Skip to main content
2025年7月6日06時46分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
聖山アトス巡礼紀行

聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(4)リラ修道院~奇跡 中西裕人

2016年12月11日01時26分 コラムニスト : 中西裕人
  • ツイート
印刷
関連タグ:中西裕人正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトスブルガリア

「聖イヴァンは治癒の神としても有名で、ブルガリア全土から医師がここへ来てお祈りして帰ります」。アテンドの女性が車内で教えてくれたのがすごく印象的であった。

10月初旬、ブルガリア・ソフィアより南へ行ったサンダンスキーという温泉地を後にし、その中間地点(ソフィアより120キロ)にあるリラ修道院を目指していた。

その車中で1通のメールが携帯に届いていたことに気が付いた。

その内容は、地元の友人からで、同級の共通の友人が倒れたとの知らせ。かなり重篤な状態とのことだった。一瞬何が起きたのか、何を返せば良いのか、しばらく何も考えることができなく、ただただ、雄大な景色だけが流れ、見ているようで見えてない、移りゆくだけだった。

聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(4)リラ修道院~奇跡 中西裕人
リラ山

今年初冠雪を観測した雄大なリラ山。そこへ向かう、縫うようにクネクネと自然に囲まれた1本道、恐らく何もなければ一層期待を掻き立てる道であろうが、気付くと行き止まり、つまりリラ修道院の入り口に到着していた。

聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(4)リラ修道院~奇跡 中西裕人
リラ修道院聖堂

リラ修道院は、リラ川とドルスリャヴィツァ川の間のリラ山の山峡、標高1147メートルに位置する。歴史としては、10世紀前半、イヴァン・リルスキーがリラ山中で断食と祈祷の生涯を送り、今の修道院の近くの洞窟で生活をしていたのが始まりである。

946年に死去し、その後列聖に加えられ、聖人となった。現在の姿は19世紀にほぼ完成し、千年以上も現在まで続いている修道院の僧坊の基礎を築いたのである。中心に聖堂、囲むように修道僧の住居部がある。4階建てでおよそ300の居室が備わり、今はホテルとしても使われている。実際に修道士たちと晩の祈りを共にすることができるようである。

現在修道士は4人ほどのようであり、拝観していると姿を見かけることもある。聖堂の周りの回廊には、見事なフレスコ画が描き埋められ、観光客はしばらく立ち止まり、聖書の場面を思い、感じ取っていた。

聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(4)リラ修道院~奇跡 中西裕人
聖堂の回廊
聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(4)リラ修道院~奇跡 中西裕人

死後イヴァンは列聖に加えられ、聖人となった。そして、その残された聖遺物が奇跡を起こし、病人を治癒し、当時の信者たちも信仰を強めたようである。

その後も、ブルガリア全土から医師などもたくさん訪れる場にもなっている。イヴァンの活動と個性が中世の歴史、精神、宗教の世界の形成に及ぼした影響は多大であり、今日もなお偉大なる聖人として、ブルガリア国民にとっても非常に大きな存在となっている。もちろん前回紹介したボヤナ教会のフレスコ画に描かれている。

聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(4)リラ修道院~奇跡 中西裕人
ボヤナ教会の聖イヴァンのフレスコ画

聖堂に入り、イコノスタスの前に行くと、一瞬強い光が天井のドームの窓から2本突き刺した。観光客を含め、われわれも息を呑み、自然と「オー」という声が出た。

聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(4)リラ修道院~奇跡 中西裕人

友が病に倒れた。彼には先日お酒をご馳走してもらい、「次は俺が」なんて言って約束したことを最後に、会っていなかったことを思い出した。ひたすら祈った。祈り続けた。そして、イコンへ接吻し、聖堂を後にした。

数週間後、あの時連絡をくれた友人が逐一報告をしてくれている中で、なんと歩行器を使って歩けるくらいまで回復をしたとの連絡が来た。

一度は生死をさまよい、医師も奇跡だと言っているようだ。彼は奇跡を起こしたのだ。さらに、今月中に退院も夢ではないそうだ。

再び、私はリラ山へ行こうと思っている。

聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(4)リラ修道院~奇跡 中西裕人

4回にわたり、番外編としましてブルガリア巡礼紀行をお送りしましたが、今回で最後となります。ご覧いただきまして、ありがとうございました。

次回からは、聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―に戻りまして、再びアトス山での取材をお送りします。

次回予告(12月24日配信予定)

昨年訪れたアトスの降誕祭(クリスマス)のお話です。お楽しみに。

<<前回へ     次回へ>>

◇

中西裕人

中西裕人

(なかにし・ひろひと)

写真家。1979年生まれ。東京都杉並区出身。日本大学文理学部史学科卒。外苑スタジオ勤務後、雑誌「いきいき」(現「ハルメク」)専属フォトグラファーを経て独立、雑誌、広告、webを中心に活動中。2014年に洗礼を受ける。父は日本ハリストス正教会司祭であり、年に数回共にアトスを訪れ修道士の生活などに密着した取材を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:中西裕人正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトスブルガリア
  • ツイート

関連記事

  • コラム「アトス巡礼紀行」連載中の中西裕人さん、「ナショナルジオグラフィック」12月号で特集掲載

  • 聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(3)ボヤナ教会~密林の一本道 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(2)アレクサンドル・ネフスキー大聖堂 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行番外編:ブルガリア巡礼紀行(1)ブルガリア正教会 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(17)記憶~アトスの巡礼者たち 中西裕人

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 聖書のイエス(12)「初めに、ことばがあった」 さとうまさこ

  • ワールドミッションレポート(7月6日):タイ 麗しきかな、良き知らせを告げる者の足は

  • ワールドミッションレポート(7月5日):コロンビア コカ農家から最前線の福音伝道者へ

  • Gゼロ時代の津波石碑(3)日中韓、泥沼化する「桜の起源」論争 山崎純二

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • シリア語の世界(27)シリア語旧約聖書の各書名と1章1節の和訳 川口一彦

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • Gゼロ時代の津波石碑(3)日中韓、泥沼化する「桜の起源」論争 山崎純二

  • 同志社女子大学とノートルダム女学院高校、教育連携協定を締結

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.