大西洋に位置する約138の小島からなる群島のバミューダは、英国の海外領土で、英国王を元首とする立憲君主制の下、自治政府を持つ議会制民主主義を採用している。「地上の楽園」とも呼ばれる美しい島国であり、キリスト教がその歴史と文化に深く根付いている。しかし、現在の教会には、信仰の形骸化が見られ、霊的な刷新が求められる。
社会的には、バミューダは世界で最も裕福な黒人多数派地域の一つであるが、富の不均衡や急速な高齢化といった課題を抱えている。また、近年ではカリブ諸国からの移民が増加しており、社会の多様性が進んでいる。政府は2025年に新たな入国規制を施行したが、教会には、移民を排除するのではなく、彼らと共に歩みながら福音を伝える包容力が求められている。
さらに、ギャング関連の暴力事件が増加し、2025年には9件の殺人事件が報告された。政府は「国家暴力削減戦略」を打ち出し、地域団体や宗教団体との協力を進めている。教会は、このような状況に対して、若者への積極的な支援と福音による希望の提示という役割が期待される。
教会内の課題としては、教派間の連携の弱さが影響し、社会へのインパクトが限定的であることが挙げられる。ただし、「United for Change」と呼ばれる福音派教会の牧師連盟が設立され、祈りの重要性を再確認するとともに、道徳的課題に対する共同の発信を行っている。今後はこれが、より実質的な一致と協働に発展するように求められる。
バミューダが福音によって癒やされ、霊的にも社会的にも成熟した共同体となることを祈っていただきたい。
■ バミューダの宗教人口
プロテスタント 36・0%
単立教会 10・0%
英国国教会 18・5%
カトリック 14・6%
無宗教 6・7%
土着宗教 2・1%
バハイ 0・6%
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