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イエス伝

「イエス伝」(46)・・・ピラトの官邸 平野耕一牧師

2010年9月30日11時32分
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関連タグ:平野耕一

総督ピラトの官邸

総督ピラトはいち早くイエスの無罪を認め、「この人には何の罪も見つからない」と宣言して釈放しようとする。ピラトはイエスに対する不利な証言が偽りなのを見抜いて群衆に向かって懸命に叫ぶ。

「あなたがたが訴えているような罪は別に見つからない」

「この人は死罪に当たるようなことは、何ひとつしていない」

「私は懲らしめた上で、釈放する」

「あの人がどんな悪いことをしたというのか。あの人には死に当たるような、何の罪も見つからない」

しかしながら、ピラトは「十字架につけよ」と連呼して叫ぶ群衆の声に負けてしまい、暴動を避けるために、彼らの要求どおり十字架刑を宣告したのだ。

ピラトの妻は悪夢にうなされ、ピラトに警告を与えて嘆願した。「あの正しい人にはかかわり合わないでください。ゆうべ、私は夢で、あの人のことで苦しい目に会いましたから」ピラトがイエスを釈放しようとあらゆる手立てを使ったのはイエスが無罪であると判断した上に、妻が不気味な夢を見て恐がっていたからなのだ。ピラトは自分の意志に背いて進展していることに、なにか不吉なものが近付いていると感じた。

イエスに向かって「私にはあなたを釈放する権威があり、また十字架につける権威があることを、知らないのですか」とピラトは言うが、彼の権威は全く空洞化されていたのだ。

ついにピラトは「自分では手の下しようがなく、かえって暴動になりそうなのを見て、群衆の目の前で水を取り寄せ、手を洗って」言った。「この人の血について、私には責任がない。自分たちで始末するがよい」無力さの中で逃避している総督ピラトがそこにいる。

鞭打ち

死刑に定められた者は、39回鞭で打たれる。なぜ39回かというと、40回打たれると死んでしまうと考えられていたからだ。つまり、鞭打ちの目的は死のぎりぎりまで苦しめるというものであったが、最もむごたらしく暴力的であった。

鞭を当てたのはローマ兵士たちであったが、その鞭は数本の革に金属や貝や石などの破片が組み込まれていて、それらの破片がからだに食い込み、肌を引き裂き、肉を打ち砕いたのだ。

イエスのからだを打ちたたいたのは鞭だけではなく、人間の持つ神に対する憎しみと敵対心だった。鞭がからだをバシッ、バシッと打ち砕いたように、民衆の憎しみはイエスの心をズタズタに引き裂いたことだろう。これほどまでに一人の人間を痛めつけたのかといぶかるかもしれないが、人類の歴史を調べるなら人間はライオンやワニなどよりはるかに獰猛になり得ることが繰り返し証明されている。怒りと憎しみを込めてイエスを鞭打っていた兵士たちは、人間はどれほど醜くなり得るかという罪の極限を表していたのだ。

それから兵士たちはイエスに紫色の上着を着せて道化師のように扱い、いばらで冠を編んで頭にかぶらせてからかった。イエスの前にひざまずいて「ユダヤ人の王様。ばんざい」と言って嘲笑したが、十字架は苦しみだけではなくて、辱めでもあったのだ。それはイエスが生まれる数百年も昔に、すでにイザヤによって預言されていた。

彼には、私たちが見とれるような姿もなく、輝きもなく、

私たちが慕うような見ばえもない。

彼はさげすまれ、人々からのけ者にされ、悲しみの人で病を知っていた。

人が顔をそむけるほどさげすまれ、私たちも彼を尊ばなかった。

あなたは今、苦しみの中にいるだろか。その苦しみはイエスの鞭打ち以上の苦しみでしょうか。あなたは辱めの中にいますか。その辱めはイエスが体験した以上のものですか。救い主はあなたの苦しみも辱めも思いやることができ、かつ同情することができる。なぜなら、彼は人間が体験し得る最も辛い苦しみと辱めとを味わわれたからであり、あなたの傷を癒すことができるのは、前もってあなたの苦しみと辱めを経験したからなのだ。

