米福音派誌「クリスチャニティー・トゥデイ」前編集長がカトリックに

2020年9月16日09時19分 印刷
+米福音派誌『クリスチャニティー・トゥデイ』前編集長がカトリックに
米クリスチャニティー・トゥデイ誌の前編集長であるマーク・ガリ氏(写真:ガリ氏のフェイスブックより)

米福音派の代表誌「クリスチャニティー・トゥデイ」の前編集長であるマーク・ガリ氏(68)が13日、シカゴ近郊の聖レイモンド・ノンナートゥス大聖堂で「堅信の秘跡」を受け、正式にカトリックの信者となった。

米宗教専門のRNS通信(英語)によると、カリフォルニア州で生まれたガリ氏はもともとカトリックの出身だった。両親の通うカトリック教会で幼児洗礼を受け、初聖体拝領も受けた。7歳の時、両親が教会へ行くのをやめるが、13歳の時に母親がビリー・グラハムの伝道番組を見て新生体験をしたことで、母親と共に「非常に保守的」な福音派の教会に通うようになったという。そして、ガリ氏もそこでイエス・キリストを受け入れる。

カリフォルニア大学サンタクルーズ校在学時に長老派の教会に通うようになったガリ氏は、その後フラー神学校に進学。卒業後は長老派の牧師として、メキシコシティーとサクラメントで牧会した。

1989年、クリスチャニティー・トゥデイ社が当時発行していた雑誌「リーダーシップ・ジャーナル」(現在は廃刊)の編集者となり、家族でシカゴ近郊に移住。カリフォルニア州で牧会していた際、聖公会の祈祷書に出会い、大きな影響を受けていたこともあり、移住後は家族と共に米国聖公会の教会に通うようになり、ついには長老派の牧師としての資格も返上した。

しかし、米国聖公会が2003年、公然同性愛者を主教に叙任したことで、同性愛をめぐる論争が激化。米国聖公会には妻のバーバラさんと共に20年通い続けるが、同性愛者の主教叙任に反対の伝統主義の立場だったガリ氏は、やがて分裂してできた保守派の北米聖公会の教会に通うようになった。また一時は、正教会に通うこともあったという。

クリスチャニティー・トゥデイの編集長は7年務め、今年1月に引退する直前の昨年12月には、ドナルド・トランプ米大統領の罷免を求める論説を掲載したことで注目を集めた。この論説をめぐっては、賛否が分かれ、米福音派内からは批判する声も挙がった(関連記事:福音派指導者200人近くが署名、共同書簡で米クリスチャニティー・トゥデイ誌を非難)。

しかしガリ氏は、米大統領選を2カ月前に控えた時期にカトリックへ転会することについて、政治的な意図はなく、あくまでも個人的なものだとしている。堅信の秘跡も当初はイースター(復活祭)に予定していたが、新型コロナウイルスの影響により今の時期に延期になったという。

ガリ氏は、米ワード・オン・ファイヤー研究所が発行する雑誌「福音宣教と文化」のトッド・ウォーナー編集長のインタビュー(英語)に応え、次のように語っている。

「多くの意味で、私は福音主義的な信念を拒否するためではなく、単にカトリック教会で深く地に足を着けるため、カトリックになったのです。ある意味で私は、今の自分を福音派カトリック信者だと思っています」

「(福音派の)運動の暗い面を見た多くの福音主義者は、シニカルになります。そして、カトリックになった多くの福音主義者は、自分の福音主義的な過去を振り返って軽蔑します。私は、そのような誘惑に駆られたことはありません。福音主義者は、他の運動のクリスチャンと同じように、かなり卑劣なことをすることがあります。しかし全体的には、彼らは世界の善のための力となってきました。福音を伝えるために地球上で最も困難な場所で奉仕し、途方もない犠牲を払うという点で、さらに英雄的なカトリックの聖人たちのことを思い出させてくれます。私はその運動の一部であったことを誇りに思っています」

カトリックに関心を持つきっかけになったのは1994年、編集者としてアッシジの聖フランシスコの生涯を扱ったことだった。「当然のことながら、彼の英雄的な自己否定とイエスに対する絶対的な熱意の生涯は、私に深い感銘を与えました」。また同じ頃、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(当時)の回勅『真理の輝き』も読んでおり、「ヨハネ・パウロ2世の精神だけでなく、この哲学的な論文に織り込まれたカトリックの感性に深く感銘を受けました」という。

しかし、カトリックへの転会を本格的に考えるようになったのは、それから20年以上もたった2年前のこと。自宅から約3キロのカトリック教会で毎朝6時半から行われるミサに参加するようになり、月2回は告解に行き、後には教会の奉仕もするようになっていったという。

「多くのプロテスタント信者は、カトリック教会は行いによる義を語っていると考えていますが、私はカトリック教会が、急進的なルター派が公言するよりもさらに急進的に恵みを信じていることを発見しました。ですから、これらのいわゆる回り道は、実は私がカトリックの豊かさに入るための準備をしていたことなのです」

RNS通信によると、カトリックへの転会は、クリスチャニティー・トゥデイ誌の編集長引退を決めた理由の一つでもあった。トランプ氏の罷免を求める論説を執筆したときにはすでに、北米聖公会を離れ、カトリックになることを決めていたという。なお、妻のバーバラさんは聖公会のままだという。

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