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イエス伝

「イエス伝」(33)・・・イエスと女性たち2―ベタニヤのマリヤ 平野耕一牧師

2010年6月24日11時28分
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関連タグ:平野耕一

今日は、ベタニヤのマリヤについて考えてみよう。彼女は先のサマリヤの女とは対照的なタイプであった。それゆえ、イエスの彼女との向き合い方は全く違っていた。イエスはステレオタイプで女性を見なかった。イエスにとっては、一人ひとりみな個性と特徴を持った貴重な存在であった。

イエスを囲む女たちの中にはマリヤという名前を持つ者が多かった。それで、母マリヤ、マグダラのマリヤ、ヨセの母マリヤ、クロパの妻のマリヤなどと呼ばれていた。イエスはこれらの女性たちに同時に囲まれることはよくあったことだ。しかし、イエスが「マリヤ」と呼んだときに数名のマリヤが返事をすることはなかった。それは、おなじマリヤでも、イエスの呼びかけ方が違っていたからだ。それほど、イエスは女性に繊細さを示したのだ。

ベタニヤ村はエルサレムから10キロほど離れたオリーブ山の麓にある村である。マリヤには兄ラザロと姉マルタがいたが、この三人はイエスにとって特別な人たちで、彼らの家はもっともくつろぐことのできる空間であった。両親はすでに他界していたようである。イエスの人生で最も重要な最後の一週間は彼らの家に滞在しながらエルサレムに通ったほどであった。

ここでは、3つの物語を観察してみよう。

1つ目、イエスと十二弟子たちを初めて自宅に迎えた時のことであった。姉のマルタは良い意味で「口八丁手八丁」タイプでよく語りよく動いたのだが、このときばかりと張り切って料理にかかったのだ。しかし、いかに得意であれ13人分の料理をするのに焦っていた。

忙しく手を動かしていた時ふと目をやると、マリヤがイエスの足元にすわって、イエスの話に聞き入っていたのを見て頭にきたようだ。マリヤにも、そしてイエスにも不満をぶつけた。「主よ。妹が私だけにおもてなしをさせているのを、何ともお思いにならないのでしょうか。私の手伝いをするように、妹におっしゃってください」。

多くの人たちは、マルタ姉さんは手際よく良くできる女、マリヤは遅くて良くできない女と見ていた。当時の女の仕事は家事であったから、それが評価の対象であった。しかし、イエスは良くできないマリヤの心を見た。

マリヤは確かに変わった女性であった。忙しくもてなさなければならないとき、あわただしい状況の中なのにすわりこんで、そこにはイエスとその言葉しかないかのように振舞っているのだ。

「さあ、マリヤ。お姉さんを手伝ってあげなさい」と、うながすのが常識的で親切な応えであろう。ところが、イエスはマリヤを弁護したのだ。「マルタ、マルタ。あなたはいろいろなことを心配して、気を使っています。しかし、どうしても必要なことはわずかです。いや、一つだけです。マリヤはその良い方を選んだのです。彼女からそれをとりあげてはいけません」。この言葉の中に、イエスのイエスらしさが際立っている、と私は思う。

イエスはマリヤがマルタのようにもてなしするべきだとも、またマルタはマリヤのように話に聞き入るべきだとも言わなかった。決して、イエスの話に耳を傾ける方が良いことだとは言わなかったのだ。それでは、「マリヤが良い方を選んだ」とは、何を指して言ったのか。マリヤが一つのことに心を注いでいた、ということなのだ。

マルタは「気が落ち着かず」、「いろいろなことを心配して」、「気を使っていた」のだが、つまり「一つのことに集中していない」、「マリヤと比較している」、「マリヤが気になってしかたがない」、そして惨めな気分になり、イエスとマリヤを責める結果になってしまった。料理をしながら、「私だってイエスの話を聞きたいのに」と思うことで思いが乱れたのだ。

もし、彼女が大好きなイエスをもてなす喜びで料理をしていたら何も問題はなかったし、手伝いが必要だったら、マリヤに頼むのは決して間違ったことではなかったのだ。マリヤが耳を傾け、それ以外はすべて存在しないかのように、一人の教育のない女が御言葉に究極的な関心を示したことをイエスは「たった一つの良い方」と言われた。

2つ目、マルタとマリヤはラザロが大病に襲われたときに、イエスのもとに使いを遣わし「あなたの愛している者が病気です」と言わせた。それだけで、イエスは飛んで来てくれるものと思い込んでいた。ところが、イエスが到着したのはラザロの死から4日後であった。

まず、マルタが家を飛び出しで村の境まで出迎える。二人の間でかなりの会話が続いた。その内容は信仰的・霊的であった。マリヤが姿を現したのはイエスが家に近づいてきたからだ。そして、マリヤはイエスの足元にひれ伏して、涙を流した。

ここで、イエスは驚くべき反応を示した。「イエスは涙を流された」のだ。マルタには理性的、また霊的な教えを与えたのだが、マリヤには感情的に反応した。マリヤはイエスの気持ちに触れたのだ。

3つ目、イエスが十字架にかけられる日が迫ってきた。ベタニヤの晩餐のときにマルタは給仕をしていたのだが、マリヤは非常に高価なナルドの香油300グラムを取って、イエスの足に注ぎ出してしまった。

マリヤが登場するたびに、彼女はイエスの足元に自分をおいた。イエスの顔を見上げるのが好きだったようだ。足元で御言葉に聞き入り、足元で涙を流し、足元で香油を塗った。

ところが、すぐに責める声が部屋に響いた。「なぜ、この香油を300デナリに売って、貧しい人に施さなかったのか」。他の弟子たちも賛同して批判に加わった。イエスと二人だけの世界から目覚めたマリヤは、責める声に何と応えて良いかわからずただドギマギするだけであった。

イエスはマリヤの弁護のために立ち上がる。「マリヤは、それを葬りのためにしたのです」。やはり、マリヤは鋭い感性の持ち主であった。弟子たちにはイエス御自身がエルサレムで死ぬことを予告したが、彼らは愚鈍であって受け入れなかった。しかし、マリヤはイエスの顔を見た時に「このお方は死のうとしている」と感知したのだ。イエスはマリヤの心に感動した。

イエスはマリヤの心にいつも応えていた。

◇

平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:平野耕一
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