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新井奥邃と野の教育(2)

2011年12月13日08時55分
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(6) 一高不敬事件・教育と宗教の衝突論争

 内村鑑三の不敬事件(1891・明治24年1月9日)は、官の教育ゆえに生じた事件であった。第一高等中学校らしく天皇の親書による教育勅語に対する礼が不十分だとして、一高の学生がまず火の手をあげた。インブリー事件(明治23年5月17日)を見ても当時の一高生の気質が分かるし、内村の家の玄関に小便をして帰ったことを「一高だましいの如実のあらわれ」と自慢する者さえいた。官の教育の見事?な成果であろう。この事件によって1891・明治24年6月17日「小学校祝日大祭日儀式規程」が制定される。これにより紀元節、天長節などの祭日に天皇皇后の「御影」に最敬礼し、教育勅語を学校長もしくは教員が奉読し、うやうやしく児童は聞くという光景が出現した。

 教育と宗教の衝突の論争で井上哲次郎のあげた論点は官の教育の本質をよく表している。4つに分けて紹介する。1.勅語は国家主義、国家中心の道徳であるが、キリスト教は非国家主義である。2.勅語は現世的で国家の改造進歩をめざすものであるが、キリスト教は出世間的でそれを妨害する。3.勅語の博愛は人間関係における深疎、遠近等の別をわきまえた「差別的愛」であるが、キリスト教は自分の親も他者も同様に愛せという「無差別の愛」である。4.勅語は忠孝を説くが、キリスト教はそれを説かない。

 奥邃の教育は国家主義ではない。個人主義だがそれだけではない。宗教を重視するが、現世的を否定するわけではない。差別的愛ではない。忠孝を直接説かないが、より広い視野のなかで位置づける。野の教育にも共通するところ大ではなかろうか。

2.野の教育

 奥邃における野の教育は、官の教育を補完するものでも下請け的なものでもない。官の教育を相対化し超越するところに成り、それ自体意味をもつ。「官の教育」の「淵源」は皇室・天皇にある。その天皇を奥邃は相対化する。

 奥邃の帰国した明治32年から日露戦争終了時の明治38年にかけては天皇制というナショナリズムが高揚した時代であった。その頃、久しくアメリカに居た某氏が一日奥邃を訪問した。某氏は言った「天皇は神聖にして侵すべからずなどと云ふのが余りに馬鹿げて居るではありませんか」これに対し奥邃は次のように答えている。

 侵すべからずと云ふのは啻(ただ)に天皇ばかりではありますまい、人は皆神聖にして侵すべからざるものです。

 筆者はこの言葉を「野の教育」の「淵源」としたい。

 この言葉に出会ったとき、「ヨハネの福音書」の第8章を思い起こした。姦淫を犯した女をファリサイ派の人々がイエスの前に突き出して問いかける。この女をどうしますかと。イエスを試して訴える口実を得るためであった。そのとき、イエスは次のように答えている。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」

 この言葉は律法に反していない。律法に反せばイエスとて命はない。ファリサイ人はそれがねらいであった。また一方、福音にも反していない。律法に反しないで、律法を超えている。神の子イエスにしてはじめて可能となることではあるが。

 一方、奥邃も天皇制に反してはいない。天皇の神聖で侵すべからざることを認めている。それでいながら天皇制を相対化し、根こぎにするインパクトを有している。

 奥邃は徹底した平等主義者であった。男女平等を説き、たとえば「良夫賢父」があってもいいではないかと単なる良妻賢母思想を批判する。これは奥邃の「父母神」信仰が根底にあるものと考える。

 子どもに対しても平等主義は発揮される。弟子の原田嘉次郎が妻を亡くし、その長女の春子が父と離れ親類の家で暮らさなければならなくなったとき、奥

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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