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戦後70年

広島・長崎の被爆70年に思う 環境ジャーナリスト・川名英之

2015年7月8日11時19分 執筆者 : 川名英之
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関連タグ:核兵器川名英之原爆
広島・長崎の被爆70年に思う 環境ジャーナリスト・川名英之+
一瞬で焦土と化した広島の中心部。中央は現在の原爆ドーム。(写真:広島平和記念資料館提供)

人類史上、初めて核兵器が広島と長崎に使われ、恐るべき被害をもたらしてから70年の歳月が流れた。冷戦が終わって4半世紀が過ぎ、核兵器のない安全な世界を希求する人が圧倒的に増えているにもかかわらず、核軍縮が進まず、世界には今、核兵器が約1万6400発もある。核兵器をなくすために核保有国と非核保有国が話し合う核拡散防止条約(NPT)再検討会議(4月27日〜5月22日)は、中東地域の非核化をめぐる意見の対立で決裂した。その上、2014年3月のウクライナ問題の発生以来、米露間の対立は「新冷戦」と呼ばれるほど強まり、核廃絶の道筋は全く見えてこない。

しかし、核廃絶は紛れもなく人類の悲願である。道はどんなに険しくとも、核をなくすという目標の実現に向かって努力しなければならない。私はそう思って、『徹底検証・核の時代70年―原子力のわざわい』(7月末刊、緑風出版)を書いた。ここでは、これを基に核の問題を考えて見たい。

非人道性の極みの原子爆弾

広島・長崎の被爆70年に思う 環境ジャーナリスト・川名英之
上の写真は焦土と化した長崎市爆心地方向一帯の惨状=1945年10月12日~22日頃、山里の丘から林重男氏、写す。(長崎原爆資料館所蔵) 下の写真は、上と同じ方向の現在の風景の写真=2013年10月、筆者、写す。

原爆は非人道的な兵器である。その理由は2つある。1つは被爆者をほとんど全生涯にわたって苦しみ続ける放射能障害の残忍性、2つ目は大量破壊兵器であることである。まず放射能障害の残忍性について見よう。地球上のあらゆる生物のうちで放射線の発がん効果に最も敏感なのが、人間であるといわれている。原爆による放射線は被爆後も種々の臓器にさまざまな健康被害を引き起こし、多くの場合、数十年にわたって被爆者の健康を脅かし続ける。広島の場合、がんの一種ともいわれる白血病は1950年頃から、甲状腺がん、乳がん、肺がんなどは1955年頃から、それぞれ発生率が高くなり始めた。

2発の原爆の炸裂による熱線、爆風、放射線のために死亡した人は被爆から69年後の2014年8月現在、広島29万2325人、長崎16万5409人、合計45万7734人である。原爆投下から4カ月後の1945年12月末の調べでは、両市の死者・行方不明者の合計が約19万6000人だったから、69年間に2・3倍に増えたことになる。

これは原爆による放射線が被爆後も数十年間にわたり、種々の臓器にさまざまな健康被害を引き起こし、被爆者の健康を脅かし続けるためである。たった2発で45万7734人もの人命を奪った原爆。広島原爆の爆発力は、通常爆弾1000個分の爆発力に相当する。このために極めて多くの市民が死ぬ。大量殺戮(さつりく)を使用目的とする原爆は、紛れもなく非人道的な兵器である。

広島・長崎の被爆70年に思う 環境ジャーナリスト・川名英之
左の写真は、広島原爆の被爆者たち(写真:中国新聞社提供) 右の写真は、長崎原爆で被爆した少女(写真:長崎原爆資料館提供)

大量破壊兵器には核兵器、化学兵器、生物兵器の3つがある。このうち生物兵器と化学兵器は、いずれも大量破壊兵器として条約で全面禁止されたのに、この2種類の兵器と比べて桁外れに破壊力の大きい核兵器については禁止する条約がない。あるのは拡散を規制する核兵器拡散防止条約(NPT)と核実験禁止条約だけである。

