ナイジェリアのキリスト教徒らは、同国イスラム教軍事組織による攻撃により教会を閉鎖し、生命を守るために国外脱出せざるを得ない状況に追い込まれている。
英国を拠点とするキリスト教救援団体クリスチャン・エイド・ミッション(CAM)によると、千人以上のキリスト教徒がナイジェリア首都アブジャの自宅を去り、同国東部の州タラバ州州都のジャリンゴに向けて避難中であるという。
同都市では避難中のキリスト教徒のための避難所も設けられており、数百人ものキリスト教徒が攻撃を避けるために中学校校舎の中に隠れている状態にあるという。CAMによるとナイジェリア国内の部族対立がキリスト教徒迫害、同国政情不安の原因になっているとみられるという。もともとは部族対立が原因であったのに対し、同国イスラム教軍事組織「ボコ・ハラム」が民衆の不満をキリスト教徒の方向へ反らす活動を行うようになったという。同組織はナイジェリアの法律としてイスラム教の教義・思想であるシャリア法を適用させることを目指しており、そのために過去数か月間主たる抵抗勢力となるキリスト教徒を迫害してきた。
同国首都アブジャ北部に位置する福音主義キリスト教会では、祈祷会を行っていた最中に爆弾が投げ込まれたという。不幸中の幸いにも、爆弾によって教会の外壁が壊されただけであったという。その前日には同国西部の州ナイジャ州スレジャのオール・クリスチャン・フェローシップ・ミッションの委員会において同様の爆弾攻撃が生じ、少なくとも3人が死亡、他3人が負傷した。
このような迫害により、ナイジェリア諸教会指導者らは、教会を閉鎖せざるをえなくなる状態に追いやられる一方、一部教会では賛美・礼拝時間を変更することでイスラム教過激派の攻撃を避けながら教会礼拝・賛美活動を何とか守ろうとしている状態であるという。
ナイジェリア使徒教会のある牧師はナイジェリア紙「コンパス」に対し「おわかりの様に、この都市はもはや安全ではなく、全ての教会指導者たちは安全のために適切な処置を取っていかなければなりません。私たちは通常の礼拝時間よりも1時間30分早めに礼拝を捧げる決断をしました。そうすることで信徒たちが攻撃を受ける前に自宅に帰ることができるようになるからです」と述べている。
イスラム教過激派軍事組織「ボコ・ハラム」は少なくとも十数の教会での礼拝を迫害してきたという。英BBCによると、6月7日には50人の信徒が集うカトリック教会である聖パトリック教会が礼拝時間中に同組織によって攻撃され、少なくとも3人が死亡したという。同組織はインターネット上で「ソマリアでの特別軍事訓練完了後、さらなる攻撃が待ち構えているだろう」と予告している。
同国教会指導者たちは、同組織がナイジェリア政府にシャリア法を適用させるための活動を高めているとして、ナイジェリア治安当局へさらなる警戒体制を取るように求めている。
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