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聖山アトス巡礼紀行

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(20)霧と闇 中西裕人

2017年1月22日00時09分 コラムニスト : 中西裕人
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関連タグ:中西裕人正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス

2015年大晦日、私は3度目のアトスへ向かった。前回、前々回と配信したアトスの降誕祭(クリスマス、1月6、7日)の取材が目的であり、その数日前に入山し、幾つか修道院を回った。冬のアトスは厳しいという前情報があったが、現実その通りであった。今回から数回、冬の厳しいアトスについてお送りしたい。

1月1日元旦、私はウラノーポリに着いた。テッサロニキの早朝到着便を利用すると、ウラノーポリへは9時ごろ到着し、1日1本の9時45分発のアトス行きに乗船できるのである。

夏とはうって変わって、変わり果てた街。人もまばらで、海岸沿いのテラス付きのレストランは、椅子やテーブルもなく閑散としていた。この街は夏の街。冬は数カ月お店が開かないのは当然である。

夏と違うのは、巡礼者の数や身なりもそうだ。人でごった返していた乗船券売り場も数人ほど。いざ船に乗ると、最上階のデッキにはほとんど人がおらず、皆防寒対策をしっかりしており、登山客のようないでたちであることに気付く。皆、2階席の室内でコーヒーなどの温かい飲み物などを飲んで過ごしていた。

ここ数日悪天候が続き、波は少し高く、薄暗い空、また景色もあの夏の鮮やかなブルーとは違った。室内といえども海風が隙間から入り、ずっと腕組みをしながら過ごしていたことを思い出す。修道士たちも乗っていたが、厚着の防寒着を着込み、肩を丸めて2時間半を厳しそうに過ごしていた。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(20)霧と闇 中西裕人

ダフニ港へ到着。港も閑散としており、降りる人も乗る人もまばらである。いつものように首都のカリエを目指した。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(20)霧と闇 中西裕人

薄暗い山道を1時間バスで登るが、これまでに見たことのないアトス山の情景を目の当たりにした。

雲が異様に速く、右から左へと半島の型に沿って、まるで竜のようにウネウネと流れていった。ギリシャの気候は、夏はカラッと乾燥しているが、冬は寒く厳しく湿度が高いのも特徴で、たまに雨粒を感じる不順な天候であった。

しかしながら、アトス山は遠く向こうにくっきりと見え、われわれ巡礼者を迎えてくれているようであった。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(20)霧と闇 中西裕人

次第にその雲は首都カリエの上空に停滞し、街全体が雨粒と共に霧に包まれる。さらに、数メートル先までも見えなくなるくらいに広がり、方向感覚を一瞬見失うかと思うほどの情景になった。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(20)霧と闇 中西裕人
首都カリエのメーンストリート

今回の目的としては、降誕祭ではあるが、夏と違った風景も当然収めたく、贅沢(ぜいたく)をいえば、雪が降るのを少し期待をしていたのも確かだ。冬のアトスの気候は、数日悪天候が続き、また数日カラッと晴れ、また悪くなるという繰り返しのようであり、つい2日くらいまでは晴天が続き、穏やかであったそうだ。

悪天候になると、船やバスの運行も止まり、足止めを食うという巡礼者も多くいるようである。父も以前は船が荒波のため、足止めをくらい、下山が1日遅れたということやバスが動かず徒歩で、港まで歩いたという経験があるそうだ。今回も実は、帰りの日に荒波により、下山を1日遅らさざるを得ない状況になったのだ。それは、また追ってお話しさせていただく。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(20)霧と闇 中西裕人

天候不順と一気に来た移動の疲れから、カリエから徒歩10分のところにある、クトゥルムシウー修道院を目指すことにし、今日の宿泊先と決めた。

アルフォンダリキ(受付)で記帳を済ませ、少し天候が落ち着いてきたので、カリエの方へ撮影に戻り、政庁に延泊の許可を頂きに大臣に謁見(えっけん)してきた。彼は、メギスティス・ラヴラ修道院の修道士であり、父とも長年の友人であり、快く執務室に招いてくれ、許可をしてくれた。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(20)霧と闇 中西裕人
クトゥルムシウー修道院のアルフォンダリキ(受付)

2時を過ぎると、次第に空が暗くなり始める。夏とは違い、日が傾くのも早い。景色も色も全く違うこのアトス、これから訪れる情景が楽しみで仕方なかった。明日は、とりあえず、メギスティス・ラヴラ修道院を目指すことにした。

夕方5時には闇夜に包まれた。そして朝の8時ごろ、ようやく日が上がり出す。ほとんどが闇の1日のこの厳しい冬を乗り越えなければならない。修道士たちはどんな気持ちでこの時間を過ごしているのだろうか。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(20)霧と闇 中西裕人
朝8時過ぎ、ようやく日が上り始める。

次回予告(2月4日配信予定)

冬のメギスティス・ラヴラ修道院を訪れます。お楽しみに。

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◇

中西裕人

中西裕人

(なかにし・ひろひと)

写真家。1979年生まれ。東京都杉並区出身。日本大学文理学部史学科卒。外苑スタジオ勤務後、雑誌「いきいき」(現「ハルメク」)専属フォトグラファーを経て独立、雑誌、広告、webを中心に活動中。2014年に洗礼を受ける。父は日本ハリストス正教会司祭であり、年に数回共にアトスを訪れ修道士の生活などに密着した取材を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:中西裕人正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス
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