米福音派のリバティー大学、コロナ報道めぐりNYタイムズ提訴

2020年7月24日23時34分 印刷
+米福音派のリバティー大学、コロナ報道めぐりNYタイムズ提訴
米バージニア州リンチバーグにキャンパスを置くリバティー大学は、学部・大学院を含め約8万人の学生が在籍しており、学生数では世界で最も大きな福音派の大学の一つとなっている。(写真:同大)

米福音派のリバティー大学(バージニア州)は15日、同大の新型コロナウイルス対応に関する一連の報道記事をめぐり、米紙ニューヨーク・タイムズを相手取り、1000万ドル(約10億6千万円)の損害賠償を求める訴訟を同州リンチバーグ巡回裁判所に起こした。

同大は訴状で、同社記者のエリザベス・ウィリアムソン氏と写真家のジュリア・レンドルマン氏も被告として指名している。

問題となっているのは、新型コロナウイルスの感染が拡大していた3月下旬、春休み明けに同州リンチバーグのキャンパス再開を決めた同大の対応をめぐる一連の記事。この決定を受け、一部では感染拡大が懸念されていた。

訴状は、同大がこの決定により、新型コロナウイルスを広めたとする内容は誤りだとして、記事に対して3件の名誉毀損を指摘している。

「リバティー大学の名誉を傷つける被告らの表現は、本学の経営および定評に多大な被害を及ぼしており、それによる損害が予想されます」

「この表現は、個人としても集団としても本学が、無謀にも新型コロナウイルス感染症を引き起こし、州の命令を無視して学生たちに春休み後にキャンパスに戻るよう奨励し、学生たちを感染させたとする誤った中傷的な印象をもたらします」

また同大は、被告らの不法侵入も指摘している。訴状によると、同大は当時、新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環で、部外者のキャンパス立ち入りを禁止していた。

「ウィリアムソンとレンドルマンの両被告は、本学による3月23日付けの立ち入り拒否要請に反して、2020年3月23日から29日にわたって本学キャンパスに侵入しました」

「ウィリアムソンとレンドルマンの両被告は、ニューヨーク・タイムズが3月29日と30日に掲載した中傷的な記事に使用された写真や情報の収集を目的として、同紙の指示により故意に本学キャンパスに侵入しました」

ドナルド・トランプ大統領の熱心な支持者として知られる同大のジェリー・ファルウェル・ジュニア学長は声明で、ニューヨーク・タイムズは「悪意ある」理由で記事を掲載したと述べている。

「彼らは本学をターゲットにしています。なぜなら、本学が保守的なキリスト教機関だからです。これは彼らの『閲覧数獲得』ビジネスを実現した一方で、多くの点で法律に違反しました。従って、本学はニューヨーク・タイムズに対し、悪意ある虚偽報道、および本学の学生保護対策に対する違反に関わる説明責任を求めています」

ファルウェル氏さらに、「(リバティー大学は)保守派やクリスチャンを中傷したり、誹謗したりする主流派ニュースメディア(ニューヨーク・タイムズ)の政治的動機による攻撃」を容認しないと続けた。

ニューヨーク・タイムズのアイリーン・マーフィー上級副社長(企業広報担当)は、米保守派誌「ワシントン・イグザミナー」(英語)に対し、報道は正確なものだったとし、裁判では徹底して争う考えであることを明かした。

「本紙の記事はリバティー大学の再開、および再開に起因する公衆衛生上の懸念を正確に報じたものだと確信しています。私たちは、法廷で本紙の報道を弁護することを心待ちにしています」

同大は訴状で、ニューヨーク・タイムズが3月に報じた記事には、多くの誤りがあったと主張している。

訴状によると、オンライン版の記事には「リバティー大学、学生と共にコロナウイルスを(キャンパスに)呼び戻す」という見出しが付けられ、印刷版の記事には「大学再開、学生ら体調崩す」という見出しが付けられていた。

「どちらの記事にも、リバティー大学が『部分的に再開し(中略)それにより、学生たちが体調を崩し始めた』と書かれており、『リバティー大学の学生12人近くが(中略)新型コロナウイルス感染症と思しき症状を伴っている』と書かれています」

その上で同大は、ニューヨーク・タイムズが同大の学生保健サービス担当医として伝えたトーマス・W・エップス博士の言葉を誤って伝えたと非難している。

「第二に、そして、より重要なことは、エップス博士は被告らに対し、春休み後『学生たちが体調を崩し始めた』とか『12人近くが新型コロナウイルス感染症と思しき症状を伴っている』などとは話していないのです」

「実際、彼が被告らに話したのは正反対のことでした。新型コロナウイルス感染症と判明した症例は皆無で、検査を受けた『12人近く』の学生の大部分に見られたのは、新型コロナウイルス感染症と『思しき』症状などではなく、『上気道感染症』、つまり、風邪の症状だったのです。下気道感染症の新型コロナウイルス感染症ではありませんでした。結果的に学生たちには新型コロナウイルスの症状は見られず、検査基準すら満たしていませんでした」

また訴状は、「クラスの再開前と再開直後の双方で」州の保健査察官が同大のキャンパスで「抜き打ち」検査を行った結果、「バージニア州行政命令第53条に違反した点はなかった」とも強調している。同州ではこの行政命令により、新型コロナウイルス感染拡大の期間中に、特定の企業や組織に一時的な制限が加えられていた。

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

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