Skip to main content
2025年10月16日18時52分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
愛による全面受容と心の癒やしへの道

愛による全面受容と心の癒やしへの道(63) 峯野龍弘牧師

2014年7月31日13時53分 コラムニスト : 峯野龍弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:峯野龍弘

第5章 心傷つき病む子どもたちの癒やしへの道
Ⅲ. アガペーによる全面受容の癒やしへの道
2)アガペーによる全面受容の癒やしが成されるための具体的な道
■ 癒やしへの具体的な道
⑤ “生産的積極的肯定”こそ受容の後押し

さて、かくして断固たる覚悟と決断をもって「アガぺーによる全面受容」に踏み切られたあなたに、更にして頂きたいことがあります。それは“生産的積極的肯定”と言うことです。

とかく心傷つき病んだウルトラ良い子たちは、考え方や身の振り方が消極的、否定的になりがちです。心も体も共に引きこもりがちになり、物事の判断や行動の選択などが不明解となり、鬱々・悶々とした日々を過ごしてしまっています。一見外交的で、かつ多動的に見える子どもであってさえも、その実、物事の判断や行動の選択においては依然として不明解であり、よろず自分の考えや行動に自信や確信が持てず、不安な日々を過ごしてしまっているのです。皮肉なことに、こうした彼らは意外なほど他人の言動には鋭敏に反応し、手厳しいほどの批判的、否定的、更には攻撃的な速断をくだし、相手を裁いてしまうのです。しかも、その判断はしばしば極端に一面的に偏し、大局的ではないまでも、かなり一理ある鋭い指摘であったりいたします。

そこでこうした彼らに対してお互いはどのように対応したら良いのでしょうか。それが“生産的積極的肯定”です。

ではこの“生産的積極的肯定”とは、どのようなことを意味しているのでしょうか。それはとかく何事についても消極的、否定的になり易い彼らに、慰めと励まし、希望と勇気、夢と展望、安息と生きがい等を促進させる言葉かけと優しい思いやり持った心で、何事についても生産的意味づけを見出しながら積極的にかかわり、決して彼らの考え方や言動を否定せず、万事肯定的に対応し、受容して行くことを意味しています。

しかし、こうすることは決して単に相手に迎合したり、相手の言いなりになったりすることではありません。ましておや相手の悪しき言動や罪そのものを肯定したり、容認することではありません。一見それを肯定したり、容認しているかに思われますが、決してそうではなく、彼らが他者を厳しく批判したり、否定したりすることがありながらも、自らは他者から批判されたり、否定されたり、のみならず命令されたり、奨励されたり、禁止されることを極端なまでに恐れ、忌み嫌い、傷つき易い小心な者たちなのです。

ここで是非知っておいてほしいことは、彼らがしばしば他者を厳しく批判したり、時には激しい言動に出たりすることは、決して彼らがそのような態度を取れるほど健常であったり、心にゆとりがあったからではないのです。それはまったく正反対であって、実は自らが批判されたり、否定されたりすることを恐れ、また自らが相手に対して何らかの不安や緊張、時には不満を抱いているような場合に、ほぼ発作的に相手を批判し、否定し、裁き、攻撃することによって仮想的自己防衛を図ろうとする哀れなカモフラージュ的異常心理、異常動作なのです。ですからこうした彼らの言動を批難したり、否定したりしようものなら、彼らはますますその不安と緊張、更に恐怖感を高められ、いよいよ激しい暴挙に彼らを駆り立ててしまうことになる以外ではないのです。まさに「火に油を注ぐ」ことになるのです。

そこでこのような事態を引き起こさないためにも、何よりも彼らのこのような病める異常心理、異常行動から彼らを癒すためにも、彼らの言動を一切批判せず、否定せず、ただひたすら生産的・積極的肯定をもって吸収・緩和してあげることが決定的に必要なのです。そのとき、彼らはその心の中に湧き起っていた不安や緊張、そして恐怖や不満から解放され、彼らの心に平安を取り戻し、安息することができるのです。そしてのみならず彼らの心に安息を取り戻すとき、本来彼らの内に宿っているウルトラ良い子の感性が健常に反応し始め、彼らは自らが為した悪しき言動について気づき、反省し、自己修復をし始めるのです。何と素晴らしいことでしょう!

