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ウクライナ侵攻

ウクライナ情勢に寄せて―憎しみは「秘宝」か― 山崎純二

2022年3月16日22時18分 執筆者 : 山崎純二
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関連タグ:ウクライナロシア山崎純二
ウクライナ情勢に寄せて―憎しみは「秘宝」か― 山崎純二+
ロシアのウクライナ侵攻に抗議する人々=2月24日、米ニューヨークで(写真:Andriy Yatsykiv)

ロシアとウクライナの紛争が続いています。多くの方が悲しみや憤りを覚えていると思います。私自身も毎日ニュースに釘付けになり、さまざまな負の感情に覆われていました。今回の原因として、ロシアの指導者プーチン氏に大きな問題があるのは間違いありません。しかし、彼一人だけを狂った悪人と断定し批判するだけでは、この複雑な情勢のすべてを理解することも解決することもできません。

さまざまな情報が毎日のように流れていて、その中にはフェイクニュースが含まれている可能性もあり、実際に現場で何が起こっているのか、またなぜ、このようなことが起こっているのかを正確に知ることは困難です。

日本に住んでいるウクライナやロシアの方々は、胸が張り裂けるような気持ちでこの状況を注視しています。普段は冗談ばかり言っている両国のユーチューバーの方々なども、夜も眠れない日が続き、顔がすっかり変わってしまいました。また、情報の格差のために、家族、親戚、友人との関係は悪化し、お互いがお互いを理解できずにいます。

何より、現地では多くの人々の命が失われ、家族は離れ離れになり、日常生活は崩壊しています。それらの悲劇を意図的にセンセーショナルにあおる一部のマスコミも存在します。そして、ウクライナの人々は当然のこと、ロシアとプーチン大統領を憎んでいます。また、日本や世界の多くの人々も、この戦争を引き起こしたプーチン大統領を憎んでいます。

一方でロシアのプーチン大統領は、ロシアを仮想敵と見なしているNATOが東方に拡大し続け、ついに隣国のウクライナまでがNATOに加盟するかもしれないということで危機感を募らせ、NATOや米国に不信感を抱いています。そして、このようにお互い理解し合えない状況において犠牲者が出てしまうと、その憎しみは復讐心へと変わり、ますます憎しみを増していきます。このようになってしまうと、私たちは自分自身の感情をコントロールすることが不可能になります。

このような状況の中で、日本にいる私たちは「自分にできることは何かないだろうか」と自問していると思います。また、プーチン大統領一人を暗殺することが解決策だと考える人々も増えてきています。では、私たちはどのように考え、行動したらよいのでしょうか。聖書に答えを求め、イエス・キリストが何と語られたのかについて、耳を傾けたいと思います。彼はこのように話を始められました。

「目には目で、歯には歯で」と言われたのを、あなたがたは聞いています。…「自分の隣人を愛し、自分の敵を憎め」と言われたのを、あなたがたは聞いています。(マタイ5:38、43)

「目には目で、歯には歯で」というのは、目や歯を傷つけられた報復として相手の命までとってはならないという、過度の報復を制限する意味合いもありますが、それにしても昔から、敵を憎み、やられたらやり返すというのは人々の常識であり、権利でした。そのことは今もあまり変わっていません。

おそらく、ウクライナの人々がロシアを憎み、プーチン大統領を憎むことに対して、「憎んではいけない」と言う人はいないでしょう。著作累計が3500万部を突破した世界的歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏が、ウクライナ情勢に関してガーディアン紙に「プーチンは負けた―ウラジーミル・プーチンがすでにこの戦争に敗れた理由(原題:Why Vladimir Putin has already lost this war)」と題した記事を寄稿しました。その中で彼は、ウクライナの人々にとって「憎しみ」は「秘宝(hidden treasure)」のようなものだと表現しています。

ウクライナ人が1人殺害されるたびに、侵略者に対する彼らの憎しみが増す。憎しみほど、醜い感情はない。だが、虐げられている国々にとって、憎しみは秘宝のようなものだ。心の奥底にしまい込まれたこの宝は、何世代にもわたって抵抗の火を燃やし続けることができる。

彼の言わんとすることは、確かにロシアはウクライナよりは大国であるが、「憎しみ」という宝により、ウクライナの人々は何世代にもわたって抵抗の火を燃やし続けることができる。だから、プーチン大統領はすでに敗北しているというものです。彼の言っていることはよく分かりますし、この考えに共感を覚える方々も少なくないと思います。しかし、キリストはまったく異なることを言われました。

しかし、わたしはあなたがたに言います。自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。(マタイ5:44)

彼はこう言われただけでなく、自分を鞭打ち、茨の冠をかぶせ、十字架に釘づけにし、嘲弄(ちょうろう)してくる人々を見てこのように言われました。

そのとき、イエスはこう言われた。「父よ。彼らをお赦(ゆる)しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」(ルカ23:34)

これは、当時キリストを十字架にかけた者たちだけに対する言葉ではありません。私たちは皆、罪人であり、神の敵でした。ローマ書には、そのことが明確に書かれています。

しかし私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死んでくださったことにより、神は私たちに対するご自身の愛を明らかにしておられます。…もし敵であった私たちが、御子の死によって神と和解させられたのなら、和解させられた私たちが、彼のいのちによって救いにあずかるのは、なおさらのことです。(ローマ5:8、10)

使徒パウロは、私たちは皆罪人であり、神の敵であったと告白しています。しかしそれにもかかわらず、キリストは自分の命を犠牲にし、神の私たちに対する愛を明らかにしてくださったのです。「自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」と言われたキリストは、単に言葉だけで教えられただけでなく、そのことを実際に体現してくださったのです。

今、家族を殺され、祖国を攻撃されているウクライナの人々にとって、「敵を愛しなさい」という言葉は受け入れ難い言葉でしょう。私たち自身も彼らと同じ立場に立てば、やはり受け入れることは難しいでしょう。いくら「敵を愛しなさい」というのが主の言葉であっても、私たちの感情は敵に対する憎しみの感情に満ちてしまうかもしれません。私たちは自分の内から自然と湧いてくる愛によって人を愛することはできません。善良な隣人たちさえも、愛することは簡単ではありません。まして自分を害する敵を愛することなど、人には不可能なことです。

しかし、幾らそのことが困難であるとしても、主は敵を愛することを命じられ、ご自身で、そのことを実践してくださいました。憎しみは決して「秘宝(hidden treasure)」などという言葉で語られるものではないからです。憎しみは必ず次の悲劇を引き起こすものです。

私はプーチン大統領の立場も擁護されるべきだと言いたいわけではありませんし、家族を失った人々に対して「敵を愛しなさい」と諭したいわけでもありません。彼らの悲しみは彼らにしか分からないからです。ただ私は主の言葉を皆様と共有し、共に両国のため、犠牲となっている方々のため、指導者たちのため、和平のために祈っていければと思います。その時に願わくは、主の愛によって共に祈ることができればと思います。

そのためにも、私たちは今一度、十字架の上でキリストが明らかにされた神の愛と聖霊の働きに心を留めましょう。主の愛が聖霊によって一人一人に注がれるときに、私たちは憎しみから解放され、愛する者へと変えられるからです。

私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。(ローマ5:5)

◇

山崎純二

山崎純二

(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。米国ではクイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。ツイッターでも情報を発信している。

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