前ローマ教皇フランシスコの死去に伴い、7日からバチカン(教皇庁)のシスティーナ礼拝堂で行われていたコンクラーベ(教皇選挙)は2日目の8日、司教省長官のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿(69)を第267代教皇に選出した。教皇名は「レオ14世」。
8日午後6時(日本時間9日午前1時)過ぎに、新教皇の選出を知らせる白い煙がシスティーナ礼拝堂の煙突から上り、サンピエトロ大聖堂の鐘が鳴った。その約1時間後、レオ14世がサンピエトロ大聖堂のバルコニーから姿を見せ、大聖堂前のサンピエトロ広場に集まった約1万5千人の信者を前にあいさつし、祝福の言葉を送った。
レオ14世は1955年、米シカゴ生まれ。米国また北米の出身者が教皇に選ばれるのは、これが初めて。南米ペルーでの司牧経験が長く、ペルーの国籍も取得している。
82年司祭叙階、2014年司教叙階。15年から23年まで、ペルー北西部のチクラヨ教区司教。聖アウグスチノ修道会の所属で、2001年から13年まで総長を務めた。23年に司教省長官、ラテン・アメリカ委員会委員長に任命され、同年枢機卿に叙任された。
貧しい人々や移民に寄り添ってきたことで知られ、前教皇フランシスコからも信頼を置かれていたとされる。ジェンダーイデオロギーに対しては、過去に否定的な立場を示しており、同性愛に関しても一定の距離を置いていると伝えられているが、候補者の中では中道派と見られていた。
今回のコンクラーベには、史上最多となる133人の枢機卿が参加した。日本からも、大阪高松大司教の前田万葉枢機卿と東京大司教の菊地功枢機卿の2人が参加し、投票を行った。7日の1回目、8日午前の2回目と3回目の投票では決まらず、8日午後に行われた4回目の投票でレオ14世が選ばれた。
世界のカトリック信者の数は、最新となる2023年の統計で14億600万人。教皇はそのトップであるほか、国家としてのバチカン市国の元首なども兼任する。