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イエス伝

「イエス伝」(45)・・・ゲッセマネの園 平野耕一牧師

2010年9月22日09時59分
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関連タグ:平野耕一

イエスの一行が向かう方場所はオリーブ山にある園で、ゲッセマネ(「油絞り」の意)と呼ばれていた。山の西側斜面はケデロンの谷と呼ばれる崖になっていて、その向こう側にはエルサレムの都があったが、イエスは祈るために、度々ゲッセマネの園を訪れていた。

イエスにとって決断の時であった。十字架を選ぶか、回避するかの最終決定の場所がこのゲッセマネの園で、ポイント・オブ・ノーリターン(後戻り不可能な地点)とはこのような状況を指すのだろう。この時点では、エルサレムに背を向けて故郷ガリラヤに帰ることは可能でも容易でもあった。

今なら迫害も苦しみも十字架もキャンセルできたのだが、しかし、ゲッセマネの後ではブレーキを失った列車が下り坂を転がり落ちるように十字架へと向かうことになる。決断の時は、祈りの時でもあった。イエスは弟子たちに「わたしは悲しみのあまり死ぬほどだ」と言われ、地面にひれ伏して3回にわたって、3時間祈ったのだ。

「わが父よ。できるならば、この杯をわたしから過ぎ去らせてください」

3時間の祈りの中で、イエスはこのことばをくり返したと、私は思う。2時間55分は「過ぎ去らせてください」であったろう。

考えてください。自分の生身のからだに太い杭のような釘が打ち込まれるのだが、想像するだけでもからだが痛み、苦しみに覆われたであろう。その心は恐怖でからだが震えたに違いない。

どんなに神を愛し、服従を誓い、覚悟ができていても、この十字架という杯は避けたかったのだ。

「できますならば」とは、全人類の罪のあがないが十字架なしでもできるなら、という意味だ。もし他の方法があるのなら、他の方法に変えてほしかったったのだ。しかし、祈っても、祈っても、神は沈黙している。

沈黙そのものが神の答えであった。「イエスよ。その答えはお前がわかっているはずだ。十字架以外に道があると思っているのか」

祈りの声が闇の空に消え去ってしまう。どんなに訴え泣き叫んでも答えようとしない神に「しかし、わたしの願うようにではなく、あなたのみこころのように、なさってください」イエスは最終的に十字架を選ぶ。

「あなたが神の子なら、この石がパンになるように、命じなさい」メシヤ活動を始める前に、ユダの荒野に影のように現われイエスにささやきかけたサタンの誘惑は十字架を回避させようとしたが、サタンは十字架なしに救いはないことを承知だったのだ。

サタンはイエス誕生の当初から、十字架を取り除くために攻撃を仕掛けていた。

1. イエスが誕生した時、ヘロデ大王はメシヤ(救い主)誕生を恐れ、ベツレヘムに生まれた2歳以下の男子を皆殺しにしたが、ヘロデの殺害計画の背後には、サタンの働きがあった。

2. イエスが洗礼を受けて伝道を開始する直前の誘惑の焦点は、常に十字架回避にあり、魔術師のような奇跡を行って人々の人気を勝ち取れと誘った。

3. イエスは弟子ペテロに向かって「下がれ。サタン。あなたはわたしの邪魔をするものだ。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている」と叱ったことがある。十字架につくと予告をした時、ペテロが「そんなことが、あなたに起こるはずがありません」とイエスをいさめたからだ。十字架を否定するペテロのことばの背後にイエスはサタンの働きを見抜きました。ペテロのことばにギクッと身震いしたのは、十字架回避がイエス自身の願いでもあったからだ。

ゲッセマネには二つの側面がある。一つは自分との戦いでした。「十字架を避けたい」という自分の気持ちを優先するか、天の父のみこころを選んで十字架に向かうか。もう一つはサタンとの戦いで、十字架を回避させる最後のチャンスであることは、サタンも承知していた。

十字架を選ぶ決断をしたイエスはサタンに勝利したのだ。人類の始祖アダムが神に反逆して罪を犯したときに語られた預言「彼(イエス)は、おまえ(サタン)の頭を踏み砕く」ために大きく前進した。

十字架において、この預言が実現した。十字架にかけられ敗北したように見えるイエスは、サタンの「頭を踏み砕」いているのだ。

イエスが祈りによって最後の決着をつけたすぐ後で、イエスが十字架刑になるとは予測していなかったユダは銀貨30枚でイエスを売り、兵士と祭司長たちをゲッセマネの園へと先導し、イエスにキスするがキスする男がイエスである合図だった。弟子たちはイエスを見捨てて一目散に逃げた。

その後、ユダは自分の行為がもたらした恐ろしい結果に気づいて後悔し、銀貨30枚を祭司長たちに返して取引の解消を願い出たが、気がついた時はすでに遅かったのだ。ユダの心はサタンに完全にほんろうされ、アケルダマという荒れ地で首をつって自らのいのちを絶ってしまう。

どの自殺の背後にもサタンが働いていると、私は思っている。死にたいという思いが来たときに、すぐにその思いを抹殺しなければならない。自殺さえしなければ、ユダがゆるされ、回復するチャンスはきっと回ってきただろう。イエスのゆるしは深く、底がないのだ。

この時、ペテロもイエスを見捨てて逃げ、保身のために三度も「イエスを知らない」と断言して、イエスを裏切るのだが、ここにおいても、サタンはまんまとペテロを陥れた。ペテロの弱みは彼の不誠実さではなく過剰な自信にあった。サタンはそのプライドの中につけ入るすきを見つけ、まんまとつけ込んだのだ。

弟子たちですら誘惑の罠に捕らえられたのだから、祭司長たち、ローマの総督ピラト、ヘロデ王、兵士たち、群衆が惑わされても当然なのかもしれない。それは、サタンはすべての人々に働きかけ、すべての人々の弱さを知り尽くして、滅ぼすことをもくろんでいるということだ。

大祭司官邸

イエスが捕らえられて連行された場所は大祭司の家であり、その内庭だった。そこでサンヘドリンという70人の議員からなる議会で取り調べを受けるのだが、むしろ宗教裁判であった。

当時はユダヤ教徒が二つの主流に別れていて、一つはパリサイ派(保守的|宗教的)、もう一つはサドカイ派(急進的|世俗的)で、それぞれ35人ずつの議員を持っていた。

裁判が始まるが、死刑を前提として裁判を進めていき、さまざまな偽証を立てて議会を興奮状態にしてから、大祭司は次のように質問をした。

大祭司「あなたは、ほむべき神の子、キリストか」

イエス「あなたの言うとおりです」

大祭司(自分の衣を引き裂いて)「これでもまだ証人が必要であろうか。あなたがたは神をけがすことばを聞いたのだ」

ついに彼らは、イエスは神を冒涜した者であり、十字架刑に当たると判決を下した。これは深夜から朝方まで夜を徹してなされた暴虐な裁判であった。徹夜の裁判が終わると、数時間の間イエスは大祭司の家の地下にある石牢に投げ込まれたが、これは天よりも高い御国から地上に降り、黄泉にまで下ったことの象徴で、私たちが御国に昇るために、神の御子イエス・キリストは地の底にまで下ったのだ。

使徒パウロはこのように表現した。

「キリストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。人としての性質をもって現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われました」

翌朝早く、ユダヤ議会はイエスをローマの総督の官邸に連行した。当時ユダヤはローマの支配下に置かれ、ユダヤ人の議会には死刑を執行する権限は与えられていなかったので、十字架刑を実現させるためには、ローマ総督の裁判にかけられなければならなかった。十字架まであと3時間。

◇

平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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