英国で著名な動物学者のナレーターで進化論者のデイビッド・アッテンボロー氏(85)は1月29日の日曜日に放送された英BBC番組内で、同氏は現在不可知論者であり、神に信仰を置く生き方は、進化論と矛盾しないとの見解を伝えた。1月30日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
アッテンボロー氏は世界中を旅していることで知られており、BBCラジオの70周年記念番組「砂漠の島のデスク」で、ラジオ番組ホストのカースティ・ユング氏がアテンボラ氏に対し、世界中を旅行し続けてきたことが神を信じる信仰につながった、あるいは主に近いところへあなたを導いたのかと聞いたところ、「40億年の生命の歴史を受け入れることと超越者が存在することを信じることは矛盾するものであるとも思っていません。今私は自分が無神論者ではないと言い切れるまでの自信はありませんが、むしろ私は『不可知論者』であるという立場をとりたいと思っています」と述べた。
全米無神論者団体代表のデービッド・シルバーマン氏は、アッテンボロー氏が自身を不可知論者と宣言したことは、無神論の団体にとって不利益ではないとし、米CPに対し「彼は神が存在するかもしれないと言っているわけではないでしょう。彼が言っていることは、神を信じている人々が、進化論の科学的な事実も同時に信じることができるということでしょう。そういうことはカトリック教会からも聞いています。彼は神はいないとは言っていませんが、だからといって神を信じるとも言っていないのです」と述べている。
アッテンボロー氏はこれまでBBCで放映してきた自然について放映してきた「ライフ」のナレーションを行ってきた活動を通じて、神を信じることと進化論を信じることは互いに相反する考えではないことを悟るようになったという。
一方無神論者のシルバーマン氏は「多くの有神論者は進化論の理論を信じておりますし、進化論を信じることが、宗教的な信仰と矛盾すると考えるべきではないと思います。神を信じ、進化論を信じるという事は可能だと思います。数学を信じ、神を信じることも可能でしょう。進化論は科学的に解明可能な事実を述べているだけです。これは思想や意見の問題ではありません」と述べている。
シルバーマン氏はアッテンボロー氏のコメントについて、「不可知論は無神論に突入する第1段階である」という不可知論と無神論に対する共通の誤解をさし示すものであると指摘し、無神論と不可知論の考えは互いに関連しているものの、究極的には相容れないものであると述べた。
英進化生物学者のリチャード・ドーキンス氏もアッテンボロー氏と同様の見解を示しており、すべての証拠がそろうまで神に関する言及は避けたいとの姿勢を示している。ドーキンス氏は「神は存在するかもしれないし、しないかもしれない。これは科学的な問題である。もし神が存在するのであれば、宇宙が存在し、その法則が発見可能な法則として見出されるように、神自身がその姿を表し、神自身が自身の存在について証しし得るものではないか」と述べている。
シルバーマン氏もドーキンス氏と同様の見解を示しており、神を信じるには「神が物理的に存在するという証明が必要であり、もし神がその姿をサンタクロースが私の前に現れたかのように私の前に姿を現すなら、私はこれ以上無神論者のままではいないでしょう」と述べている。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
世界福音同盟、新総主事にアラブ系イスラエル人弁護士を選出
-
福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進
-
ワールドミッションレポート(8月18日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(2)
-
シリア語の世界(30)シリア語新約聖書の和訳(1)マタイ福音書からテサロニケ人への手紙第二まで 川口一彦
-
ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に
-
主は生きておられる(240)黒い雨 平林けい子
-
聖書のイエス(15)「わたしだ。恐れることはない」 さとうまさこ
-
いのちの書に名を記される幸い 万代栄嗣
-
米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念
-
キリストの心と思いが与えられている恵み(1)思い煩いを主に委ねる 加治太郎
-
米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念
-
福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進
-
新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版
-
嫌いと無関心 菅野直基
-
N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025
-
シリア語の世界(30)シリア語新約聖書の和訳(1)マタイ福音書からテサロニケ人への手紙第二まで 川口一彦
-
ワールドミッションレポート(8月17日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(1)
-
いのちの書に名を記される幸い 万代栄嗣
-
主は生きておられる(240)黒い雨 平林けい子
-
世界福音同盟、新総主事にアラブ系イスラエル人弁護士を選出
-
根田祥一氏の敗訴確定、最高裁が上告棄却 本紙に対する名誉毀損で賠償命令
-
新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版
-
キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所
-
「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司
-
日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも
-
日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及
-
コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に
-
N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025
-
ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に