Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(35)「コロサイ書の結び」―宣教者たちの働き― 臼田宣弘

2021年3月4日13時04分 記者 : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:コロサイの信徒への手紙臼田宣弘

コロサイ書の本文をお伝えするのは、今回が最後になります。

10 わたしと一緒に捕らわれの身となっているアリスタルコが、そしてバルナバのいとこマルコが、あなたがたによろしくと言っています。このマルコについては、もしそちらに行ったら迎えるようにとの指示を、あなたがたは受けているはずです。11 ユストと呼ばれるイエスも、よろしくと言っています。割礼を受けた者では、この三人だけが神の国のために共に働く者であり、わたしにとって慰めとなった人々です。12 あなたがたの一人、キリスト・イエスの僕エパフラスが、あなたがたによろしくと言っています。彼は、あなたがたが完全な者となり、神の御心をすべて確信しているようにと、いつもあなたがたのために熱心に祈っています。13 わたしは証言しますが、彼はあなたがたのため、またラオディキアとヒエラポリスの人々のために、非常に労苦しています。14 愛する医者ルカとデマスも、あなたがたによろしくと言っています。

15 ラオディキアの兄弟たち、および、ニンファと彼女の家にある教会の人々によろしく伝えてください。16 この手紙があなたがたのところで読まれたら、ラオディキアの教会でも読まれるように、取り計らってください。また、ラオディキアから回って来る手紙を、あなたがたも読んでください。17 アルキポに、「主に結ばれた者としてゆだねられた務めに意を用い、それをよく果たすように」と伝えてください。18 わたしパウロが、自分の手で挨拶を記します。わたしが捕らわれの身であることを、心に留めてください。恵みがあなたがたと共にあるように。

4章10節から14節は、パウロの同労者からのあいさつで、ここでの人名はフィレモン書23~24節に登場する人物と重なっています。フィレモン書に書かれた人物はすべて登場し、ユストと呼ばれるイエスのみが新たに追加されている形になっています。そのことから、コロサイ書が偽名書簡であるとしても、この人たちがパウロの「同労者サークル」の一員であったことは明らかです。

フィレモン書においては、暗にオネシモの奴隷からの解放を後押ししていたこのサークルが、コロサイ書においては、ゲルト・タイセンが示唆するように、コロサイ教会に侵入してきた「特定の『哲学』(2:8)と闘っている」(ゲルト・タイセン著『新約聖書』198ページ、第33回参照)ということを意味しているのかもしれません。そうなりますと、一つのサークルが、時間差を持って、同じ相手教会に対して「奴隷解放の後押し」と「特定の哲学との闘い」をしているようにも読めて、このことは、私の持論であります「フィレモンの家の教会とコロサイ教会は同一である」ということの裏付けにもなるのかもしれません。

15節には、「ラオディキアの兄弟たち、および、ニンファと彼女の家にある教会の人々によろしく伝えてください」とあります。「ニンファの家の教会」は、ラオディキア教会自体のことかもしれませんが、ラオディキアに別の家の教会があったのかもしれません。もっとも、「ラオディキアの兄弟たち」と「ニンファと彼女の家にある教会」が併記されていて、13節で、エパフラスが「ラオディキアとヒエラポリスの人々のために、非常に労苦しています」として、両教会が併記されていることからしますと、「ニンファと彼女の家にある教会」とは、ヒエラポリスの教会のことかもしれません。

いずれにいたしましても、ニンファというのは女性の名前と考えられます。初代教会は、特に異邦人教会はおそらくすべてが、家の教会として始められました。新約聖書の中で、その家の教会が女性によって運営されていたと思われるところは幾つかあります。使徒言行録16章11~15節には以下のようにあります。

11 わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、翌日ネアポリスの港に着き、12 そこから、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市であるフィリピに行った。そして、この町に数日間滞在した。13 安息日に町の門を出て、祈りの場所があると思われる川岸に行った。そして、わたしたちもそこに座って、集まっていた婦人たちに話をした。14 ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという婦人も話を聞いていたが、主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。15 そして、彼女も家族の者も洗礼を受けたが、そのとき、「私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください」と言ってわたしたちを招待し、無理に承知させた。

新共同訳聖書では「フィリピで」という小見出しが付けられている箇所で、パウロたちが、今日のギリシャ東部のフィリピに行ったときの出来事が記されています。「神をあがめるリディアという婦人」がパウロの話を注意深く聞いていたとあります。「神をあがめる人」とは、異邦人の中でユダヤ教シンパサイザーとなっていた人のことです(荒井献著『使徒行伝(中巻)』357ページ参照)。