また、巨大な破壊力・殺傷力を持つ核兵器は国際人道法に違反している。爆撃機が編隊を組んで都市に絨毯(じゅうたん)を敷くように普通爆弾を投下することが、1920年代に国際人道法に違反する行為とされた。だが、この普通爆弾の1000倍も爆発力の大きな原爆投下が国際人道法違反を問われてこなかった。これも不合理である。

被爆者永井隆博士の叫び

広島・長崎の被爆70年に思う 環境ジャーナリスト・川名英之
左の写真は、永井隆博士(写真:永井隆記念館提供) 右の写真は、破壊された浦上天主堂と復興に立ち上がったキリスト教徒たち。エドワード・ロジャーズ氏、写す。(写真:長崎原爆資料館提供)

長崎医科大学助教授だった永井隆博士は、被爆と被爆者治療による被曝(ひばく)が加わって白血病の症状が悪化、1946年7月、長崎駅近くで倒れ、病床に着いた。永井博士は長崎の浦上を焦土と化し、自らの持病である白血病を悪化させた原爆投下に対する強い怒りの気持ちを抱き、二畳一間で2人の子どもと暮らしながら病床で原爆の悲惨さや被爆の半生、自伝などを書き続けた。

こうして『長崎の鐘』『この子を残して』『いとし子よ』などの著作が次々に出版された。永井博士はベストセラー『長崎の鐘』の最後で、戦争と原爆の使用をやめるよう、次のように強い調子で訴えた。それは死の床にある永井博士の心の底から込み上げる叫びであったに違いない。

広島・長崎の被爆70年に思う 環境ジャーナリスト・川名英之
「過ちは繰返しませぬから」と刻まれている広島の原爆死没者慰霊塔の石碑。左端は原爆ドーム。筆者、写す。

「人類よ、戦争を計画してくれるな。原子爆弾というものがあるが故に、戦争は人類の自殺行為にしかならないのだ。原子野に泣く浦上人は世界に向かって叫ぶ、戦争をやめよ。唯(ただ)愛の掟に従って相互に協商せよ。浦上人は灰の中に伏して神に祈る。希(ねが)わくばこの浦上をして世界最後の原子野たらしめ給えと。鐘はまだ鳴っている」

広島の原爆死没者慰霊塔の石碑には、「安らかにお眠り下さい。過ちは繰返しませぬから」という誓いの言葉が刻まれている。この誓いは、広島・長崎市民だけではなく、日本国民の願いだと思う。無念の死を遂げた広島・長崎の被爆者45万7734人の霊を慰めるためにも、核兵器のない安全な世界の建設を目指していかなければならない。日本政府には、戦後70年間守り続けてきた核兵器反対と平和主義を堅持するとともに、核兵器の廃絶を目指して積極的な軍縮外交を展開して行くよう望みたい。(続く:重要な局面を迎える地球温暖化対策)

■ 環境ジャーナリスト・川名英之コラム:(1)(2)(3)(4)

◇

川名英之

川名英之

(かわな・ひでゆき)

環境ジャーナリスト。1935年、千葉県生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒業後、毎日新聞社に入社。63~64年、ウィーン大学へ文部省交換留学。毎日新聞社では、社会部に所属し、主に環境庁・環境問題を担当、編集委員。90年、毎日新聞社を定年退職、環境問題の著述に従事。立教大学法学部、津田塾大学国際関係学科の各非常勤講師。主な著書に、日本の公害・環境問題の歴史をまとめた初の通史『ドキュメント 日本の公害』全13巻(緑風出版、87〜96年)、『世界の環境問題』(全11巻、うち既刊は第10巻まで)(同、2006~14年)、『なぜドイツは脱原発を選んだのか』(合同出版、13年)など。日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団小岩栄光キリスト教会員。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:核兵器川名英之原爆
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