Skip to main content
2022年5月24日14時03分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(54)「妻と夫は教会とキリスト」―互いに仕え合う― 臼田宣弘

2021年12月16日12時05分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:エフェソの信徒への手紙臼田宣弘

今回はエフェソ書5章21~33節を読みます。

5:21 キリストに対する畏れをもって、互いに仕え合いなさい。22 妻たちよ、主に仕えるように、自分の夫に仕えなさい。23 キリストが教会の頭であり、自らその体の救い主であるように、夫は妻の頭だからです。24 また、教会がキリストに仕えるように、妻もすべての面で夫に仕えるべきです。25 夫たちよ、キリストが教会を愛し、教会のために御自分をお与えになったように、妻を愛しなさい。26 キリストがそうなさったのは、言葉を伴う水の洗いによって、教会を清めて聖なるものとし、27 しみやしわやそのたぐいのものは何一つない、聖なる、汚れのない、栄光に輝く教会を御自分の前に立たせるためでした。28 そのように夫も、自分の体のように妻を愛さなくてはなりません。妻を愛する人は、自分自身を愛しているのです。29 わが身を憎んだ者は一人もおらず、かえって、キリストが教会になさったように、わが身を養い、いたわるものです。30 わたしたちは、キリストの体の一部なのです。31 「それゆえ、人は父と母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。」 32 この神秘は偉大です。わたしは、キリストと教会について述べているのです。33 いずれにせよ、あなたがたも、それぞれ、妻を自分のように愛しなさい。妻は夫を敬いなさい。

女性軽視の箇所なのか

この箇所は、コロサイ書3章18~19節の「妻たちよ、主を信じる者にふさわしく、夫に仕えなさい。夫たちよ、妻を愛しなさい。つらく当たってはならない」を基にして書かれているとされています。女性軽視とも取られかねない両箇所の理解には、なかなか難しいものがあります。

私はコロサイ書の著者については、全体的にはフィレモンだと考えていますが、第32回でお伝えしましたように、この部分は彼の妻アフィアが書いたと推測しています。当該箇所でお伝えしたことですが、これを男性のフィレモンが書いたとするならば、かなり高圧的な書き方ですけれども、女性のアフィアが書いたのであるならば、謙遜の一つの在り方と捉えることができるかもしれないと考えています。

「アフィアがこの部分を書いた」というのは私の推測ですが、パウロがフィレモン書においてアフィアをどう捉えているかということは、事実として重要なことです。そこで、フィレモン書に記されているアフィアの部分について再考してみたいと思います。

キリスト・イエスの囚人パウロと兄弟テモテから、わたしたちの愛する協力者フィレモン、姉妹アフィア、わたしたちの戦友アルキポ、ならびにあなたの家にある教会へ。(フィレモン1~2)

アフィアがフィレモンの妻であることは、誰しも認めることでしょう。そうなりますと、パウロが名宛人としてアフィアの名を挙げていることが大切になってきます。パウロが女性軽視者であるならば、フィレモンと並んでアフィアの名前を挙げることはしなかったでしょう。しかしパウロは、フィレモンとアルキポだけではなく、アフィアの名前もきちんと挙げています。ですから、「パウロが女性軽視者である」とは言えないと思います。

それと同時に言い得ることは、オネシモを奴隷から解放することが目的で書かれたこの手紙を、アフィアにも読んでほしかったということです。なぜそうなのかといえば、やはりアフィアとオネシモの関係も、フィレモンの「家」(奴隷もその一員であった)においては大切なものであったに違いないと考えているからです。

私がエフェソ書の著者だと考えているオネシモは、上記のようなさまざまな状況を知った上でエフェソ書を書いたのだと思います。そのように考えていきますと、一見、女性軽視のように捉えられかねない今回の箇所も、オネシモの脳裏にあった「対パウロ、対フィレモン、対アフィア」などのさまざまな状況があってのことであり、女性軽視の箇所ということではないと思います。

教会とキリストの関係

上記のように、コロサイ書3章18~19節を基にして書かれた今回の箇所ですが、そこに「教会とキリストの関係」という、エフェソ書のテーマである「教会論」がふんだんに取り入れられています。

23節には、「キリストが教会の頭であり、自らその体の救い主であるように、夫は妻の頭だからです」とあります。妻に対する夫の在り方を、教会に対するキリストの関係になぞらえています。フィリピ書2章6~8節に、「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした」とありますように、まずキリストが十字架の死に至るまで従順であったということが、教会とキリストの関係の前提にあるのです。そしてキリストは、その体である教会の救い主なのです。妻と夫の関係も、それらのことを視野に入れて捉えることを奨めているのだと思います。

アガペーの愛

25節に、「夫たちよ、キリストが教会を愛し、教会のために御自分をお与えになったように、妻を愛しなさい」とあります。「愛する(アガパオー / ἀγαπάω)」という言葉が2回使われています。これはよく耳にする「アガペー」の動詞形です。ギリシャ語では「愛」という言葉が、「エロース」(男女の愛など)や「フィリア」(友情的な愛など)など複数あります。ここの「妻を愛しなさい」において、「エロース」ではなく「アガペー」の動詞形が使われているのは、実に興味深いところです。