そして、「リディアも『家族の者(オイコス / οἶκος)』も洗礼を受けた」とありますが、これはリディアの話の次にある、フィリピでのパウロとシラスの投獄と解放の話において、2人が看守に語った言葉「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの『家族(オイコス / οἶκος)』も救われます」(16:31)と、「まだ真夜中であったが、看守は二人を連れて行って打ち傷を洗ってやり、自分も『家族の者(オイコス / οἶκος)』もすぐに洗礼を受けた」(同33)という出来事と、同じことを意味するメッセージです。これらのメッセージは、やがて「『家(オイコス / οἶκος)』の教会」がリディアと看守の家に誕生することを意味しているのでしょう。

リディアを指導者とする家の教会ができるということです。使徒言行録が執筆されたときには、家の教会ができていたからこそ、リディアがパウロの話を注意深く聞いていた話がそこに記されたのだと思います。ここに一つ、女性が運営していた家の教会が浮かび上がります。

また、看守の家族が洗礼を受けたという話と合わせますと、フィリピに2つの家の教会ができたということであり、パウロによって書かれたフィリピ書の宛先諸教会のうち、先駆けとなった2教会とも考えられます(前掲『使徒行伝(中巻)』387ページ参照)。

第1コリント書1章11節には、「クロエ家の人たち」とありますが、これはコリントの家の教会の一つでしょう。クロエも女性名です。そして第2ヨハネ書1節には、「長老の私から、選ばれた婦人とその子たちへ」とありますが、これも家の教会を運営する婦人とその教会の信徒たちへの手紙であることを指しているものと考えられます。初代教会においては、女性の働きが大きかったということです。

16節には、「この手紙があなたがたのところで読まれたら、ラオディキアの教会でも読まれるように、取り計らってください。また、ラオディキアから回って来る手紙を、あなたがたも読んでください」とあります。私は、ひょっとしたら「ラオディキアから回ってくる手紙」とされている書簡が、実際にパウロ本人から送られてきたものであり、ティキコとオネシモはその手紙を運んで来て、コロサイ書はそれを元にして書かれた偽名書簡なのではないだろうかと「推理」しています。

つまり、本来コロサイ教会とラオディキア教会宛てに書かれたパウロの真性の手紙を、ティキコとオネシモに先にラオディキアに運ばせ、そのパウロの手紙を元にして、フィレモンがコロサイ書という偽名書簡を執筆し、両者を回覧させたのではないだろうかというのが、私の「推理」であるということです。

ちなみに、黙示録3章14~21節には「ラオディキアにある教会の天使にこう書き送れ」としてメッセージが記されていますので、ラオディキア教会は黙示録が執筆されたとされる紀元90年代にも、おそらく相当大きな教会として存在していたと考えられます。

17節には、「アルキポに、『主に結ばれた者としてゆだねられた務めに意を用い、それをよく果たすように』と伝えてください」とありますが、アルキポはフィレモン書2節に「戦友アルキポ」として記されています。アルキポのことは、第4回でこのコロサイ書4章17節と関連付けてお伝えしています。「アルキポに伝えてください」とあるのは、フィレモン書執筆時にはフィレモンの家の教会=コロサイ教会に在住していたアルキポが、すでに他の教会に行っていることを意味します。ラオディキア教会かヒエラポリス教会に滞在して、そこで家の教会の牧者を支えつつ、御言葉を語っていたのでしょう。いずれにしましても、アルキポの「主に結ばれたものとしてゆだねられた務め」とは、第4回でお伝えしましたように、「福音宣教者(巡回宣教者)」としての務めでありましょう。コロサイ書が偽名書簡だとしても、このあたりの経緯は実話であると思います。

18節前半に、「わたしパウロが、自分の手で挨拶を記します。わたしが捕らわれの身であることを、心に留めてください」と記されています。これは、コロサイ書が偽名書簡だとしても、パウロが軟禁状態であった時のことを意味しているのでしょう。ことによると、ローマでの軟禁のことかもしれません。コロサイ書では、オネシモはパウロの元から派遣されたとされています。書評を書かせていただいた、タイセンの小説『パウロの弁護人』にもオネシモは登場していますが、そこではオネシモは、ローマで教会の指導者となっている設定になっています。

「恵みがあなたがたと共にあるように」という祝祷をもって、この手紙は結ばれています。次回は、コロサイ書全体から見えてくることをお伝えしたいと思います。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:コロサイの信徒への手紙臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(34)「むかしむかしパウロさん」―童謡「浦島太郎」の替え歌― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(33)「オネシモ物語・第2幕」―おとぎ話「浦島太郎」と読み比べ― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(32)「家庭訓」―神のもとでは奴隷も自由人もすべて平等― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(31)「信仰者の円環的な歩み」―善い業・神礼拝・社会生活― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(30)「赦し合いなさい」―神の側の赦しを前提として― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.