この時聖書を開いた―31人に訪れた神の祝福―(17)私は〝スルメ〟 根田裕道

2016年9月10日12時45分 執筆者 : カレブの会 印刷
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私は〝スルメ〟
電気メーカー・セールスエンジニア 根田裕道

「あなたのしようとすることを主にゆだねよ。そうすれば、あなたの計画はゆるがない」(箴言16章3節)

私1人で仙台に営業所を開設したのは、1982年10月でした。これから東北に新幹線が開通しようという矢先に、会社は東京本社と大阪、名古屋のみに集約して営業展開しようとしていました。でも、これから東北が伸びようという機運が高まっているとの思いの強かった仙台出身の私は、当時の上司(現会長)へ将来の成長を考えたほうが良いのではないかと具申しました。上司からはもう役員会で決定したことだからとのことで、仙台は諦めてくださいとの返事でした。

しかし、会社の将来を考えると、納得いかなかった私は朝な夕なに上司を説得しました。当時29歳の若かった私でしたが、あまりの熱心さについに上司は臨時役員会を開き、そんなに言うならお前が仙台で1人でやってみろということになりました。

さて、息巻いて仙台へ1人で出て来たものの、技術しか能のない私は営業もままならず、また中小企業の名もないメーカーで特殊な電気製品でしたので、すぐ売れるわけもなく、日がな1日、窓の光も差さない机1つの倉庫みたいな事務所で途方に暮れていました。ほとんど売り上げもなく、当然自分の給料分なぞ稼げるわけもありませんでした。でも、会社から月給が振り込まれて来るのです。今まではこんな安月給では暮らしていけないと思っていましたが、なんと有り難いことか、つくづく感謝しました。

そして、自分が技術屋であるということで思い上がっていたことに気付きました。私は高慢でした。やっとへりくだることができたとき、客先との関わりも良くなり、少しずつ仕事が来るようになりました。ある時、重要な目上のお客様から「あなたは〝スルメ〟のようだ」と言われました。その心は、噛めば噛むほど味が出るということでした。私は〝スルメ〟か。でも、感謝でした。ここまで成長させていただいた御言葉に、力を感じました。

その後、1人、2人と所員を増やし、営業所として確立させていきました。しかし、部下を持ったことのない私は、所員の能力を生かし切れずにいました。もっと困ったことに、中途採用の1人が自分こそはリーダーとの勢いで所員を翻弄(ほんろう)しました。転機は、仕事の中での客先とのやりとりでした。1人の所員がしたことに対し、お客様が大変ご立腹していたときです。

私が前面に立ち責任を負い、客先の怒りを沈めることができました。それから、その所員は私の指示に従うようになり、社内風土はがぜん良くなりました。それをきっかけに所員が一丸となり、大きな売り上げと大きな利益を上げることができるようになりました。仙台営業所を立ち上げると言ってから、もはや32年がたち、私は62歳を超えました。少し高齢になりましたが、いつまでも〝スルメ〟のようでいたいと思います。

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【書籍紹介】

 カレブの会編『この時 聖書を開いた―31人に訪れた神の祝福―

カレブの会編『この時 聖書を開いた―31人に訪れた神の祝福―』

私たちはみな、退職後のさまざまな不安を抱えています。夫婦や家族関係の在り方、体力の衰え、病、経済のこと、伴侶との離別、孤独等々。この世の人々が行く同じ道を歩みます。「夢」がコインの表だとすれば、弱さを味わう「軟着陸」はその裏面です。幸いなことに、この弱さは私たちを成熟へと導いてくれるだけでなく、しばしば夢と使命を与え、御国を広げる道へと導いてくれるのです。

現役で働いている方にとっては、示唆に富んだ言葉に、生き方の確かなヒントやアドバイスが与えられます。同世代の人にとりましては、生きる勇気や力が湧き上がり、その励ましを共有できる本です。

ご注文は、全国のキリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

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カレブの会

カレブの会

切り株から芽を出す「カレブの会」のロゴマークは、リタイア後も御言葉の約束を信じ、それぞれが置かれた場所で、豊かな実を結ぶ現代のカレブのような人々のスピリットを表現している。「主から夢を頂き、夢の実現のために互いに助け合う」こと、「人生のソフトランディング(軟着陸)を助け合う」ことを目的に2006年12月に活動を開始。そのビジョンは宇都宮、仙台、西宮へと、御霊の風に乗って運ばれ、今ゆっくりと広がり続けている。

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