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星のかけら

【童話】星のかけら(2)冒険のはじまり・その2 和泉糸子

2016年9月6日18時30分 コラムニスト : 和泉糸子
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教会のお年よりが急に具合が悪くなって、もしかしたら亡(な)くなるかもしれないので、出かけるけれど、君たち3人だけで留守番しても大丈夫(だいじょうぶ)かと聞かれて、大丈夫、大丈夫と3人は答えたのです。

あわただしく牧師さんたちは車で出かけていきました。

月山のおじいさん、大丈夫かなあとシュンスケは心配になりました。小さいころからよく知っている人が亡くなるかもしれないというのは、不安になりドキドキすることだからです。

ケンタは引っこしてきて1年くらいなので、月山さんのことをよく知りません。体の具合が悪くてずっと教会を休んでいたからです。

ユキトもその人のことは知りませんが、死ぬってどんなことだろう、ぼくはまだ死にたくないなあと思いました。大人になってずっとたって、おじいさんになってから死ぬのは仕方ないけど、おじいさんになっても、死ぬのはこわいかなあと思いました。

でも3人ともこれからの冒険を考えると、だんだんとワクワクの気持ちの方が強くなりました。

「夜の教会をたんけんしてみようよ」と、ユキトが言いだすと、みんなはパジャマのままで、立ち上がりました。台所から懐中電灯(かいちゅうでんとう)を見つけて来て、手に持って教会の方に移動(いどう)しました。暗いのはいやなので、部屋の電気も廊下の電気もつけたままです。

教会につながるドアは開けたままにしておきました。帰れなくなったら大変ですからね。こういうように3人はとてもしんちょうに事を運んだのです。

懐中電灯をつけて、礼拝堂の壁(かべ)をさぐるとスイッチがありました。「もっと懐中電灯があればいいけど」と、ユキトが言うと、「まかしとけ」と言って倉庫の中からシュンスケがペンライトを持ってきました。

「これ、クリスマス会の時に使ったんだ。後かたづけを手伝ったから入れてある場所が分かった」「おてがら、おてがら」。みんなはペンライトを2本ずつ持って・・・。ユキトは大きな懐中電灯を持っていますから、ペンライトは1本にしましたけどね。階段を上って、2階に行きました。

そこは7、8人が会議できるくらいの部屋で、大きな分あつい本が本だなにならべられ、壁には昔の牧師さんの写真がかざってあり、窓には赤や青や黄色の花もようのきれいなステンドグラスがはめてあります。真ん中に大きなテーブルと折りたたみいすが置かれ、すみっこに古いひじかけいすと小さな机(つくえ)もあります。

電気をつけても、かなり暗いので、お化けでも出てきそうな気がして、びくびくします。何しろ、壁のがくぶちに入った大きな写真は白黒写真で、ひげを生やして着物を着た人や、丸いメガネをかけてしせいをピンとした昔の人たちが、にこりともしないで写っているし。おまけになんだか光っているものがゆらゆらしています。「キャー」っと、ケンタがさけびました。「お化けが出た!」。

「びっくりしたなあ。光るパジャマなんか着てるのだれだよ」と、シュンスケが言います。

「教会にはお化けは出ないよ、きっと」とユキトは小さな声で言いました。実はヒーローの絵のついた光るパジャマは、お気に入りでしたけど、なんだか間(ま)が悪いなあと思いました。そうしたら、「でも、もしかしたら、悪魔(あくま)が出てくるかもしれないじゃないか」とシュンスケがおどかしました。「イエス様は悪魔に勝ったんだよ」、こわがりのケンタも負けずに言います。教会学校のお話で「あらののゆうわく」というのを聞いたことがあったからですが、もしも悪魔が出てきたらどうしようと思って、ぞっとしたからです。

その時、小さな鐘(かね)の音のようにも、すずの音のようにも聞こえる音がしたのです。どうやら、上から聞こえてきます。3人は顔を見合わせて、どうしようと、目で相談しました。こわい時って、声が出ないものですね。でも、目で相談し合うことはできるのです。

「行こうか」「上へ行くの」「なんかこわい」。そんな声にならない声で3人は相談して、でも、とうとう、階段を上ることにしました。シュンスケとケンタは初めてのけいけんです。ユキトはおじさんに頼(たの)んで一度だけ、階段を上ったことがありました。「ここから先は電気がないよ」「わかった。ペンライト」

少し曲がった階段。途中(とちゅう)におどり場があって、そこには窓があります。窓から、月の光が少しだけさしているようです。そうしてもう少し上ると、もう一つおどり場があります。壁の中についている階段ですので、冷たい風はふいて来ませんし、雨の日でも平気でしょうが、今は夏ですし、天気も悪くありません。コウモリに出会うこともなく、階段の行き止まりまできました。

入り口にはドアがないのでそのまま入ると、その先は小部屋になっていて、天じょうに鐘がつるしてありました。壁には小さな丸いガラスがはまっていますので、のぞけば外の景色が見えるはずです。でも子どもたちは、景色を見るよゆうもなく、目をまんまるにして鐘のある場所を見ていました。

すんだ音色の、小さな鐘の音がしています。そして、そこには今まで見たこともない不思議な人がいたのです。(つづく)

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◇

和泉糸子

和泉糸子

(いずみ・いとこ)

1944年生まれ、福岡市出身。65年、福岡バプテスト教会で受洗、後に日本基督教団の教会に転入し、Cコースで補教師試験に合格。96年より我孫子教会担任教師、2005年より主任担任教師となり、20年間在職。現在日本基督教団隠退教師。九州大学文学部卒業。東京都庁に勤務後、1978年より2002年まで、船橋市で夫と共にモンテッソリー教育を取り入れた幼児教育や、小中学生対象の教えない教育という、やや風変わりな私塾(レインボースクール)を運営。(2017年7月17日死去、プロフィールは執筆当時のものです)

【執筆者からのコメント:童話「星のかけら」は、小学生の孫のために書いたものですが、教会学校の子どもたちが少なくなっている今、お話を通して教会や神様に少しでも出会える場が与えられればうれしいです】

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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