ゲッセマネの園に行く前に過ごした最後の晩餐を思い出そう。イエスはパンを取り、それを祝福し、それを裂き、弟子たちに言われた。

「これは、あなたがたのために砕かれたわたしのからだである」

情け容赦なく降り注ぐ鞭、皮膚を裂き、からだに食い込み、肉を砕いている鞭。砕かれることによってパンが弟子たちに分配されるように、イエスのからだも砕かれて初めて弟子たちにいのちを与えるものとなる。この最後の晩餐を記念するために教会で行われる聖餐式(ミサ、またはコミュニオンとも呼ばれる)は、受難の象徴なのだ。砕かれたパンを食べ、一つの杯からぶどう酒を飲むことは、イエスの受難を思い起こし、イエスのあがないを再体験するものなのだ。

聖餐の式とは

1. ぶどう酒はイエスの流された血の象徴で、罪の赦しを再確認させる。

2. パンはイエスの裂かれたからだの象徴で、いのちと活力を与える。

3. 共に飲食して、イエスと信仰者、また信仰者同士のつながりを確かめる。

ものだ。

ビア・ドロローサ(なげきの道)

死刑を宣告された犯罪人は、自分で十字架をゴルゴダの丘まで運ばなければならない。徹夜の裁判、ピラトとヘロデによる尋問、激しい鞭打ちなどで、疲労困ぱいしていたイエスには、十字架を運ぶ力は残っておらず、途中で崩れるように倒れる。

そこにクレネ人シモンが田舎から出て来て通りかかったので、兵士らはイエスの十字架を彼の背に負わせようとしたが、シモンは不意に自分が呼ばれたことに驚き、繰り返し拒むのだが、無理矢理に押し付けられてしまい、嫌々ながら十字架を背負うはめになる。

しかし、イエスの傍で十字架を運ぶと、不思議にイエスの人柄に引きつけられ、愛着を感じるようになる。肩を並べて二人で十字架を背負っていくうちに、彼はむしろ心に喜びを感じて十字架を担うように変えられ、十字架を背負うイエスに徐々に共感していく。

数年後のことだが、アンテオケ教会のリーダーの中に「ニゲルと呼ばれるシメオン」という人物がいたことがわかるが彼こそイエスの十字架を負ったシモンなのだ。つまり、彼はクリスチャンになり、教会のリーダーになったのだが、きっと、十字架を背負った時に信仰を持つようになったのだろう。さらに、シモンは「アレキサンデルとルポスとの父」と書かれていることから、彼の二人の息子たちもクリスチャンになり、有名な指導者になったことがわかる。

シモンは十字架を負うことによって真のいのちを見出したのだが、「与えることによって得、失うことによって見つける」という人生の逆説を示している。

ゴルゴタ(どくろ)の丘

イエスは十字架に釘付けられるが、有名な黒人霊歌はこのように歌っている。耳をすまして聞くように、読んでみてください。

きみもそこにいたのか、主が十字架につくとき、

ああ、なんだか心がふるえる。ふるえる、ふるえる。

きみもそこにいたのか。

きみも聞いていたのか、くぎを打ち込む音を、

ああ、なんだか心がふるえる。ふるえる、ふるえる。

きみもそこにいたのか。

きみもながめてたのか、血しおが流れるのを、

ああ、なんだか心がふるえる。ふるえる、ふるえる。

きみもそこにいたのか。

この歌詞は「あなたにキリストと向き合ってほしい」と言い、二千年前に偉大な聖人がエルサレム郊外で苦しみを受けたということにとどまらないで、あなたがそこにいたらどのような応答をするかと問い掛けているのだ。イエスの十字架にどのように応答するかと問い掛けている。「きみもそこにいたのか」「きみも聞いていたのか」「きみもながめてたのか」「きみの心もふるえるか」と。

◇

平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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