Skip to main content
2026年1月13日12時37分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
雪よりも白く

雪よりも白く(1)種子島で 榮義之

2018年6月13日20時33分 コラムニスト : 榮義之
  • ツイート
印刷
関連タグ:榮義之

私は種子島で生まれ育ちました。島なのに海は見えず、台風が来ると太平洋のほえるような海鳴りが聞こえる山の貧しい生活でした。

山桜の花が散る校門を、きれいな着物を着た母に連れられて、誇らしげに小学校に入学したことを今でも思い出します。田舎ですから、誰がどこの子かすぐ分かります。クラスに1人しょんぼりしている男の子がいて、友達になりました。でもその子はそれから間もなく、病気のために死んでしまいました。その子の母親は「友達になってくれてありがとう」と泣きじゃくりながら抱きしめてくれました。

それまで祖父母の死や、姉の死を幼い目で見てきました。仲良しの1年生が死ぬ、悲しいつらい体験でした。

学校が始まって間もなく、最初の音楽の時間がありました。先生は、復員した男の先生でした。みんな初めて聞くオルガンの音に、驚きと楽しみでいっぱいでした。しかし先生が突然、「おまえら、ちゃんと歌えないのか」と大声で怒鳴り、そばにいた女の子に「職員室に行って物差しを持ってきなさい」と命じました。物差しをオルガンの上に置くと、もう一度弾き始めましたが、みんなすぐに上手に歌えるはずがありません。先生は物差しをつかむと、パシッパシッと頭をたたきました。

その日から私は歌うのが嫌になり、小学校と中学校の9年間、一度も歌わない学校生活を送りました。理由は2つ、それまで頭をたたかれたことが一度もなかった、そして物差しを持ってきたのが幼い日の憧れの女の子だった、からです。ただ一度、5年生の時に優しい女の先生が「歌えるよ。大丈夫、歌ってごらん」と励ましてくれたので、みんなの前で「垣(かき)に赤い花咲く」とそこまで声を出しましたが、誰かがクスッと笑いましたので、歌うのをやめました。

音楽だけでなく、先生も嫌いになりましたが、学校には1日にも休まず行きました。1年生の2学期、通信簿をもらいました。字が読めるようになっていました。「さかえよしゆき」と書いてありました。保護者の欄を見て驚きました。母の苗字が違いました。

家に帰るとすぐ、なぜ苗字が違うか、みんなにはお父さんがいるのに、自分にはなぜいないのかと尋ねました。母は何も言わずに、ただ悲しそうな顔をしていました。母の悲しそうな顔を見ると自分も悲しくなるから、聞いてはいけないことだと幼い心で思いました。でも、大きな「?」マークが心に残りました。

そのようにして3年生になったとき、「義之、ここに座りなさい」と正座した母の前に呼ばれました。何だろうと思いながら座ると、「今日からお父さんの家に行きなさい」と言われました。

家から2キロくらい離れたところに、榮という家があることは知っていました。なぜそこが自分の家なのか、なぜ行かなければならないのか、さっぱり分かりませんでした。しかし、母の悲しくもきっぱりした顔を見ると、泣きじゃくりながらも言うことを聞かなければならないと決心しました。そして、母が用意してくれた風呂敷包みを背中に、夕方の寂しい道をトボトボと榮の家に向かいました。

そこでは、父と義母が最高のもてなしを用意してくれていました。せっかくのごちそうも喉を通らず、早々に寝床に入りました。泣きながらもう何も話さない、黙ってこの家にいようと決心し、ほとんど物を言わない子どもになりました。学校へは誰よりも早く行きました。でも先生とも友達ともふざけることもなく、おとなしくしていました。

やがて4年生の夏休みが終わろうとする、自分の誕生日の1週間前のことでした。畑で遊んでいたところに「義之ちゃん、お母さんが大変よ」と、近所のおばさんが走って呼びに来ました。

急いで駆け付けると、母はやせてか細くなった手で、私の手をつかみながら、やっと聞こえる声で「義之、ごめんね・・・」とだけ話して、息を引き取りました。1年前「なぜこんな時に・・・」と思ったことを思い出します。父の家に追いやるようにして出したのも、この日を覚悟してのことだったのです。病に侵され、病院もなく医者もいない、薬も満足に買えない貧しさの中で、必死に生き、子どもをひたすら愛し続けた37歳の生涯でした。母の日が来るたびに、誰もいない静かなところで「お母さん、ありがとうございました」と、今でも一人で感謝の言葉を語り掛けています。(続く)

