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イエス伝

「イエス伝」(49)・・・ヨハネ 平野耕一

2010年10月20日10時23分
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関連タグ:平野耕一

ヨハネ

ヨハネは漁夫だった。ガリラヤ湖の多くの漁夫は土地を持たないために農業をすることができず、仕方がなく漁夫になったようだ。ほとんどの漁夫は生活の安定しない独身男であった。

彼はすべてを捨ててイエスに従ったのだが、もともと捨てる物と言っても決して多くのものを持っていたわけではなかった。

ヤコブとヨハネ兄弟に、イエスは「ボアネルゲ」(雷の子)というニックネームを付けたが、よほど怒りっぽく激しい性格だったのだろう。

ある日、イエスの教えを受け入れないサマリヤの町に、「私たちが天から火を呼び下して、彼らを焼き滅びしましょうか」と言って、イエスを驚かせたことがある。ボアネルゲがぴったりの性格だった。

このヨハネが福音書を書いたのだが、そこに復活のキリストがペテロに現れ、ゆるす物語が詳しく書かれているのだ。ヨハネが伝えたかったことは何だろうか。

1. ペテロの3度の裏切りは完全にゆるされた。

2. イエスとペテロの愛の関係は継続する。

3. ペテロは使徒としての立場に復帰させられた。

イエスが伝えたゆるしは徹底していた。この後、ペテロは伝道者としてローマで殉教の死を遂げるまで大活躍したのだが、愛の力が彼に使徒職に再びチャレンジする希望を与えたのだ。

ヨハネは福音書の中で自分を「もう一人の弟子」と呼んでいるが、それはなぜなのだろうか。ヨハネ18章15節にはペテロが大祭司の中庭に入ることができなかったことが記されている。「しかし、ペテロは外の門のところに立っていた。それで、大祭司の知り合いである『もうひとりの弟子』が出てきて、門番の女に話して、ペテロを連れて入った」

他の三福音書に書かれていないできごとを、なぜヨハネは記したのだろうか。それは、ペテロだけではなく自分も裏切った「もうひとりの弟子」であることを伝えたかったからだ。また、ゆるしを体験したのはペテロだけではなく「もうひとりの弟子」の自分もゆるし経験をしたことを暗に示唆したのだ。

また、ヨハネは自分を「主に愛された弟子」とも表現しているが、これは、ヨハネの実感であるとともに、彼と主との関係の中核が「愛」にあったことを示している。彼は最年少であったために、イエスのそばに座ることが慣習として許されていたからだ。

最後の晩餐で「弟子のひとりで、『イエスが愛しておられた者』が、イエスの右側で席に着いていた」(13:23)と書いてある通りであるが、新改訳聖書の注を見ると、直訳すれば「御胸のそばでからだを横にしていた」のだ。また、口語訳では「御胸近くにすわっていたもうひとりの弟子」、英訳では「頭をイエスの胸にもたげていた」と訳されている。ヨハネは、自分はイエスの心臓の鼓動を聞いた者であり、その鼓動は愛だった、と言っているのだ。ヨハネは誰よりも近くで、また親しくイエスを観察しました。

「もうひとりの弟子」と「主に愛された弟子」という二つの呼び名の中に、ヨハネはその中心的メッセージを隠したのだ。

ヨハネは、なぜ他の三つの福音書よりも30年以上も遅れて出版したのだろうか。それは、マタイ、マルコ、ルカ福音書ではイエスが十分に表現されていないと感じていたからに違いない。それらの福音書の真実性と重要性を認めながらも、ヨハネ自身が体験し把握したイエスを描かざるを得なかったのだと私は考える。

ヨハネは福音の中核を愛としてはっきり見た人なのだ。「ボアネルゲ」は愛の人に変貌する。私たちが「愛」についてもっている聖書知識のほとんどは、ヨハネの言葉からなのだから。

まず、ヨハネの言葉そのものを読んで欲しい。そのすごさに驚き感動していただきたいからだ。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは、御子を信じる者がひとりとして滅びることがなく、永遠のいのちをもつためである」

「世にいる自分のものを愛されたイエスは、その愛を残るところなく示された」

「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」

「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛しました。わたしの愛の中にとどまりなさい」

「人が友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれももっていません」

「兄弟を愛する者は、光の中にとどまり、つまずくことがありません」

「私たちは、自分が死からいのちに移ったことを知っています。それは、兄弟を愛しているからです」

「キリストは、私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになりました。それによって私たちに愛がわかったのです」

「愛は神から出ているのです。愛のある者はみな神から生まれ神を知っています」

「愛のない者に、神はわかりません。なぜなら、神は愛だからです」

「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです」

「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです」

「愛する者たち、神がこれほどまでに、私たちを愛してくださったのなら、私たちも互いに愛し合うべきです」

「私たちは、私たちに対する神の愛を知り、また、信じています。神は愛です」

「愛には恐れがありません。全き愛は恐れを締め出します」

「私たちは愛しています。神がまず私たちを愛してくださったからです」

「初めの愛に戻りなさい」

これらの言葉は、すべてクリスチャンの福音と信仰理解に大きな影響を与えている。これらの言葉なしに、父なる神もイエスも福音も十分に理解することはできなかっただろう。彼の言葉によって何が明らかになったか。

