聖書協会世界連盟(UBS)の最新の統計によると、昨年、世界240カ国・地域で頒布された聖書(旧新約合本)は2250万部だった。これに対し、スマートフォンのアプリなどによるデジタル版聖書のダウンロード数は昨年、2590万に上り、初めて印刷版を上回った。
UBSの年次報告書によると、加盟する各国・地域の聖書協会は昨年、聖書2250万部、新約聖書860万部、分冊・選集など1億1890万部の計1億5千万部を頒布した。
聖書の頒布数は、23年は2420万部で、この1年で170万部減少した。一方、デジタル版聖書のダウンロード数は、23年は2420万で、逆にこの1年で170万増加した。
福音派メディア「エバンジェリカル・フォーカス」(英語)によると、昨年、聖書が最も多く頒布されたのはブラジルで420万部、次いでインドが180万部、中国が160万部だった。言語別では、3つの言語が約半数を占め、スペイン語が450万部、ポルトガル語が400万部、英語が320万部だった。
報告書は、重要性が増すデジタル版聖書の状況についても詳細を報告している。
それによると、昨年、聖書アプリで読まれた聖書の章は283億章に及び、オーディオ聖書の再生回数は13億回に上った。報告書は、デジタルのコミュニケーション手段がより好まれるにつれ、聖書アプリの需要が増加していると指摘している。
UBSのディルク・ジュベール総主事は次のように述べている。
「頒布される聖書は、形式を問わず、神の生ける御言葉と、真理や慰め、変化を渇望する人との重要なつながりを可能にします。あらゆる人々が自らの言語と好みの形式で神の御言葉にアクセスできるよう、聖書を忠実に管理することが私たちの責務です」
UBSはまた、15年から昨年までの10年間の聖書頒布の実績についても明らかにしている。
それによると、UBSに加盟する各国・地域の聖書協会はこの10年間に、聖書2億7690万部、新約聖書1億230万部、分冊・選集など22億部の計26億部を頒布した。