サンフランシスコのコロナ対策にカトリック信者が抗議 米司法省も「違憲の可能性」

2020年9月29日16時09分 印刷
+サンフランシスコのコロナ対策にカトリック信者が抗議デモ 米司法省も「違憲の可能性」
抗議イベント「自由なミサを」で語るサンフランシスコ大司教区のサルバトーレ・コルディレオーネ大司教(画像:ユーチューブより)

新型コロナウイルスの感染拡大で半年以上にわたって経済活動が制限され、日常生活に混乱が生じている中、米カリフォルニア州サンフランシスコのカトリック信者らが20日、対面式のミサを禁じる同市の感染対策に抗議し、デモ行進を行った。

「自由なミサを」と題されたイベントに参加した抗議者らは同日、市内の各小教区が協力して3列の聖体行列を組み、市庁舎前に集結。そこから聖マリア被昇天大聖堂まで行進し、サンフランシスコ大司教区のサルバトーレ・コルディレオーネ大司教が屋外ミサを執り行った。

「私たちは差別されることに疲弊しています。聖堂の中で安全に礼拝できることが科学的に証明されたからです」とコルディレオーネ大司教は語った。

コルディレオーネ大司教の主張は、感染対策として屋内礼拝が禁止されている一方、食料品店や小売店などの業種では同様の規制が行われていない同市の実情を反映している。コルディレオーネ大司教と抗議者らは、このような規制は、宗教の自由な行使を保障している合衆国憲法修正第1条を侵害するものだとして、市当局を非難している。

「私たちを教会から締め出したままにできる根拠はまったくありません。それ(宗教の自由な行使)は修正第1条によって保護された当然の権利です」とコルディレオーネ大司教は続けた。

「私の米国市民としての権利は踏みにじられています」。抗議に参加した同市セントピーター小教区の信者、ギレルモ・コラードさんは言った。「私たちは法の下に平等です。しかし、市当局は私たちをそのように扱っていません。彼らは私たちを法の適用に値しない不必要なものとして取り扱っているのです」

聖体行列の参加者は、教会は「不必要な」活動だとする見解に同意せず、繰り返し「私たち(教会)は不可欠だ。ミサに対する規制を撤廃せよ」と声を上げた。

ミサに参加できないことは、カトリック教会の人々に影を落としたとコルディレオーネ大司教は話す。

「人々は心を痛めています。信者たちは教会に来ることができず、聖体拝領もできず、憲法修正第1条によって保護された礼拝するという当然の権利を行使することもできません。市から罰せられるからです」

「市は礼拝するという憲法上、当たり前の権利に非現実的で息が詰まるような規制を加え続けています。社会では神を尊重しなければなりません」

「神を尊重するという本来あるべき秩序が存在しないということは、宗教の実践を公共生活の一部にする必要があるということです。それは万民の宗教的信条を尊重することによって実現することができ、そうすることで社会を元に戻すことができます。しかし、私たち(地域社会)が神を拒絶し続ける限り、私たちはこれまで経験し続けてきたあらゆる問題や苦痛に、今後も苦しみ続けることになるのです」

サンフランシスコは、全米でも宗教施設に対する規制が最も厳しい地域の一つ。9月14日までは、礼拝は屋外であっても12人までに制限されていた。それ以降も屋外礼拝は50人までに制限されており、個人的な祈りをささげるため宗教施設に入る場合に限り、1度に1人のみの入場が認められている。地元のマーキュリー・ニュース(英語)によると、10月1日からは25人の制限で屋内礼拝も認められる予定。しかしコルディレオーネ大司教は、それでも聖マリア被昇天大聖堂の場合、収容人数の1パーセントにも満たないと指摘している。

カトリック系のCNA通信(英語)によると、米司法省は25日、サンフランシスコに対し、規制は違憲の可能性があると警告。ロンドン・ブリード市長に書簡を送り、他の屋内施設に対しては複数人の利用を認める一方、宗教施設に対しては規模に関係なく1度に1人の入場しか認めない規制は「強権的」であり、「憲法と宗教の自由という国の最高の伝統に反している」とした。

サンフランシスコやカリフォルニア州全体の礼拝規制措置をめぐる不満は、カトリックに限られたものではない。プロテスタント教会も同様の厳しい規制措置の下に置かれており、一部の牧師は措置を押し切って教会堂内で礼拝を行っている。

グレース・コミュニティー教会(同州サンバレー)のジョン・マッカーサー牧師は、「私たちは人ではなく神に従うのです」と言い、罰金や逮捕の可能性もある中、対面式の礼拝を行っている(関連記事:「教会は必須か」で国論が二分 信教の自由めぐる米福音派の闘争(3))。

こうした規制措置により、同州では複数の郡で屋内礼拝が制限されており、そのためビーチで野外礼拝を行う教会もある。クリスチャンアーティストで、複数の野外ビーチ礼拝を導くショーン・フォイト氏はこう話す。「今私たちが目にしているのは人の手を加えていない生の福音であり、イエスを信じる人たちによるムーブメントです。もう教会の中に閉じこもっていられないのです」

同州チノのチノヒルズ・カルバリーチャペルは今月初め、同州南部のビーチで野外洗礼式を行い、約千人が受洗した。同教会はこれまでも野外洗礼式を行ってきたが、今年の受洗者数は前例のないものになったという。「カリフォルニア州で霊的なリバイバルが起きているのかもしれません」と同教会のディレクター、ジナ・グリーソン氏は話す(関連記事:米カリフォルニア州のビーチで約千人が洗礼 「霊的なリバイバル」)。

ベケット法律事務所(ワシントン)によると、キリスト教会以外の事業に課せられた感染対策の規制措置と比較した場合、カリフォルニア州は礼拝行為が「禁止または不平等な扱いを受けている」6つの州の1つに数えられている。他には、ネバダ、バージニア、ニュージャージー、コネチカット、メインの5州がある(8月17日時点)。

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

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