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脳性麻痺と共に生きる

脳性麻痺と共に生きる(1)自己紹介 有田憲一郎

2015年10月2日10時16分 コラムニスト : 有田憲一郎
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関連タグ:バングラデシュテゼ共同体日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)障がい
脳性麻痺と共に生きる(1)自己紹介 有田憲一郎+
障碍(しょうがい)者用のパソコンではなく普通のパソコンを使っているが、キーを正しく打てるよう、キーボードには特殊なプラスチック製のカバーを付けている。また、マウスを使えないため、トラックボールを使っている。3000文字程度の文章を書くのに、早くて3、4日はかかる。

皆さん、こんにちは。そして、初めまして。僕の名前は、有田憲一郎と申します。今回から月に数回、自分の体験談や思い、そして、感じていることなどを書かせていただくことになりました。そのことに大変感謝しています。そして、「せっかく書かせていただくのなら、毎回ちょっと変わった視点からさまざまなことを書いていきたい」とひそかに思っていますので、よろしくお願い致します。

書き始める前に、今回は「僕がどういう人物なのか」を簡単にお話しし、自己紹介させていただきたいと思います。

僕は、1971年(昭和46年)に東京で生まれました。先ほど、「ちょっと変わった視点からお伝えしていきたい」などと書きましたが、僕は生まれつき「脳性麻痺(まひ)」という障碍(しょうがい)を持って生まれてきました。

脳性麻痺と一言でいっても、さまざまな障碍があります。少しだけ簡単に説明させていただくと、運動機能障碍。例えば、手や足がちょっと不自由だけど、普段の生活や身の回りのことは自分でできる方。また、身体が動かせずに介助を受けながらベッドの上で生活されている方。そして僕自身もそうですが、誰かの手を借りて、自分でできない部分の介助をお願いして生活されている方。さまざまな方がおられ、一人一人個性が違うように一人一人障碍の程度も違い、性格も違い、必要なサポートも全く違います。

たまに「脳性麻痺は、知的に障碍があるのでしょう」などと、誤解されてしまわれます。僕にとっては、とても悲しいことです。きっと「脳性麻痺」という障碍名から、そうイメージされてしまうのでしょう。脳性麻痺という障碍は、知的な障碍ではありません。ただ身体が不自由なだけで、知能には障碍もなく、考えていることや感じていることなどは健常者、皆さんと一緒です。

さて、障碍を持って生まれてきた僕を両親は、「障碍があっても、生きがいを持たせよう。得意分野を持たせよう」と、子どもの頃から積極的にさまざまな場所に連れていき、いろんな体験をさせてくれました。小学生の時、一人の脳性麻痺の画家と出会い、絵心に目覚め、タイプライターを使って「タイプアート」を始めました。そして養護学校(現在の特別支援学校)を卒業後、演劇を始めるとともにカメラの魅力を感じ、独学で覚え、カメラを車イスに固定し撮影も始めました。

1993年に宮城県仙台市にある社会福祉法人「ありのまま舎」が主催する「ありのまま記録大賞」というノンフィクション作品募集に応募し、これがきっかけとなり、東京を離れて翌1994年に身体障害者療護施設(現在の障害者支援施設)難病ホスピス「太白(たいはく)ありのまま舎」に入居しました。

1997年、日本基督教団東北教区センター「エマオ」内の仙台青年学生センターと出会い、学生たちとバングラデシュの旅へ出掛けました。そこで僕は、初めてキリスト教と出会い、テゼと出会いました。この出会いがあったからこそ、今の自分がいる。それは、大きな出会いでした。その出会いがあって、今の自分がある。僕は、はっきりそう断言できます。

日本に帰国してから、「自分にも何かできないだろうか」と考え、NGO団体「日本キリスト教海外医療協力会」(JOCS)に入会したり、バングラデシュで自らが撮影してきた写真の個展を開催したり・・・。今までに4回バングラデシュを訪れ、2004年にはバングラデシュの障碍を持った仲間と共に現地で展示会も開催し、自分でできる活動を続けています。

バングラデシュでテゼと出会い、その素晴らしさと魅力に導かれ、黙想と祈りの集い準備会や祈りの集いに参加したり、インド・フィリピン・韓国で行われたテゼ・アジア大会に参加しスピーチをさせていただいたりもしました。

1997年から活動してきた仙台青年学生センターでは、2010年から2014年まで「共に生きる~オアシス有田~」というクラスを担当し、障碍者や弱者のこと、自分、また相手のこと、仲間、命、信頼のことなど、普段あまり考えないような難しそうに思われがちですが本当は一番大切なことをテーマにし、簡単な疑似体験や僕の体験談を交えて、分かりやすく、「共に生きるって、どういうことだろう」ということを考える時間(とき)を青年たちに提供してきました。

僕はこうして、パソコンを使い文章を書いて多くの方々に読んでいただけることに心から感謝しています。僕のことを全く知らない方は、「パソコンの前に座り、書いているだろう」と、ただそのように想像され、イメージされる方が多いのではないのでしょうか。そして、障碍という話題など全く触れずにただ普通の文章を書き、またそのことなど知らない方であれば、「障碍を持った人が書いている」などとは想像すらしていないのではないでしょうか。

