Skip to main content
2025年9月29日22時08分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 国際
  3. 欧州

英語の新約聖書出版から500年、最初の印刷地はドイツ、ゆかりの地はベルギー なぜ?

2025年9月29日20時38分
  • ツイート
印刷
関連タグ:ウィリアム・ティンダルティンダル聖書英国ドイツベルギー
ティンダル聖書+
大英図書館に展示されている1534年版のティンダル聖書(英訳新約聖書)。ベルギーのアントワープで印刷された。(写真:Coldupnorth)

ギリシャ語原典から翻訳した英語の新約聖書が初めて出版されてから、500年を迎えた。当時、聖書を自国語に翻訳することは禁止されており、出版は秘密裏に行われた。その重要な舞台となったベルギー北部の都市アントワープではこの夏、さまざまな記念行事が行われた。

英語聖書の歴史は、14世紀末にさかのぼる。ジョン・ウィクリフ(1324~84)とその追随者たちが、当時、唯一正統な聖書と見なされていたラテン語聖書(ウルガタ)から翻訳し、1380年ごろに最初の英語聖書を完成させた(ウィクリフ聖書)。これは、ヘブライ語やギリシャ語の原典から翻訳した聖書ではなく、また当時はまだ印刷技術がなく手書きの写本で、教会も取り締まったため、広く普及したわけではなかった。

しかし、聖書を一般民衆も理解できる自国語に翻訳するというウィクリフたちの試みは、イングランドにおける宗教改革の源流的運動となったロラード派を生み出すことになった。それから約1世紀後、その中からウィリアム・ティンダル(1494~1536)が現れ、デジデリウス・エラスムス(1466~1536)らが世界で初めて出版したギリシャ語新約聖書を基に英語への翻訳を始めた。

ティンダルが新約聖書の英語への翻訳を完成させたのは、ちょうど500年前の1525年だった。イングランドの当時の教会は翻訳を認めず、それを危険視していたため、ティンダルは現在のドイツに逃れ、同国西部の都市ケルンで翻訳を完成させた。

しかし、その印刷は秘密裏に行われていたものの、悲しいことに裏切りがあり、印刷中の聖書はケルン当局に押収されてしまう。この時、マタイによる福音書1~22章だけが押収を免れ、今日「ケルン断片」として知られている。

それでもティンダルは諦めず、ドイツ南東部の都市ヴォルムスに移って再挑戦する。ここで、ギリシャ語原典から翻訳した英語の新約聖書が世界で初めて出版された(ティンダル聖書)。この新約聖書は1525年後半にイングランドとスコットランドに流入したと記録されているが、当時と現在の暦の違いにより、現在では1526年初頭と見なされている。

その後、ティンダルはこの英語の新約聖書を一部改訂し、アントワープで増刷する。ベルギー第2の都市であるアントワープは、当時も商業都市として栄えており、印刷業者が多く、また宗教改革の支持者も多かったことから、比較的安全に英語聖書を印刷できたとされる。

ティンダルは、ヘブライ語原典を基にした旧約聖書の翻訳にも取りかかっていたが、1535年に捕らえられ、翌36年に処刑されてしまう。しかし、未完となっていた旧約聖書の翻訳は、友人のマイルズ・カバーデール(1488~1569)が、ラテン語やドイツ語からの翻訳で補って完成させ、旧約・新約がそろった聖書として1535年に出版している(カバーデール聖書)。

ウィリアム・ティンダル
ウィリアム・ティンダルの肖像画

ティンダルは、実質的に現代の英語聖書の生みの親といえる。イングランド王ジェームズ1世の命令で1611年に完成した欽定訳聖書(KJV)は、その多くをティンダル聖書に拠っている。さらにその業績は、改訂標準訳聖書(RSV)や新改訂標準訳聖書(NRSV)、標準英語訳聖書(ESV)といった現代の英語聖書にも受け継がれている。

ティンダルに関する研究と学術探求の促進を目的に、1995年に設立されたティンダル協会は7月上旬、ティンダル聖書の出版500年、また同協会の設立30年を記念して、4日間にわたる会議をアントワープで開催した。会議はアントワープ大学やルーベン・カトリック大学、プランタン・モレトゥス博物館との共催で行われ、100人近くが参加した。

また、アントワープの大聖堂などでは合唱コンサートが開催され、ティンダル自身が当時、イングランドやアントワープなどで耳にしたであろう楽曲が披露された。

16世紀の書籍展示も行われた。目玉は、ヴォルムスで出版された1526年版のティンダル聖書。この聖書は、その後の迫害によりほとんど残されておらず、完全な形のものは現在、世界で1冊しか確認されていない。ドイツのシュトゥットガルト州立図書館が所蔵するもので、7月の間だけプランタン・モレトゥス博物館に貸し出されて展示された。

1526年版のティンダル聖書は他に、大英図書館に表紙が欠けたものが、英セントポール大聖堂に一部が、それぞれ所蔵されている。

ティンダル聖書の出版500年を記念する行事は、今年から来年にかけ、世界各地で開かれる。これらは、聖書への関心を高め、議論を深めるための良い機会となるだろう。

※ この記事は、英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。
関連タグ:ウィリアム・ティンダルティンダル聖書英国ドイツベルギー
  • ツイート

関連記事

  • 神声人語―御言葉は異文化を超えて―(35)ウィリアム・ティンダルの聖書翻訳 浜島敏

  • 「世界で最も正確」 英ティンダルハウスがギリシャ語新約聖書を出版

  • 480年前に印刷 原典から訳された世界最初期の英訳聖書、競売で落札

  • 2024年の聖書頒布統計発表、デジタル版が印刷版を初めて上回る

  • ルター訳聖書出版500周年、ドイツで記念年間始まる

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 主キリストによって開かれる新たな恵みの世界 万代栄嗣

  • ウクライナの福音派連合組織、欧州福音同盟に正式加盟

  • ワールド・ビジョン・ジャパン、新事務局長を発表

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(13)「光」は「信仰」でしか見えない 三谷和司

  • 日本基督教団カルト問題連絡会、旧統一協会の韓鶴子総裁逮捕受けコメント

  • 救世軍の軍曹がヒロイン ミュージカル「GUYS AND DOLLS」宝塚歌劇で4度目の公演

  • 英語の新約聖書出版から500年、最初の印刷地はドイツ、ゆかりの地はベルギー なぜ?

  • ワールドミッションレポート(9月28日):ナイジェリア 1冊の小冊子が人生を変える

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(12)ボンヘッファーが愛読していたコヘレト 臼田宣弘

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力

  • 日本基督教団カルト問題連絡会、旧統一協会の韓鶴子総裁逮捕受けコメント

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(13)「光」は「信仰」でしか見えない 三谷和司

  • 救世軍の軍曹がヒロイン ミュージカル「GUYS AND DOLLS」宝塚歌劇で4度目の公演

  • 旧統一協会の韓鶴子総裁を逮捕、尹前大統領の妻や側近への金品授与に関与の疑い

  • ワールド・ビジョン・ジャパン、新事務局長を発表

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

編集部のおすすめ

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.