Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(33)「放蕩息子と兄と父の例え」―全ての人を憐れまれる神様― 臼田宣弘

2022年11月23日16時40分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘

今回は、15章11~32節を読みます。

レンブラント・ファン・レイン「放蕩息子の帰還」(ロシア・エルミタージュ美術館所蔵)
レンブラント・ファン・レイン「放蕩息子の帰還」(ロシア・エルミタージュ美術館所蔵)

11 また、イエスは言われた。「ある人に息子が二人いた。12 弟の方が父親に、『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前をください』と言った。それで、父親は財産を二人に分けてやった。13 何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、遠い国に旅立ち、そこで放蕩(ほうとう)の限りを尽くして、財産を無駄遣いしてしまった。14 何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉(ききん)が起こって、彼は食べるにも困り始めた。15 それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。16 彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人はだれもいなかった。

17 そこで、彼は我に返って言った。『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどパンがあるのに、わたしはここで飢え死にしそうだ。18 ここをたち、父のところに行って言おう。「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。19 もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください」と。』

20 そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて、憐(あわ)れに思い、走り寄って首を抱き、接吻(せっぷん)した。21 息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』

22 しかし、父親は僕(しもべ)たちに言った。『急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。23 それから、肥えた子牛を連れて来て屠(ほふ)りなさい。食べて祝おう。24 この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』 そして、祝宴を始めた。

25 ところで、兄の方は畑にいたが、家の近くに来ると、音楽や踊りのざわめきが聞こえてきた。26 そこで、僕の一人を呼んで、これはいったい何事かと尋ねた。27 僕は言った。『弟さんが帰って来られました。無事な姿で迎えたというので、お父上が肥えた子牛を屠られたのです。』 28 兄は怒って家に入ろうとはせず、父親が出て来てなだめた。

29 しかし、兄は父親に言った。『このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会をするために、子山羊一匹すらくれなかったではありませんか。30 ところが、あなたのあの息子が、娼婦(しょうふ)どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして帰って来ると、肥えた子牛を屠っておやりになる。』

31 すると、父親は言った。『子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。32 だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。』」

三者三様の登場人物

これは、非常に良く知られたイエス様の例え話です。幼稚園や教会学校で子どもたちに話すと、とても喜ばれますし、また良く理解してもらえるものです。私が牧会している教会で、以前このお話を教会学校の夏期学校のテーマにしたことがあります。その時には、「遠くから息子を見つけたお父さんは、目が良かったと思った」などという感想がありました。このお話を題材にして劇をやってもらったところ、見事な演技を見せてくれました。そのように、子どもたちにも親しまれるお話です。

しかし、私自身もそうだったのですが、この例え話は、下の息子、つまり放蕩息子となった弟を中心とした読み方をするのが一般的であるように思います。そうしたこともあり、私が強い印象を受けたのは、神学生時代に奉仕教会として出席していた紅葉坂教会(横浜市)の当時の牧師であった岸本羊一先生の説教です。岸本先生は、「このお話の主人公は父親です。父とされている神が、愚かに息子に財産を与えたのです。そして息子を失い、遠くの国に行った彼と共に苦しんだのです」と語られていました。それも一つの読み方でありましょう。

ところでこのお話は、15章1~2節で見ました、イエス様と共に食事をする徴税人や罪人、共に食事をせず傍観しているファリサイ派の人々や律法学者たちがいる席で語られたものです。前回お伝えしましたが、イエス様は、今回のお話の前に語られた「見失った羊の例え」「無くした銀貨の例え」の2つのお話を通して、ファリサイ派の人々や律法学者たちにも、「(罪人たちの悔い改めを)一緒に喜ぼうではないか」との招きをしていました。

今回のお話は、父親の元を離れた弟が帰ってきたことを祝い、祝宴を催すというものです。その祝宴への参席を拒む兄に、父親が「一緒に喜ぼうではないか」(32節)と呼びかけているのは、前回と同じように、そこにいるファリサイ派の人々や律法学者たちへの呼びかけでありましょう。その意味で、ファリサイ派の人々や律法学者たちを表している兄も、このお話の重要なファクターではあるのです。

このように、「弟」「父」「兄」のどこに視点を置いて読むかによって、読み方が変わってくるのがこの例え話です。

罪を犯した弟とその改心

サムエル記上15章23節に、サムエルからサウルに向けられた「高慢は偶像崇拝に等しい」という言葉があります。自分自身が一番であるという態度を、神様と人の前で取ること、それが高慢であり、それは偶像崇拝に等しい罪なのです。私はこの「高慢は偶像崇拝に等しい」というフレーズが、聖書全体を貫通していると考えています。

