宣教師が命を懸けて伝えた福音 パプアのヤリ族に現地語聖書2500冊

2020年10月3日16時44分 印刷
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現地語に翻訳された聖書を朗読するヤリ族の女性(写真:ミッション航空フェローシップ=MAF)

東半分はパプアニューギニア領、西半分はインドネシア領に分かれる太平洋南部のニューギニア島(別名・パプア島)。日本の国土の約2倍の面積があるこの島には、さまざまな先住民が暮らしている。その一つが、インドネシア領である西側のジャングル地帯に住むヤリ族だ。今から約半世紀前、彼らに福音を伝えようと2人の宣教師が現地に入った。しかし2人は到着後間もなく、ヤリ族の戦士たちが放った矢で命を落とす。その後も、宣教師一家が亡くなる墜落事故が発生するが、宣教師たちが文字通り命を懸けて伝えようとした福音は今、ヤリ族の人々に確かに届けられている。

ヤリ族の人々はこの夏、インドネシア領パプア州の山奥にあるオークビシク村の小さな滑走路まで、丸一日かけて歩いた。米宣教団体「ミッション航空フェローシップ」(MAF)が飛行機で運んでくれた現地語訳の聖書を受け取るためだ。

MAFのパイロットが、当時オランダ領だったこの地域を調査飛行していたとき、現在のインドネシア領西パプア州のセン渓谷でヤリ族を見つけたのが、1965年のことだった。ヤリ族は当時、ジャングルに住む暴力的で好戦的な部族として知られ、魔術や人食いさえもすると考えられていた。

MAFのパイロットがヤリ族を発見してから3年後、国際宣教団体「ワールド・チーム」の宣教師であったフィル・マスターズとスタン・デールの2人が、ヤリ族に福音を伝え、セン渓谷に教会を建てるため現地へ向かった。

しかし彼らが到着した後、飛行機の新しい着陸場所を探している間に、ヤリ族の村々では見知らぬ白人の男2人に関するうわさが広がっていた。そしてヤリ族の戦士たちは、ジャングル近くの道で待ち伏せし、2人の宣教師に矢の雨を降らせた。2人は立ったまま体に刺さった矢を抜き、戦士たちが見ている前でそれを折ったと伝えられている。しかし放たれた矢は200本近くもあり、2人は彼らに福音を伝える前に殉教を遂げた。

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ヤリ族の人々が、自分たちの言葉で聖書を読めるようになったのは2000年。それから20年の間に、聖書はヤリ族の人々に多くの喜びと祝福をもたらした。(写真:同上)

その3カ月後、別の宣教師であるニューマン一家が、2人の捜索のために現地へ向かった。しかし、彼らもまた悲劇に襲われた。乗っていた飛行機がセン渓谷に墜落。末息子のポール・ニューマンを除いて一家全員が命を落とす結果となった。

ポールは燃える機体からかろうじて逃げ出し、宣教師たちを殺すことに反対していたヤリ族の男の小屋に身を置くことで、命をつなぎとめることができた。墜落事故を生き抜いたポールは、ヤリ族の人々の目には一種の「啓示」として映った。人々は宣教師たちを現在の西パプア州のホリューワン村に招き、5年後には35人が受洗。多くのクリスチャンが生まれ、新しい教会が建てられた。

MAFは現在もパプアの人々に奉仕し続けている。所有する8機の小型機を、パプア各地に点在する160余りの遠隔地に飛ばし、農村部の教会建設や現地の聖書翻訳事業の手助けをしている。8月には、ヤリ族の言葉に翻訳された1160冊の聖書と1400冊の子ども用聖書、計2560冊を、デカイ、オークビシク、ホリューワンの各村に届けた。

宣教師が命を懸けて伝えた福音 パプアのヤリ族に現地語聖書2500冊
MAFの飛行機の周りで踊るヤリ族の人々(写真:同上)

夫のデイブさんと共に、聖書を積んだセスナ208B機を操縦したリンダ・リンゲンバーグさんは、次のように語った。

「MAFのパイロットたちがヤリ族の人々に、ホリューワン村の景色に合う聖句を一つ選んでくれないかと尋ねたら、村の人たちはすぐに詩編119編105節の『あなたの御言葉は、わたしの道の光、わたしの歩みを照らす灯(ともしび)』を選びました」

「神様が、殺人や飛行機事故、忠実な宣教師、(聖書)翻訳者、またMAFのような団体を通して、その大きな広い愛をもって働いてくださったので、ヤリ族の人々はもう暗闇の道を歩むことはありません。彼らの道は神の言葉によって照らされているのです」

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。
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