愛による全面受容と心の癒やしへの道(53) 峯野龍弘牧師

2014年2月7日20時31分 コラムニスト : 峯野龍弘 印刷
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第4章 心病む子供たちの心の傷付くプロセスと諸症状
Ⅲ. 非受容と抑圧の果てのウルトラ良い子の諸症状

さて、かかるプロセスを経て遂にウルトラ良い子たちの中に、様々な病める症状が惹き起こされてまいります。先ずそれが彼らの内面に起こります。そして遂にはそれが外面にまで現れ、他者をも悩ますに至ります。これらについて以下に要約して記しておきましょう。

A. 内面的な諸症状

①自尊心が傷つけられ、自己の尊厳性を喪失する。
誠に憐れなことに彼らは、上記のようなプロセスを経て何よりも先ず自尊心が傷つけられ、自分はだめな人間、役立たない存在、人から喜ばれない、嫌われている存在のように思いこみ、自己を卑下し、自己の尊厳性を見失ってしまうのです。

②天与の特性が発揮されず剥奪状態が起こる。
自己の内に存在していた天与の特性は、一向に受容され評価されることのないまま、長い間放置され続けて来るうちに、遂にはあたかも剥奪されてしまったが如き状況を惹き起こしてしまうのです。

③自らの存在意義が見失われ、無価値感が造成される。
かくする内に自らが生きている意味がなく、存在している価値が全くないかの如く思われて来てしまうのです。

④自己の存在感が喪失し、得体の知れない不安と恐怖に追い込まれる。
こうなると何故自分が生きていなければならないのかが分からなくなり、得体の知れない不安と恐怖が自らの内に湧き起こって来て、彼ら自身を大いに悩ますことになるのです。

⑤自らの存在していることに罪悪感さえ抱くようになる。
のみならずこれまた誠に憐れなことに、彼ら自身は何一つ悪いことなどしていないにも関わらず、自らが存在していることに罪悪感さえ感じるようになってしまうのです。何と不幸せなことでしょう。

B. 外面的諸症状

そこで、ここまで追い込まれて来てしまったウルトラ良い子たちは、遂に以下のような諸々の病める症状を呈するようになってしまうのです。

①自己の存在感を模索して自己防衛的異常心理と異常行動に出る。
憐れ、彼らは自らの存在感が失われ、得体の知れない不安と恐怖に襲われながら、「溺れる者は藁をも掴む」の諺のように、何とかして自己の生きているという確証若しくは実感を掴み取りたいばっかりに、自己防衛的、自己保全的に他人から見て異常と思われることを思い立ち、それを実行してしまうのです。

例えば、自分より弱い者をいじめることによって、自己の優位であることを確認し、それをもって他者にではなく、何と自分自身に対して「お前は存在している」、「お前は強い人間だ」とエールを送っているのです。これはまさしく哀れな自衛行為であって、自己の存在感確認行為なのです。つまり弱者への攻撃によって自己の存在感を自己検証しようとする誠に憐れな屈折した異常心理、異常行動なのです。これは他者から見れば明らかに彼らの異常心理、異常行動であって、彼らが加害者のように見えるわけですが、しかし、その実体は元をただせばかかる異常心理、異常行動のすべては、彼らが過去に受けて来た極度の抑圧の結果であって、彼らこそ被害者であったわけです。何と哀れなことでしょう。

②かくして更にその異常心理、異常行動は以下のような諸症状を惹き起こすのです。
例えば、概して内向的な子供たちは、不登校、引きこもり、摂食障害(過食と拒食)、リストカット、家庭内暴力(器物破壊、動物虐待、人身攻撃)、各種依存症(アルコール依存、薬物依存、性的依存、金銭依存、遊戯依存等)、屈折した病的自己保全と自己顕示、自殺等になり易く、また外向的な子供はいじめ、夜遊び、万引き、校内暴力、様々な非行や犯罪等に陥り易いのです。(続く)

峯野龍弘(みねの・たつひろ)

1939年横浜市に生れる。日本大学法学部、東京聖書学校卒業後、65年~68年日本基督教団桜ヶ丘教会で牧会、68年淀橋教会に就任、72年より同教会主任牧師をつとめて現在に至る。また、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会および同教会の各地ブランチ教会を司る主管牧師でもある。

この間、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン総裁(現名誉会長)、東京大聖書展実務委員長、日本福音同盟(JEA)理事長等を歴任。現在、日本ケズィック・コンベンション中央委員長、日本プロテスタント宣教150周年実行委員長などの任にある。名誉神学博士(米国アズベリー神学校、韓国トーチ・トリニティー神学大学)。

主な著書に、自伝「愛ひとすじに」(いのちのことば社)、「聖なる生涯を慕い求めて―ケズィックとその精神―」(教文館)、「真のキリスト者への道」(いのちのことば社)など。

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