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ワールドミッションレポート

ワールドミッションレポート(1月21日):ブルネイ 豊かなイスラム教国で強いられる信仰の沈黙

2026年1月21日10時26分 執筆者 : 石野博
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ワールドミッションレポート(1月21日):ブルネイ 豊かなイスラム教国で強いられる信仰の沈黙+
ブルネイの首都バンダル・スリ・ブガワンにあるスルターン・オマール・アリ・サイフディーン・モスク(写真:sam garza)

ボルネオ島の北岸に位置する小さな王国の正式名称はブルネイ・ダルサラームだ。「永遠の平和の国」を意味するこの国は、豊富な石油と天然ガス資源に恵まれ、国民は所得税免除や充実した福祉を享受している。

首都バンダル・スリ・ブガワンには黄金に輝くモスクのドームが立ち並び、豊かなイスラム王国の繁栄を象徴している。しかし、そのきらびやかな黄金の輝きの影で、キリストにある兄弟姉妹たちは「沈黙」を強いられている。

ブルネイの社会は、絶対君主のスルタンが支配する「マレー・イスラム君主制」(MIB)という厳格な国是のもとにある。これは「マレー人であり、イスラム教徒であり、君主に忠実であること」を国民の絶対的なアイデンティティーとする思想だ。2014年から段階的に導入されたシャリア刑法(イスラム法)は、今や社会の隅々まで浸透し、キリスト教徒への締め付けはかつてなく強まっている。

この国において、教会は「存在することは許されるが、成長することは許されない」という、真綿で首を絞められるような状況にある。新しい教会の登録は認められず、既存の教会も建物の修繕や増築が極めて困難だ。伝道活動は厳格に禁じられており、ムスリムに聖書を渡したり、信仰を語ったりすることは犯罪となる。クリスマスの飾り付けを公共の場で行うことさえ、「イスラムの信仰を損なう」として禁止されているのが現実だ。

特に深刻なのは、イスラム教から改宗した信者(MBB)たちが置かれている状況である。彼らにとって、信仰の告白は社会的死を意味する。改宗が発覚すれば、家族から勘当され、職を追われ、強制的な「再教育プログラム」施設へ送られるリスクと隣り合わせだ。法的にもイスラム教からの離脱は認められていないため、彼らは生涯、身分証の上では「ムスリム」として生き、死ぬことさえ強要される。

厳しい迫害にかかわらず、現地のある女性信者はこう語る。「私は残りの生涯を全て、死ぬまで主に仕え続けます」

近年では、公立学校に通うキリスト教徒の子どもたちに対しても、イスラム教の授業への参加が強制されるなど、次世代への同化圧力も高まっている。若者たちは、信仰を守るか、社会的な成功のために妥協するかという、過酷な選択を日々迫られているのだ。

この「平和の国」に、キリストによる真の平和が訪れるように祈ろう。監視と恐怖の中にある非公認教会の信者たちが守られ、国の指導者たちの心が変えられ、信教の自由が認められる日が来るように。そして、厳しいイスラムの戒律に縛られている人々に、神の子の自由を得させるキリストの福音が届くように祈っていただきたい。

■ ブルネイの宗教人口
イスラム 65・3%
プロテスタント 5・0%
カトリック 5・3%
土着の宗教 6・6%
仏教 8・9%
儒教 5・3%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
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