1. 神の本質は愛だ。「神は愛です」と、ズバッと言い切ったのはヨハネだけだ。

2. 神は愛のゆえに、ご自分の御子を世に遣わされた。「実に、神はひとり子をお与えになるほど世を愛された」のだ。

3. 愛はいのちを与える。「信じる者がひとりも滅びないで永遠のいのちを持つため」だった。また、「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって、いのちを得させてくださった。ここに、神の愛が私たちに示された」

4. 愛はゆるしを与える。「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです」

5. キリストは自らいのちを捧げた。「キリストは、私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになりました。それによって私たちに愛がわかった」また、イエスは「わたしはよい牧者。良い羊飼いは羊のためにいのちを捨てる」と言い、「だれも、わたしからいのちをとった者はいません。わたしが自分からいのちを捨てるのだ」と加えた。

6. イエスは世の罪人のためだけでなく、友のためにいのちを捨てた。「人が友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はない」究極的な愛、最大の愛は罪人のためにではなく、「友のためにいのちを捨てる」ことだ。次の言葉は、友に向かって語られた言葉だ。「世にいる自分のものを愛されたイエスは、その愛を残るところなく示された」「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛しました。わたしの愛の中にとどまりなさい」残ることなく示された愛、相互にとどまり続ける愛は親しい友のために与えられるものなのだ。

7. 愛は恐れを締め出す力をもっている。米国の精神科医がよく使う英語の表現は「LOVE MEANS TO LET FEAR GO」だが、愛は恐れを去らせる、という意味だ。肉体的にも精神的にも弱さを知っている私たちは、恐れにさいなまれているのだが、しかし、完全な神の愛で満たされると、心の中に恐れの居場所はなくなるのだ。愛は恐れを締め出すという強さを持っている。旧約聖書は「愛は死よりも強い」と教えている通りだ。

8. ヨハネはその福音書の中でも、教会に送った手紙の中でも「互いに愛し合いなさい」を繰り返している。なぜならこの世は、信仰者が互いに愛し合うことによって、主の弟子であることを知るようになるからなのだ。ヨハネは、愛し合うことこそ最高の伝道なのだ、と教えた。

9. 愛は信仰者に悔い改めを促す。「初めの愛にもどりなさい」なんと優しい悔い改めへの促しだろうか。罪に対して激しい怒りを持って悔い改めを迫ったのはバプテスマのヨハネだったが、このヨハネは、悔い改めは新鮮な気持ちで神の愛に戻ることだというのである。

トマス

イエスが弟子たちのところに来てその姿を見せたときに、トマスはその場に居合わせなかった。仲間たちが「私たちは主を見た」と言ったのに、喜ぶどころか「私はその手に釘の跡を見、また私の手をそのわきに差し入れてみなければ、決して信じません」と言ったのだ。

彼が疑い深かったのではなく、深く傷ついていたからである。彼は、あるとき「死んでもよいから、イエスに従おう」と言ったことがあるが、そのイエスが十字架刑を受けて死んだこと、また自分が逃げてしまったことで深く絶望していたのである。

しかし、イエスはトマスに現れ、「あなたの指をつけて、わたしの手を見なさい。手を伸ばして、わたしのわきに入れなさい。信じる者になりなさい」と語ると、トマスはすぐに「私の主。私の神」と告白したが、彼も息を吹き返し、弟子としてやり直すことができたのだ。

復活のイエスは死んだような弟子たちを再生させたのだ。弟子たちの再生物語はさらに続く。エマオ途上でイエスに出会った二人の弟子たちや女たち、500人以上の人々が復活のキリストを目撃して再生経験をし、希望にあふれたのだ。

イエスは四十日間地上にとどまり、ご自分が生きていることを弟子たちに明らかにされた後で、弟子たち二つのメッセージを残して天に引き上げられた。

まずは、全世界に出て行ってすべての国民に復活のメッセージを伝えよ、であった。

次はエルサレムを離れないで、天から聖霊が下るのを待て、聖霊があなた方に臨むなら力を受けて地の果てまで復活の証人になる、であった。

弟子たちは至る所に出て行って福音を宣ベ伝えると、聖霊が働いて不思議なしるしも現れて、宣教は力強く前進した。

イスラエル国土は四国と同じほどのサイズである。ガリラヤは農夫と漁夫の田舎の州であり、ナザレは人口300人の村落であった。

「ナザレから何のよきものが出るか」それが出たのである。彼の誕生は世界史を二分したのだが誕生前はBCそして誕生後をADと呼ぶまでになった。2000年経った今でも人類史の中で最も有名であり、信奉者は世界中におり、また後を絶つことはない。

彼の名はイエスであった。

◇

平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:平野耕一
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