律法と預言書に聞かない者は、復活後のキリストを宣教する初代教会においても、その教えを聞かないだろうということです。この例えは、ファリサイ派の人たちに向けて語られたものですが、今日の私たちに向けてのものでもありましょう。私たちも律法と預言書、すなわち旧約聖書を、イエス様の教えを通して学びなさいということであろうと思います。それは前回お伝えした、富を拝するマモンを遠ざけなさい、ということにつながっていくのではないかと思います。

大きな淵に架けられたイエス様の十字架

この例えの中では、アブラハムとラザロがいた場所と、金持ちであった人がいた場所の間には、大きな淵があって行き来することができませんでした。しかしこの大きな淵に、イエス様の十字架という橋が架けられたのです。今回のお話における最終的なメッセージは、そのことであろうと思います。

私たちはイエス様の十字架によって、アブラハムの宴席に行くことができるのです。滅ぶことはないのです。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ルカ福音書を読む(34)「マモンからの解放」―友達を作りなさい― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(33)「放蕩息子と兄と父の例え」―全ての人を憐れまれる神様― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(32)「見失った羊と無くした銀貨の例え」―全ての人を憐れまれる神様― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(31)「宴席に招かれるとは」―ファリサイ派の議員の家で― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(30)「神の国」―小さいことが是とされる― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.