アガペーについてなるほどと思えることを書いているのは、ニーグレンという人です。彼は『アガペーとエロース』という本の中で、エロースは「対象の価値を認め、それ故にそれを愛する」、アガペーは「愛し、対象のうちに価値を創造する」と書いています(同書189ページ)。「能力がある」「経済的に力がある」「容姿が良い」など、「相手の中に価値が認められるなら愛する」というのが「エロース」です。

それに対して、「相手の中の価値の存在の有無ではなく、その人をそのまま愛し、価値をつくり上げていくのが『アガペー』である」ということだと思います。キリストが教会を愛するというのは、この「アガペーの愛」がなされているということです。それと同じことが、ここでは夫に対して求められています。そしてそれは、「自分の体のように妻を愛する」(28節)ことであるとしています。

互いに仕え合う

31節では創世記2章24節が引用されています。そしてその後の32節に、それが「キリストと教会について述べている」とされています。これは創世記の指し示す夫婦の関係が、支配と被支配というものではなく、「互いに仕え合う」(21節)ものであることを意味しています。

皆様方、良きクリスマスをお迎えください。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:エフェソの信徒への手紙臼田宣弘
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(53)「善意と正義と真実」―光の子として歩む―  臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(52)「人にしてもらいたいと思うこと」―赦されたのだから赦し合う―  臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(51)「キリストを学ぶ」―心の底から新たにされる―  臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(50)「教会の成長」―節と節が補い合って―  臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(49)「教会の一致」―主イエスに倣った歩みを―  臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • アルケゴス社のビル・ファン氏、逮捕・起訴される 無罪主張

  • 米教会銃乱射、牧師や信徒が命懸けで容疑者取り押さえ 犯行動機は台中関係への不満か

  • 「イスラム国」系グループ、キリスト教徒20人の処刑映像を公開 ナイジェリア

  • 小塩節・フェリス女学院元理事長死去 ドイツ文学者、キリスト教功労者

  • 世界福音同盟と国際ユダヤ人委員会がエルサレムで歴史的会合 共通の関心事を模索

  • 神の子どもとされる特権 さとうまさこの漫画コラム(35)

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(71)聖書と考える人気テレビドラマ「科捜研の女」

  • 永遠のいのちを与えられた私たち 万代栄嗣

  • 教会でウクライナ支援コンサート、現地で難民支援するハンガーゼロのスタッフが報告

  • 燃えない症候群 佐々木満男

  • アルケゴス社のビル・ファン氏、逮捕・起訴される 無罪主張

  • 「天の故郷」に帰った小坂忠さんに最後のお別れ 思い出のホールで追悼告別式

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(147)献身的な信仰者を求める日本社会(3)広田信也

  • ニューヨーク便り(4)日常に「ゴールデンルール」があるニューヨーク

  • 燃えない症候群 佐々木満男

  • 小塩節・フェリス女学院元理事長死去 ドイツ文学者、キリスト教功労者

  • 米教会銃乱射、牧師や信徒が命懸けで容疑者取り押さえ 犯行動機は台中関係への不満か

  • 教会でウクライナ支援コンサート、現地で難民支援するハンガーゼロのスタッフが報告

  • 元外務官僚の牧師、日本維新の会の参院比例区支部長に

  • 世界福音同盟と国際ユダヤ人委員会がエルサレムで歴史的会合 共通の関心事を模索

  • 「天の故郷」に帰った小坂忠さんに最後のお別れ 思い出のホールで追悼告別式

  • シンガー・ソングライター、牧師の小坂忠さん死去 73歳

  • 元外務官僚の牧師、日本維新の会の参院比例区支部長に

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 16歳の高校生、洗礼受けた数時間後に銃弾受け死亡 米フロリダ州

  • 世界最高齢の田中カ子さん死去、119歳 戦後クリスチャンに 教会で幼稚園開設

  • 「悪」はいかに伝染するか 「心の闇」描くサイコサスペンス映画「死刑にいたる病」

  • 同志社大神学部・神学研究科が公開シンポ「戦争と同志社」 戦時下知る有賀誠一氏が講演

  • 米教会銃乱射、牧師や信徒が命懸けで容疑者取り押さえ 犯行動機は台中関係への不満か

  • 米教会で銃乱射事件、1人死亡5人重軽傷 教会員らが容疑者取り押さえ

編集部のお勧め

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 同志社大神学部・神学研究科が公開シンポ「戦争と同志社」 戦時下知る有賀誠一氏が講演

  • 第4回日本ゴスペル音楽祭、4年ぶりオンラインで念願の開催

  • 「妥協しない」テーマに ジーザス・レインズ、終戦記念日の8月15日開催へ

  • 「必ず日本にリバイバルは起こる」 首都圏イースター、高木康俊牧師がメッセージ

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 論説委員・編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2022 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.