現代米国を代表する旧約聖書学者であるウォルター・ブルッゲマン氏が5日、ミシガン州の自宅で死去した。92歳だった。
1933年、ネブラスカ州生まれ。牧師であった父の赴任に伴い、ネブラスカ、カンザス、ミズーリの各州に移り住んだ。10代の頃、兄と共に地元の黒人教会に通い、その経験が基で生涯にわたって社会正義に関心を抱くようになる。
エルムハースト大学卒業後、イーデン神学校で神学学士、ユニオン神学校で神学博士、セントルイス大学で哲学博士の学位を取得。58年、兄と共に父から米合同キリスト教会で牧師按手(あんしゅ)を受ける。イーデン神学校(61~86年)、コロンビア神学校(86~2003年)で長らく教鞭を執り、引退後も執筆・講演活動を積極的に行った。
100冊を超える著書があり、1978年出版の代表作『預言者の想像力』は100万部を超えるベストセラーとなった。著書は主にプロテスタントの主流派で広い影響力を持ったが、福音派にも影響を与えた。
『預言者の想像力』のほか、『聖書は語りかける』『叫び声は神に届いた』『旧約聖書神学用語辞典』『詩編を祈る』『現代聖書注解 サムエル記』(上・下)『平和とは何か』『人を育むみことば』などの邦訳書が出版されている。
ブルッゲマン氏のウェブサイト(英語)によると、追悼礼拝が7月19日(土)午後2時(現地時間)からミシガン州トラバースシティの中央合同メソジスト教会で行われる。礼拝の模様はライブ配信される。