高慢であると、他人を敬うことができません。それは他者を愛することができないことにつながります。「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(ヨハネ13:34)と言われたイエス様は、私たちの罪のために十字架にかかってくださいました。ですから私たちは、高慢という罪から解放されて、神様と他者を愛することに招かれるのです。

父親から財産(土地)を分け与えられた弟は、それを管理する責任がありました。それは、父なる神様から任された責任だったのです。しかし弟は高慢になって、財産を管理する責任を放棄したのです。そして、その財産をお金に換えて、遠くの国に行き、放蕩三昧の生活をしました。ここに、この弟の犯した罪が見いだされます。

お金はあっという間になくなり、そして飢饉が起き、弟は食べ物にも困るようになりました。そこで弟は、僕の一人として家に帰ることを心に決めます。これが改心です。そして家に帰っていくのです。父親は、弟が家に帰ってきたことを喜び、盛大に祝宴を行います。これは、「見失った羊の例え」や「無くした銀貨の例え」において、羊や銀貨が見つかったときに盛大な祝宴が呼びかけられたのと同じです。罪人が悔い改めたとき、そこには喜びがあり、祝宴がなされるのです。

祝宴に加わらない兄

ここで上の息子である兄が登場します。兄は、弟と同じときに財産の相続を受けましたが、それをお金に換えたりせず、また弟のように遠くに行って放蕩することもせずに、父親に仕えていました。しかし、弟の帰還を祝う祝宴には参席しませんでした。

これは、イエス様がこの例えを話しているときに、一緒に食事をしようとせずに傍観していたファリサイ派の人々や律法学者たちに重ね合わせられているのです。兄は、表面的には罪を犯しませんでした。ここにもファリサイ派の人々や律法学者たちの姿があります。

そして、「このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません」と自分の正しさを主張しています。ここにもやはり、自らの正義を主張するファリサイ派の人々や律法学者たちの姿があります。弟は、悔い改めてイエス様と共に食事をした徴税人や罪人を表しているのに対し、兄は、ファリサイ派の人々や律法学者たちを表しているのです。

父の姿

このお話において、父親はどのように伝えられているでしょうか。

第1に、2人の息子に財産を分け与えたことが伝えられています。これは、神様が私たちに恵みを与えてくださることを意味しているのでしょう。ですから私たちは、神様から頂いた恵みを、いい加減に扱わないで管理する責任があるのです。

第2に、文面には現れていませんが、弟がいなくなってしまったことに対する父親の悲しみが見いだされます。これは、人間が離れてしまったことに対する神様の悲しみを表していると思います。旧約聖書においては、預言者たちがしばしば「嘆き」としてそれを表明しています。

第3に、帰ってきた弟を遠くに見つけ、走りよって首を抱き、接吻した姿があります。これは、失った羊を捜し出した羊飼いや、銀貨を捜し出した女性に通ずるものがあると思います。神様は、私たちを捜し出してくださるお方なのです。

第4に、その弟に対して良い服を着させ、指輪をはめさせ、履物を履かせて祝宴を開いた姿があります。これは、見失った羊が見つかったときに天に喜びが起ったことや、無くした銀貨が見つかったときに神の天使たちの間に喜びが起ったことと同じものでありましょう。また、この場面の弟は、第31回でお伝えした、大宴会に連れてこられた、貧しい人たちや体の不自由な人たちを意味しているのかもしれません。

第5に、弟の帰還を祝う祝宴に腹を立て、家に入ろうとしなかった兄をなだめた(28節)姿があります。これは、弟に走り寄ったことと並行するものであり、神様は、罪人たちだけでなく、自分を義としているファリサイ派の人々や律法学者たちにも憐れみをかけてくださっていることを意味しています。

第6に、祝宴の席に兄を招く(32節)姿があります。これは、前回お伝えしましたが、ファリサイ派の人々や律法学者たちにも祝宴に参席するよう招いていたイエス様の姿と重なるでしょう。この例え話が語られている場所には、彼らもいるのです。彼らも、イエス様との食事の席に加わるよう招かれていることが示されているのだと思います。

この例え話全体を通して、全ての人を憐れんでくださる父なる神様の姿が伝えられているのだと思います。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ルカ福音書を読む(32)「見失った羊と無くした銀貨の例え」―全ての人を憐れまれる神様― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(31)「宴席に招かれるとは」―ファリサイ派の議員の家で― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(30)「神の国」―小さいことが是とされる― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(29)「安息日の2つの癒やし」―律法の本来の意味― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(28)「悔い改めの呼びかけ」―そして救いの業へ― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.