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聖ニコラスの生涯

サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(5)靴下の中のお金

2024年10月30日17時20分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(1)孤児ニコラス+
聖ニコラスの肖像画(画:ヤロスラフ・チェルマーク)

ニコラスは、毎日のようにパタラの町中を歩き、生活困窮者の家や、町角で物乞いをしている者を見つけると、その生活を援助することを始めた。

そんなある日のことである。ニコラスは古くなった靴を作り直すためにある靴屋の店に入った。この靴屋の主人ディメトリオは、昔金持ちであったが、破産して身を持ち崩してからは、ひっそりとこの町で商売しながら3人の娘と暮らしていた。

「今日は一つ、長靴を作ってもらいましょうか」。ニコラスが言うと、靴屋はペコペコと頭を下げ、寸法を取るために巻き尺を持ってきた。

「どうですか? 商売の方は?」「おかげさまでこの通り続いています」。こう言って寸法を取るうちに、その手がぶるぶる震え始めた。

「3人の娘さんは、みんな元気ですか?」そう尋ねると、どうしたわけか靴屋は巻き尺を取り落として泣き出してしまった。

「どうなさいました?」重ねて聞くと、靴屋はきまり悪そうに片手で涙を拭いて、ちょっと悲しいことがあったからだと答えた。

店を出て少し歩き出すと、知り合いの仕立屋に出会ったのでそれとなく聞いてみると、相手は声を潜めて言った。「上の娘さんがある高貴な家柄の息子さんと結婚することになったそうですが、商売もうまくいってないようだし、借金も抱えているらしく、とても持参金を出せない。それで、下の娘さんたち2人を奴隷に売ろうと考えているんですよ」

当時の社会では、金に困ったときの金策として身内を奴隷に売ることは公然と行われていた。(何とかしてあげたいものだが・・・)ニコラスはつぶやき、あることを考えた。

その夜、ニコラスは音を立てないようにして寝室を抜け出すと、地下の倉庫に入った。そして、用意しておいた麻の袋に、両手で3杯ほど金貨をすくって入れると、それを担いで屋敷を抜け出し、夜道を急いだ。

靴屋の住居は、その小さな店と続いていた。ニコラスは寝静まったあたりに物音を響かせないように、抜き足差し足で外階段を伝って2階のベランダに登った。

そして、窓が少し開いているのを確かめると、そこからお金の入った袋を中に投げ入れた。ガッシャーン!という音に、その部屋に寝ていた靴屋の長女は飛び起き、大声を上げた。ニコラスは、姿を見られないように一目散に走って屋敷に逃げ帰った。

長女の悲鳴に、部屋に飛び込んできた靴屋は、部屋一面に散らばってキラキラと光る金貨をぼうぜんと眺めた。「これは一体どうしたことだね?」「お父様。ほら、見てください」。長女は窓の下に置いてある自分の長い靴下を見せた。その中には金貨が縁まで詰められ、あふれ出して床に散らばっていた。

「神様が私らを憐(あわ)れんでくださったのだ」。靴屋はそう言って、おいおい泣き出した。

それから2週間ほどたって、ニコラスが靴を受け取りに店に行ってみると、まるで別人のように晴れやかで、幸せそうな顔をしたディメトリオが迎えに出た。長女はめでたく名門の家に嫁いでいったと彼は語った。

「神様って本当にいらっしゃるんだと思いましたね。この貧しい私らを憐れんで、最高の幸せを授けてくださったんですから」

「お嬢さんが下に2人いらっしゃるんでしたね」。ニコラスが言うと、靴屋は下を向いた。「2番目の娘も、ある軍人の方から申し込みがありましてね。まだお返事はしていないんですが」

彼が持参金のことで、またしても思い悩んでいることが分かった。ニコラスは、今度もきっとうまくいきますよと言って店を出た。

それから数日後の晩、またニコラスは金貨がぎっしり詰まった麻袋を肩に担いで、夜道を歩いていた。

(今晩もうまくいきますように。もし人に見られたら、全ておしまいだからな)そうつぶやきながら、靴屋の家に着いた。今度も外階段を登ってベランダに上がると、そっと窓から中をのぞいてみた。

すると、以前と同じように窓の下に靴下がつるしてあるのが見えた。ニコラスは重い袋を両手に持つと、それを窓から中に投げ入れた。ガッシャーン! すると家の中から叫び声が上がり、窓が開いた。

「待て! 泥棒め!」そんな声が聞こえた。ニコラスは必死になって駆け続け、ようやく屋敷に着いた。

*

<あとがき>

サンタ・クロースが12月24日のクリスマス・イブに、大きな袋におもちゃや靴、お菓子などのプレゼントを詰めて子どもたちに届ける――という伝説はどのようにして生まれたのでしょう?

恐らくそれは、ニコラスがまだ聖職者となる前、身売りされようとしている不幸な娘を救おうとして、夜中に金貨の詰まった袋を持って娘の家に行き、窓からそれを投げ入れたところ、それは娘の靴下の中にぎっしりと詰められた――という史実があったものと考えられます。

実際は、3人の娘を持った貧しい靴職人が長女の結婚の持参金を払えないために、下の娘2人を奴隷に売ろうとしていたようですが、ニコラスはこの一家を救うために3日間、金貨の袋をかついで夜道を歩いた――ということからこの美しい伝説が生まれたのでした。

不思議な神様の摂理ですが、この末娘は後にコリントに住むクリスチャンと結婚し、夫婦そろって教会を支えたという記録が残されています。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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