英総選挙、保守党が大勝 ブレグジットが決定的に 教会の反応は?

2019年12月16日17時41分 印刷
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※ 画像はイメージです。

英国で12日、下院総選挙(定数650)が行われ、欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を推し進めるボリス・ジョンソン首相率いる与党・保守党が、過半数の365議席を獲得して大勝した。ジョンソン氏は国民から信任を受けたとし、10月にEUと合意した離脱案を年内にも議会に提出、年明けに通過させる考えだ。そうすれば、2016年6月に離脱派が勝利した国民投票以来、約3年半にわたって続いた英国の政治的混迷が、ブレグジット実現という形でようやく終焉(しゅうえん)を迎えることになる。

一方、離脱案が通過すれば、ブレグジットは来年1月末にも実現する見通しだが、その後も来年末までは移行期間となり、英国・EU間の経済関係がすぐに変わるわけではない。ジョンソン氏は来年の1年間に、EU側と貿易交渉を行うことになるが、交渉が難航する可能性もある。ブレグジットにゴーサインを出す形になった今回の総選挙を、英国内のキリスト教指導者、教会はどう受け止めたのか。主要な指導者、教会が発したコメントや声明をまとめた。

カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー / 英国国教会

英国国教会(聖公会)トップのカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは総選挙の結果が判明した13日、ツイッター(英語)を更新。「政権で奉仕するよう選ばれたすべての人のため、また野党のために祈ります。皆さんは、非常に重い責任を負っています。皆さんに力、知恵、希望が与えられるよう祈ります。これから待ち受ける試練に備えるとき、神の愛と臨在を知ることができますように」と投稿した。

さらに「政治に関わるすべての人が、意見をよく戦わせることができるように、私と共に祈ってください」と続け、「公共の利益のために誠実に仕える」のが国のあるべき姿だと提示。思いやりや尊敬、希望の精神が、そのような国へと導くことを示した上で、「社会の片隅にいる人々の声」が新しい議会の中心で扱われることを求めた。

ビンセント・ニコルス枢機卿 / カトリック教会

イングランド・ウェールズ・カトリック司教協議会会長で、ウェストミンスター大司教のビンセント・ニコルス枢機卿も13日、ツイッター(英語)に総選挙を受けてのコメントを投稿した。ニコルス枢機卿は、英国ではこの数年、ブレグジットをめぐって「大きなダメージ」があったとし、「それは毒々しく、非難で満ちた数年でした。われわれはもう、それは後に置き、目と目を合わせてお互いを見、お互いの善なるところを見るべきです」と語った。

また、クリスマスの時期であることに言及し、クリスマスは「神の善の表れであるキリストの誕生を祝う」ときだと指摘。さらに「すべての人の内にある善なる姿を見、再発見するとき」でもあると述べ、互いに非難し合うのではなく、互いの中にある「善なる姿」に目をやるよう繰り返し促した。

ガビン・カルバーCEO / 英国福音同盟

英国福音同盟(EA)のガビン・カルバー最高責任者(CEO)は声明(英語)で、「2020年を迎えるに当たり、私は英国の未来に希望を抱いています。それは一政党が勝ち、別の政党が負けたからではありません。力ある神に信頼しているからです」と述べた。

カルバー氏も、英国社会にはこの数年「深い分断」があったと指摘。今回の総選挙における選挙活動についても、溝を埋めるよりも、さらに分断を悪化させるものだったと語った。その上で、「政治家も一般の人々も含め、われわれすべてに課されていることは、それぞれの地域社会で、またこの国全体で力を合わせることです」と強調。この夏にCEOに就任して以来、EAの中にある「一致」に対する熱い情熱を感じてきたと述べ、教会がこの「一致」という点で、国のために大きく貢献できる可能性があると語った。

英国アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団

選挙当日も祈りを呼び掛けていた英国アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団は、結果が明らかになった13日、ツイッター(英語)で次のように呼び掛けた。「この新しい議会において、一致が見いだされ、誇張がなくなり、この国が前進するため協力して指導力を発揮できるよう、首相のため、政府のため、そしてすべての議員のために祈ろう」

英国メソジスト教会

英国メソジスト教会は13日、バーバラ・グラソン会長、クライブ・マーシュ副会長の連名によるジョンソン首相宛の公開書簡(英語)を発表した。書簡では、総選挙での勝利を祝い、ジョンソン氏のために教会を挙げて祈ることを約束する一方、英国社会における特に重要な課題だとして、気候変動問題、貧困問題、社会の分断について、どのような政策を行うのかを明らかにするよう求めた。

「合意なき離脱」も示唆していたジョンソン氏に対し、グラソン会長とマーシュ副会長は7月、他教派のキリスト教指導者らと共に、合意なき離脱は貧困層の人々に確実に大きな影響を与えるとして、懸念を表明していた(関連記事:合意なき離脱は「無責任」 ボリス・ジョンソン新首相就任で英教会指導者らが公開書簡)。今回の書簡においても、そうした懸念に言及し、これから行われるEU側との貿易交渉では、貧しい人々を念頭に交渉を進めるよう求めた。

救世軍

救世軍は、総選挙後に明確なメッセージは発していないが、選挙前から特設ページ(英語)を開設。ホームレスの救済活動や現代奴隷制など、救世軍が取り組む活動において、総選挙の結果により特に大きな影響が出ると見込まれる5つの項目を列挙していた。その1つであるブレグジットについては、「救世軍は英国のEU離脱について、その利点を語る立場にはありません。われわれはその代わり、恵まれない地域社会の利益が守られるよう尽力します」と表明。その上で「次期政権には、恵まれない地域社会、特に多額の負債を負っている人々や、食べ物に事欠く人々が住む地域に対し、英国のEU離脱がもたらす影響を見極めるよう呼び掛けます」と述べていた。

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