僕には身体全体に障碍があり、手にも障碍があります。そのため、「パソコンがあるから文章が書ける」などという簡単で単純なことにはいかないのです。日常生活において誰かの手を借りなければ生きていけません。僕には、僕のことを知っている大勢の仲間がいますが、僕が実際にパソコンで仕事をする様子を見せたことも、話したこともありません。「どうやって書いているんだろうね」。仲間の間からそんな会話が聞こえることもあります。

障碍の状況に合わせて使える工夫されたパソコンやソフトなども開発されていますが、僕は電気屋さんで売っている普通のパソコンを使って文章を書き、仕事をしています。

ただ僕は手が不自由ですので、そのままキーボードを打つことができません。「打ちたいキーまで1本の指を確実に持っていく」、この何気ないことが、僕にとっては難しく大変なことなのです。もしそのままの状態でキーボードを打とうとすると、手や指でいろんなキーをいっぺんに押してしまい、書きたい文字をなかなか打つことができません。そこで僕のキーボードには、ある工夫をしています。

キーボードは普通のものですが、その上に実は、プラスチックでできたカバーをしています。そのカバーは、キーの位置に合わせてキーの数だけ穴が開けられています。自分の打ちたいキーの穴に指を入れるとキーが打てて、違うキーを打てない(触れない)ようにカバーが抑制してくれています。また僕は、マウスを使うことができません。そこで僕は、トラックボールを使って操作をしています。こうして僕は、文章を書いています。

文章を読んでいただいている方にしてみれば、「どれくらいの時間をかけて書いているんだろう・・・」などと考えることは、あまりないかもしれません。また「簡単に」という表現が適切なのか分かりませんが、「書き始めたら、簡単に短時間で書いているのかなぁ・・・」と想像される方もいらっしゃるのかもしれません。僕にとって原稿を書いて文章を書くという作業は、書きたい内容が決まっていたとしても大変な時間と労力が必要となってきます。

先ほど、「キーボードに穴が開いた特殊なカバーを取り付けて、1本の指で打っている」という話をしましたが、僕は左手の人差し指で打っています。他の指を使って打つことがなかなかできません。キーボードを打つにも身体全体に緊張が入ってしまい、手や指を動かすだけでも全身を使って文章を書いているような感じなのです。

そして、僕の身体の状態は日によっても違ってきます。毎日24時間常に筋肉が緊張していますが、身体の緊張が軽く体調の良い日、そして身体の緊張が強く体調の悪い日、それもまちまちで、パソコンを使う体力や文章を書く時間などにも大きく影響してくるのです。

例えば、この文章。3000文字とちょっとあると思います。これから大体平均にして2500~3000文字の文章を書いていきたいと考えています。3000文字というと、A4サイズの用紙で2枚半程度になるでしょうか。皆さんが集中して3000文字ぐらいの原稿を書こうとした場合、どの程度の日数と時間が必要ですか? 人それぞれだと思いますが、それほどの日数はかからないのではないでしょうか。

僕は、打つこと・入力するにも時間がかかり、身体に余計な力や緊張が入ってしまいます。そして、ゆっくりとしか打つことができません。それは、普通の人の数倍も遅いスピード。頭の中では文章が浮かんでできているのに、手が追いついていかない。そういった感じで文章を書くことが日常茶飯事で、例えば3000文字程度の原稿を書くのに、早くて3、4日程度の日数がかかってしまいます。

また僕は、さまざまな場所で講演をさせていただく機会を与えていただいています。身体に障碍があり、言語にも障碍があるため、健常の方より話すスピードも遅く、想像以上に体力も必要となります。しかし僕は、こうして文章を読んでいただいたり、講演などを聞いてくださったりすることにいつも感謝しながら、大きな喜びを感じています。

次回へ>>

◇

有田憲一郎

有田憲一郎(ありた・けんいちろう)

1971年東京生まれ。72年脳性麻痺(まひ)と診断される。89年東京都立大泉養護学校高等部卒業。画家はらみちを氏との出会いで絵心を学び、カメラに魅力を感じ独学で写真も始める。タイプアートコンテスト東京都知事賞受賞(83年)、東京都障害者総合美術展写真の部入選(93年)。個展、写真展を仙台や東京などで開催し、2004年にはバングラデシュで障碍(しょうがい)を持つ仲間と共に展示会も開催した。05年に芸術・創作活動の場として「Zinno Art Design」設立。これまでにバングラデシュを4回訪問している。そこでテゼに出会い、最近のテゼ・アジア大会(インド07年・フィリピン10年・韓国13年)には毎回参加している。日本基督教団東北教区センター「エマオ」内の仙台青年学生センターでクラス「共に生きる~オアシス有田~」を担当(10〜14年)。著書に『有田憲一郎バングラデシュ夢紀行』(10年、自主出版)。月刊誌『スピリチュアリティー』(11年9・10月号、一麦出版社)で連載を執筆。15年から東京在住。フェイスブックやブログ「アリタワールド」でもメッセージを発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:バングラデシュテゼ共同体日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)障がい
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