次回へ>>

※ 本コラムは、小冊子「雪よりも白く」から転載・編集したものです。クリスチャントゥデイをご覧になり小冊子をご希望される方には、1人1冊を無料でプレゼントします。申し込みは、榮義之(メール:[email protected])まで。

◇

榮義之

榮義之

(さかえ・よしゆき)

1941年、鹿児島県種子島生まれ。生駒聖書学院名誉院長、同名誉神学博士。日本ペンテコステ教団代表、エリムキリスト教会主任牧師、エリム宣教会代表、朝日放送ABCラジオ牧師などを歴任。著書に『輝き・可能性への変身』『天の虫けら』『30秒の祈りが世界を変える!』など。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:榮義之
  • ツイート

関連記事

  • 天国から追い返された牧師(1) 榮義之牧師

  • 榮義之学院長「福音を伝え続けよ」 生駒聖書学院第61期生卒業式

  • 恵みを引き寄せる者となる 万代栄嗣

  • それでも、続けよう 佐々木満男

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米福音派の著名作家、フィリップ・ヤンシー氏が不倫を告白 執筆・講演活動から引退

  • 英ポルノ女優リリー・フィリップスさんが受洗 心からの回心?売名行為? 真意巡り議論

  • いのちのことば社、元職員の不適切な会計処理巡る質問・意見への回答を公表

  • 日本聖書神学校、2026年度から「基礎科」新設

  • NCC、米のベネズエラ攻撃に抗議 高市首相には武力行使に明確に反対するよう要求

  • この四半世紀に殉教したカトリックの宣教師・司牧従事者は626人 バチカン最新統計

  • ワールドミッションレポート(1月11日):インド 一粒の麦:ハンセン病患者たちに仕えた宣教師一家の物語③

  • 新島学園短期大学、韓国の崇義女子大学と協定締結

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(239)三柱鳥居に心を寄せて 広田信也

  • ワールドミッションレポート(1月12日):インド 一粒の麦:ハンセン病患者たちに仕えた宣教師一家の物語④

  • 英ポルノ女優リリー・フィリップスさんが受洗 心からの回心?売名行為? 真意巡り議論

  • 米福音派の著名作家、フィリップ・ヤンシー氏が不倫を告白 執筆・講演活動から引退

  • いのちのことば社、元職員の不適切な会計処理巡る質問・意見への回答を公表

  • 日本聖書神学校、2026年度から「基礎科」新設

  • NCC、米のベネズエラ攻撃に抗議 高市首相には武力行使に明確に反対するよう要求

  • この四半世紀に殉教したカトリックの宣教師・司牧従事者は626人 バチカン最新統計

  • 【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信

  • いのちのことば社元職員が不適切な会計処理、数千万円規模か 社長は引責辞任へ

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(239)三柱鳥居に心を寄せて 広田信也

  • 喜びの連鎖反応と拡大 万代栄嗣

  • いのちのことば社元職員が不適切な会計処理、数千万円規模か 社長は引責辞任へ

  • いのちのことば社、元職員の不適切な会計処理巡る質問・意見への回答を公表

  • 米福音派の著名作家、フィリップ・ヤンシー氏が不倫を告白 執筆・講演活動から引退

  • 米のベネズエラ攻撃・大統領拘束に対する現地の福音派キリスト者の反応

  • 【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信

  • 英ポルノ女優リリー・フィリップスさんが受洗 心からの回心?売名行為? 真意巡り議論

  • ノートルダム大聖堂のステンドグラス変更に33万人以上が反対 マクロン大統領の肝いり

  • 日本聖書神学校、2026年度から「基礎科」新設

  • 韓国の国民的俳優、アン・ソンギ氏死去 カトリック信者、教皇司式のミサで聖書朗読も

  • 戦争と不安の時代、一年の初めに神の名を心に留める意味 山崎純二

編集部のおすすめ

  • 上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開

  • 給食で子どもたちに笑顔と教育の機会を 最貧国マラウイを支援する「せいぼじゃぱん」

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.