あるとき、一人の心傷つき病んでいたウルトラ良い子の青年が、父親の車を無免許で運転しようとしていました。彼は過去にも何度か父親の厳重な忠告にも拘わらず、父親の出勤中に父親の車を無免許で乗り回していました。

丁度その日も彼は近くのスーパーに買い物に行くというので父親の車に乗ろうとしていました。そこで彼は母親に言いました。「スーパーに行くからお前もついてこい!」と。母親は一瞬どうすべきか躊躇しましたが、直ちにこう言いました。「わかったわ!一緒に行くわよ。もし途中で事故でも起こした場合は、お母さんが全責任を負うから心配しないで連れて行ってね!」と。

これは彼にとっては、想定外の意表を突くような驚きの言葉であって、当然拒絶され、否定され、散々文句を言われるに違いないと思っていた母親から、意外にもこのような積極的に踏み込んだ肯定的応答を耳にした彼は、すっかり驚き、かつ感動もし、しばらくしたら「もういいや、俺一人で行くから!」と言って、何と自動車にも乗らず一人で歩いてスーパーに出かけて行ったと言うのです。

これこそがアガペーによる全面受容の典型的な癒やし効果の一例であって、かつ生産的・積極的肯定による愛の全面受容の逆説的妙法なのです。これはあくまでも悪しきことを容認したり、肯定したりしたのではなく、一見容認・肯定したかに見えるほどまでに積極的に相手の懐に飛び込んで愛の全面受容することによって、生産的実りを引き出そうとしてなされた肯定的愛の営みだったのです。

こうした意表を突いた逆説的対応によって、病みかつ傷ついているウルトラ良い子の心の深奥に宿っている本来の純粋感性を呼び覚ますことができ、彼らの心に湧き起っている不安や緊張、恐れや不満を緩和したり、解消したりすることができるのです。こうしたことが可能なのも、もとより彼らがウルトラ良い子だったからです。そしてこの“生産的積極的肯定”は、既に彼らに注がれていたアガペーによる全面受容が、いかに真実なものであり、本気であるのかを裏づけし、それを後押しする、より効果ある愛の手法であるのです。

果たしてよくご理解いただけたでしょうか。これは極めて大切、かつ有効な癒やしの手法なのです。(続く)

◇

峯野龍弘

峯野龍弘

(みねの・たつひろ)

1939年横浜市に生れる。日本大学法学部、東京聖書学校卒業後、65年~68年日本基督教団桜ヶ丘教会で牧会、68年淀橋教会に就任、72年より同教会主任牧師をつとめて現在に至る。また、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会および同教会の各地ブランチ教会を司る主管牧師でもある。

この間、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン総裁(現名誉会長)、東京大聖書展実務委員長、日本福音同盟(JEA)理事長等を歴任。現在、日本ケズィック・コンベンション中央委員長、日本プロテスタント宣教150周年実行委員長などの任にある。名誉神学博士(米国アズベリー神学校、韓国トーチ・トリニティー神学大学)。

主な著書に、自伝「愛ひとすじに」(いのちのことば社)、「聖なる生涯を慕い求めて―ケズィックとその精神―」(教文館)、「真のキリスト者への道」(いのちのことば社)など。

■ 峯野龍弘のアガペーブログ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:峯野龍弘
  • ツイート

関連記事

  • 愛による全面受容と心の癒やしへの道(62) 峯野龍弘牧師

  • 愛による全面受容と心の癒やしへの道(61) 峯野龍弘牧師

  • 愛による全面受容と心の癒やしへの道(60) 峯野龍弘牧師

  • 愛による全面受容と心の癒やしへの道(59) 峯野龍弘牧師

  • 愛による全面受容と心の癒やしへの道(58) 峯野龍弘牧師

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 花嫁(35)古い人を脱ぎ捨てて 星野ひかり

  • イスラエルとハマスが和平合意、生存人質20人全員解放 キリスト教界から歓迎の声

  • 「アジア太平洋伝道会議」2027年に開催決定 50カ国・地域から2500人が参加へ

  • 都合の悪いお言葉(その1) マルコ福音書10章1~12節

  • 栄光への脱出の道 穂森幸一

  • ワールドミッションレポート(10月16日):タイ 傷と裏切りからの癒やし アドゥルの証し

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(5)妥協せず、信仰を働かせる 加治太郎

  • シリア語の世界(34)ウルファ(トルコ南東部)の洪水について(1) 川口一彦

  • グラミー賞受賞のクリスチャンソングライター、飛行機事故で死亡

  • ビリー・グラハム伝道協会とサマリタンズ・パース、福音主義財務責任協議会を脱退

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • イスラエルとハマスが和平合意、生存人質20人全員解放 キリスト教界から歓迎の声

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 加速する聖書翻訳、3日に1つのペースで新しい言語訳の聖書が誕生

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • マルコの証言を通してイエスと出会う90分 「マルコドラマ」日本で初上演

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 中国東部で教会活動に対する大規模取り締まり、キリスト教徒70人以上拘束

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.