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ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(34)「マモンからの解放」―友達を作りなさい― 臼田宣弘

2022年11月30日10時54分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘

今回は、16章1~13節を読みます。

不正な管理人の例え

1 イエスは、弟子たちにも次のように言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄遣いしていると、告げ口をする者があった。2 そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』 3 管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。4 そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。』

5 そこで、管理人は主人に借りのある者を一人一人呼んで、まず最初の人に、『わたしの主人にいくら借りがあるのか』と言った。6 『油百バトス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。急いで、腰を掛けて、五十バトスと書き直しなさい。』 7 また別の人には、『あなたは、いくら借りがあるのか』と言った。『小麦百コロス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。八十コロスと書き直しなさい。』 8 主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている。

イエス様がなさったこのお話は、「不正な管理人の例え」といわれているものです。この例え話には、実にさまざまな解釈があります。今回はそれらのさまざまな解釈を提示することは特にせず、「私はこのように捉えている」ということで、その内容をお伝えしたいと思います。

前回、放蕩(ほうとう)息子のお話をお伝えしました。ある兄弟の弟が、父親から譲り受けた財産を使い果たしてしまったが、改心して父親の元に帰ってきて、父親から抱きしめられるというものでした。私は、今回の「不正な管理人の例え」が、放蕩息子とされている弟のお話につながっていて、それと関連していると考えています。

放蕩息子の父親は、神様を意味しています。神様が、帰ってきた放蕩息子を抱きしめたのです。今回のお話では、「ある金持ち」とされている人が神様を意味していると私は考えています。その金持ちの雇い人である管理人が、主人の財産を無駄遣いしてしまい、管理の仕事を辞めさせられそうになります。

ここで、放蕩息子が父親から譲り受けた財産を使い果たしたということと、管理人が主人の財産を無駄遣いしたということは、並行して響き合っていると思います。また8節は、「主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた」と伝えていますが、これは放蕩息子が父親に抱きしめられたことと響き合っていると思います。

放蕩息子は、財産を使い果たしたときに、これからどうしようかと思案して、「父の元に帰って雇い人として使ってもらおう」と考えつきました。今回のお話の管理人は、「主人が自分の仕事を取り上げようとしているがどうしよう。そうだ、管理の仕事を辞めさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ろう」と思案したのです。

そして、主人に借りのある者たちを呼んで、管理人として持っている証文をそれぞれに提示し、油100バトス(約2300リットル、新共同訳聖書の換算表による)を50バトスに、小麦100コロス(2万3千リットル、同)を80コロスに書き直すように指示します。このやり方を主人は、「抜け目のないやり方」として褒めたのです。

放蕩息子は、それまでの考えを改めて父親の元に帰りました。管理人も実は考えを改めているのだと、私は考えています。それは、主人の財産を無駄遣いするという「金銭欲にとらわれた考え」から、自分を家に迎え入れてくれるような者たちを作るという「対人関係を構築する考え」への改悛(かいしゅん)でした。

人々に証文を書き直させ、借りを減らすことは、主人に損害を与えることですが、管理人が金銭欲から解放されて、対人関係の構築をしようとしたからこそ、主人は「抜け目のないやり方をほめた」のだと私は考えています。主人が神様を意味しているとすると、神様は、人間が金銭欲から解放されることを望んでいるのではないかと思えます。

神とマモンとに仕えることはできない

イーブリン・ド・モーガン「マモン崇拝」(英ド・モーガン・センター所蔵)
イーブリン・ド・モーガン「マモン崇拝」(英ド・モーガン・センター所蔵)

9 そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。10 ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である。11 だから、不正にまみれた富について忠実でなければ、だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか。12 また、他人のものについて忠実でなければ、だれがあなたがたのものを与えてくれるだろうか。13 どんな召し使いも二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」

続くこの箇所には、「富」という言葉が3回示されています。これはギリシャ語の原語では、いずれも「マモーナス」という言葉で、通常は「マモン」といわれています。マモンというのは、富というよりも富を拝む拝金主義のことで、いわば偶像崇拝です。金銭欲によって主人の財産を無駄遣いした管理人は、マモン(拝金主義)に取りつかれていたのです。しかしこの管理人は、「自分を家に迎え入れてくれるような者たちを作る」という思いに改悛しました。そして、主人すなわち神様は、結果的にそのことを褒めたのです。

イエス様が、「不正にまみれた富で友達を作りなさい」と言われたことには、何となく違和感を覚えてしまうかもしれませんが、私は「拝金主義から自由になって、お金を手段として用いることによって、友達を作りなさい」という意味に解釈しています。いわば、お金よりも対人関係の構築に励みなさいということです。「そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる」(9節)のです。お金がなくなっても、神の国では見捨てられないのです。

11節の「だから、不正にまみれた富について忠実でなければ、だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか」は、「移ろい行くものに対する不可欠な良心的態度が欠けているなら、移ろわぬものに対する良心的態度をどうして期待できようか」という意味であるとされます(K・H・レングストロフ著『NTD新約聖書註解(3)ルカによる福音書』404ページ参照)。

つまり、不正にまみれた富という「移ろい行くもの」については、「それを適切に用いなさい」ということなのです。適切に用いることをしなければ、それは拝金主義となってしまうのです。そして今回のお話は、「あなたがたは、神と富(マモン=拝金主義)とに仕えることはできない」という言葉で結ばれています。

主人の財産を無駄遣いしていた管理人、すなわちマモン(拝金主義)に取りつかれていた人が、友達を作るという、他者に対する思いやりを伴う行為に心を向ける人へと変えられることが、神の国への道であり、そのことを伝えているのが、このお話なのだと思います。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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