この時聖書を開いた―31人に訪れた神の祝福―(14)一所懸命から一生懸命へ 志田保夫

2016年7月30日19時36分 執筆者 : カレブの会 印刷
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一所懸命から一生懸命へ
羽村キリスト教会 志田保夫

「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい」(マタイの福音書7章12節)

古稀を前にしてこれまでを振り返りますと、私は面白く充実した人生を歩んできたという思いでいっぱいになります。田舎育ちで今のように情報もなく、将来どんな仕事に就けるのかは全く分からなかったのですが、1964(昭和39)年に社会に出る頃は、東京オリンピックに向けて経済成長とともに家電メーカーが花形で、自然の成り行きでこの世界に就職しました。

クラスメートの多くは、その仕事を全うして定年を迎えたようです。私は後年物理を学んでこの先の進路を切り替え、考えもしなかった薬学の世界へ飛び込みました。

20歳の頃、近くで伝道を始めた米国人宣教師の教会に何となく出入りするようになり、師の影響を大きく受け、洗礼を受けて人生を考えるようになった頃です。直接誰かの役に立ちたい気持ちが大きく、電気には全く興味を示さない化学者の世界に飛び込んだわけです。

私こそ化学については全く素人で苦しみましたが、それも独学と周りの助けを借りて数年、1人前の議論ができるようになり、定年まで40年続けてくることができました。

小さいとき憧れた白衣を着る仕事でしたが、慣れてくると着ていることの煩わしさの方が多く、来客の時以外は私服でした。この間に経験した多くのことは、別の機会に書くこともあるかもしれません。

化学とはいえ有機化合物の分析で、この仕事が私の性格に向いていたのかもしれません。心に誓ったことは、徹底的に学び、正確なデータを出すこと。結果、彼の仕事なら間違いないと信頼され、外部からも多くの依頼を受けました。

1つの仕事を一所懸命して、それが定年まで続いて一生懸命になりました。裏方に徹する人生でしたが、それを喜びに変えてくれたのは、教会に行っていたおかげと思っています。

今も伝道の仕事まで手が回らず、受けた恩を返すべく世の中へ飛び出して行っています。特殊な仕事だけに、高価(数億円)な装置を買っても使いこなすまでに時間がかかり、さらに測定したデータを読みこなすまでに多くの経験を要求されます。人づてに手を貸してほしいと頼まれ、片道2時間前後かかるところまで出掛けることが増えてきたこのごろです。

私の人生では、人前で話すことと文章を書くこと、この2つは絶対にないだろうと思っていましたが、仕事仲間と書いた専門書はロングセラーを続け、15年たった今でも出版が続いています。

対外的には非常勤講師として20年ほどあちこちの大学で教えて、さらに地元市役所で非常勤の仕事を頼まれたときは、1年を通してあいさつのオンパレード、このあいさつだけはいまだに慣れません。

今やこんな仕事はないだろうと思ってきた、その仕事に追われています。しかし、これまで仕事を続けてこられたのは、大勢の友人仲間の助けがあったからこそ。

定年後、今度は今までのお返しを若い人に帰すべく、世の中へ飛び出しています。神様は1番苦手と思っていた仕事を、その人の生き甲斐とされるようです。

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【書籍紹介】

 カレブの会編『この時 聖書を開いた―31人に訪れた神の祝福―

カレブの会編『この時 聖書を開いた―31人に訪れた神の祝福―』

私たちはみな、退職後のさまざまな不安を抱えています。夫婦や家族関係の在り方、体力の衰え、病、経済のこと、伴侶との離別、孤独等々。この世の人々が行く同じ道を歩みます。「夢」がコインの表だとすれば、弱さを味わう「軟着陸」はその裏面です。幸いなことに、この弱さは私たちを成熟へと導いてくれるだけでなく、しばしば夢と使命を与え、御国を広げる道へと導いてくれるのです。

現役で働いている方にとっては、示唆に富んだ言葉に、生き方の確かなヒントやアドバイスが与えられます。同世代の人にとりましては、生きる勇気や力が湧き上がり、その励ましを共有できる本です。

ご注文は、全国のキリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

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カレブの会

カレブの会

切り株から芽を出す「カレブの会」のロゴマークは、リタイア後も御言葉の約束を信じ、それぞれが置かれた場所で、豊かな実を結ぶ現代のカレブのような人々のスピリットを表現している。「主から夢を頂き、夢の実現のために互いに助け合う」こと、「人生のソフトランディング(軟着陸)を助け合う」ことを目的に2006年12月に活動を開始。そのビジョンは宇都宮、仙台、西宮へと、御霊の風に乗って運ばれ、今ゆっくりと広がり続けている。

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