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わが父の思い出―「父の日」にちなみ 込堂一博

2018年6月17日07時24分 コラムニスト : 込堂一博
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関連タグ:父の日込堂一博
わが父の思い出―「父の日」にちなみ 込堂一博+
若き父と

6月17日は「父の日」です。「母の日」に比べて影の薄い「父の日」ですが、子どもにとって、やはり父親の存在は大きいものがあります。私の父が肝臓がんのため64歳で召されてから、ちょうど今年で30周年を迎えます。父が召された9月2日前後に、兄弟姉妹家族全員が集まって記念会を予定しています。

私の父は戦時中、海軍に所属し、戦争末期、横須賀から沖縄へ出発する直前に、体調が悪化し入院。その後、故郷の北海道に戻りました。もし病気にならなければ、あの激しい沖縄戦で、おそらくは戦死したであろうと思われます。沖縄戦の戦死者約20万人余りのうち、最大の戦死者を出したのは沖縄の人々ですが、次に多かったのは北海道出身の兵士たち1万人余りです。父は奇跡的に命を守られ、戦後、旧国鉄の鉄道員となり、室蘭機関区(現・室蘭運輸所)で働きました。その時の上司の姪と縁談があり、1947(昭和22)年2月に結婚し、翌年1月に私が誕生しました。父24歳、母22歳でした。

ところが私が生まれてすぐ、父は突然、母に何の相談もせず国鉄を辞し、千歳市郊外で農業を始めました。結婚前、銀行員であった母は、まったく経験のない農業の生活で困惑し苦悩しました。しかも父の父母、妹たちとの共同生活が待っていました。

戦後の農業は貧しく食べるのがやっとでした。しかも当時は電気が通じていないため、ランプの生活で、飲料水は湧き水でした。キツネやウサギ、ヘビの出る辺地で、まさにドラマ「北の国から」のような生活でした。

私の後に弟2人、妹2人が生まれ、父は5人の子どもたちを養うために朝から夜遅くまで真っ黒になって働き続けました。母は、祖母との嫁姑の厳しい葛藤を抱え、何度も離婚を考えながらも、子どもたちのために必死に耐えて農業に励みました。父はいつも汚れた作業服姿で、ストレス解消に酒を浴びるように飲みました。が、反面、一生懸命働く勤勉家であり、家族や隣人を愛する思いやりの深い人情家でした。極貧の農家生活も、父が思い切って当時珍しかったアスパラ栽培に切り替えてから、少し余裕のあるものに変わりました。私は高校3年の夏、麦刈りの手伝い中、ラジオで「世の光」を聞いたことがきっかけで、わが家で最初のクリスチャンになりました(その後、弟妹、母、祖母が救いにあずかりました)。

私が大学卒業後、牧師になるべく東京の神学校に入ることを父に告げたとき、「おまえは牧師になって霞を食って生きていけると思っているのか!」と殴り掛かろうとするほど激しく怒りました。母の仲裁でどうにか収まり、私は神学校で学び、やがて故郷の千歳市の教会で牧師になりました。父と会う機会も増え、父も牧師の仕事に対して少しずつ理解を示すようになりました。

当時、まだクリスチャンでなかった父は、私に2つの助言をしてくれました。「大人より子どもの心が柔らかいから子どもに伝道しなさい。クリスマスの時期は、最も人々の心が開かれているのでクリスマスに大いに伝道すべきだ」と。今でもこの2つは「父の遺言」として時折思い出すことがあります。一生懸命働き続けた父は札幌に住宅を建て、夏は千歳の畑まで車で通い農業に従事し、冬は悠々自適な生活を送っていました。ある休みの日、珍しく父と2人で静内町の友人・佐藤信彦牧師(静内新生キリスト教会)を訪問しました。佐藤牧師の案内で、三石港で生まれて初めてチカ釣りを楽しんだことは良き思い出です。ところが、間もなくして父の体調に異変が起き、病院で調べてもらった結果、肝臓がんの末期で余命半年と家族だけに告知されました(父には病名を隠していました)。

わが父の思い出―「父の日」にちなみ 込堂一博
北海道新の三石港で父と最後のツーショツト

突然の父のがん告知は、大きなショックでしたが、私は何とかして父が救われてほしいと母や弟妹たちと共に祈り続けていました。その年(1988年)の6月、札幌で恒例の「世の光ラリー」があり、講師は、今は亡き羽鳥明先生でした。ちょうどその日は父が病院から外泊予定で在宅中でしたので、その集会に父を誘おうと計画しました。ところが当日になって、検査のために夕方まで病院に戻るようにと連絡が入り、がっかりしました。「何か良い方法がないか」と考えていたとき、「そうだ、父を羽鳥先生の宿泊しているホテルに連れて行き、先生に祈ってもらおう」との思いが与えられ、早速、羽鳥先生にお電話しました。

すると羽鳥先生から「私がお父さんを訪問して祈ります」との思いがけないお答え。先生を車で自宅に案内しました。

父は多少緊張気味でしたが、羽鳥先生は20分ほど、父と病気のことなどの話をしてから、突然に「お父さん、イエス様を信じるお祈りをされませんか」と問い掛けました。それに対し父は「はい、お願いします」と答え、羽鳥先生の祈りの後に続けて「自分が罪人であること、イエスを信じること」を口に出して祈りました。そばに立ち会っていた母と私は、信じられない思いで父の祈りを聞いていました。8月に竹本邦昭牧師(札幌希望の丘教会)により病床洗礼を受けた父は、9月2日の早朝、静かに天に召されていきました。病床で「朝露の中で仕事ができたことは最高だった」という言葉を残して、父は地上の64年の生涯を終えました。

父が召された年齢を越えた息子の私は、天での父との再会を待ち望みつつ、信仰の旅路を続けています。陽に焼けて真っ黒になった父の顔とそのほほ笑みを懐かしく思い出しながら――。

「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」(使徒16:31)

◇

込堂一博

込堂一博

(こみどう・かずひろ)

北海道室蘭市生まれ。聖書神学舎卒業。屯田キリスト教会協力牧師、三浦綾子読書会相談役。著書に『三浦綾子100の遺言』『人生の先にある確かな希望(天のふるさと)』『三浦文学の魅力と底力』『終わりの時代の真の希望とは』他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:父の日込堂一博
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