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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(14)「ベトザタの池での病者の癒やし」―第3のしるし― 臼田宣弘

2023年7月19日10時59分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
ピーテル・アールツェン「ベトザタの足の不自由な人の癒やし」(オランダ・アムステルダム国立美術館所蔵)
ピーテル・アールツェン「ベトザタの足の不自由な人の癒やし」(オランダ・アムステルダム国立美術館所蔵)

今回は、5章1節~9節bを読みます。

ベトザタの池

1 その後、ユダヤ人の祭りがあったので、イエスはエルサレムに上られた。2 エルサレムには羊の門のそばに、ヘブライ語で「ベトザタ」と呼ばれる池があり、そこには五つの回廊があった。3 その回廊には、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺(まひ)した人などが、大勢横たわっていた。[彼らは、水が動くのを待っていた。4 ある時間になると、主の天使が池に降りて来て水を動かしたので、水が動いたとき、真っ先に入る者は、どんな病気にかかっていても、良くなったからである。](3b~4節は、記載の無い写本もある)

ガリラヤで役人の息子を癒やされたイエス様は、祭りに参加するためにエルサレムに向かわれました。この祭りは、仮庵(かりいお)祭であったともいわれていますが、正確には何の祭りであったのかは分かりません。

エルサレム神殿の北側には、「羊の門」と呼ばれる門がありました。この門から、神殿で屠(ほふ)る羊を運び入れていたので、「羊の門」といわれていたのです。その門の前に、ベトザタと呼ばれる、5つの回廊を持つ池がありました。

5つの回廊というのは、四角形の池の4つの辺と、真ん中に1つ、計5つの回廊があったということです。「日」という漢字を5本のマッチ棒で作ったとして、マッチ棒1本につき1つの回廊があったと考えればよいと思います。

ベトザタの池は、実は紀元300年代ごろから長い期間埋もれていたのですが、19世紀末にドイツ人のコンラト・シックを中心とした発掘グループによって発掘されました。発掘されたのは、ヨハネ福音書5章の記述の通りの池の跡でした。池の4つの辺と中心部分から、それぞれ回廊の跡が見つかったのです。

私は1991年に聖地旅行をした際、このベトザタの池の跡を見ることができました。聖書の時代のものがそのまま遺されているわけですから、イスラエルにおける遺跡の中では最も印象的なものの一つでした。

この遺跡は、旧エルサレム市街地のイスラム教徒居住区にある「岩のドーム」と呼ばれるモスクのすぐ近くにあります。岩のドームが建てられたのは7世紀のことですから、もしも岩のドームがベトザタの池の跡地に建てられていれば、発掘はなかったと思います。

さて、聖書に戻りますが、この5つの回廊には、病を患っている人たちがたくさんいました。なぜかというと、時々天使が降りてきて池の水を動かし、その時に真っ先に池に入った人は癒やされたため、多くの病者がその時を狙って並んでいたからです。また、神殿の門の前にある池ですから、神殿に礼拝に来る人たちに、喜捨を求めることもあったのだと思います。

「起きて、床を担いで歩きなさい」

5 さて、そこに三十八年も病気で苦しんでいる人がいた。6 イエスは、その人が横たわっているのを見、また、もう長い間病気であるのを知って、「良くなりたいか」と言われた。7 病人は答えた。「主よ、水が動くとき、私を池の中に入れてくれる人がいません。私が行く間に、ほかの人が先に降りてしまうのです。」 8 イエスは言われた。「起きて、床(とこ)を担いで歩きなさい。」 9 すると、その人はすぐに良くなって、床を担いで歩きだした。

この回廊に、38年間病を患っている人がいました。全身麻痺のような病気であったのでしょうか、彼は歩くことができなかったようです。そして、彼には家族や友人もいなかったようです。もしいたならば、水が動いたときに彼を水の中に入れることができたでしょう。

しかし彼は、そうしてもらうことができませんでした。共観福音書において伝えられている、イエス様に癒やされた中風の人は、4人の人によってイエス様の所に床に載せられたまま連れてこられました。しかし、ベトザタの池にいたこの人は、そのようにしてくれる人もいなかったのです。

イエス様は憐(あわれ)みを持って、この人に声をかけます。「憐れみを持って」とは書かれていませんが、そのように解釈してよいでしょう。イエス様が「良くなりたいか」と問われると、その人は「私を池の中に入れてくれる人がいません」と答えます。

これに対し、イエス様は「起きて、床を担いで歩きなさい」と言われました。水の中に入るための補助をするのではなく、直接に癒やしの宣言をされたのです。この人は直ちに床を担いで歩き始めます。これは、水をぶどう酒に変えたカナでのしるし、役人の息子を癒やしたしるしに続く、ヨハネ福音書における第3のしるしです。

私はこのお話からは、イエス様の憐れみ深さを読み取ります。この人は、病気を抱え、体に不安があっただけでなく、家族や友人もいませんでした。孤独感を味わっていたことでしょう。喜捨によって生活していたと思われますが、生きていくこと自体に不安があったと思います。

イエス様は、そのような人たちに憐れみをかけてくださる方であったのです。先の連載コラム「ルカ福音書を読む」の第14回でお伝えしましたが、イエス様は息子を亡くしたナインの町の女性に憐れみをかけられ、その息子を生き返らせます。それは女性にとっては、大きな再スタートの時でした。

ベトザタの池にいた人も、イエス様に憐れみをかけられ、病気が癒やされました。ヨハネ福音書は、人々がイエスを神の子メシアであると信じ、信じてイエスの名によって命を得ることを目的としています(20章31節)。ここで用いられている「命」の原語は「ゾーエー」で、新約聖書では「永遠の命」と訳されることが多いのですが、この人もイエス様と出会い、永遠の命を得たことが、病気の癒やしを通して読者に宣言されているのだと思います。

命を得たこの人は、起き上がり歩き出しました。それは、それまでは孤独であり、喜捨を受けていたであろう古い生活から、新しい生活を始める一歩を踏み出したということができましょう。それはまた、私たちの日常生活における、イエス様の呼びかけを意味しているともいうことができると思います。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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