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夜明け前

夜明け前(6)罪と愛 星野ひかり

2023年3月2日18時47分 コラムニスト : 星野ひかり
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夜明け前(1)世界の出口 星野ひかり+

私は「罪」が分かるまで、長い時間を要しました。どんなに教会の学びに通っても、自分の罪が分かりませんでした。「人は皆罪びとだ」と言われても、責め立てられる思いがするばかりで、たとえ私が悪いとしても ‘育った環境が悪かったから’ ‘恵まれなかったからだ’ と言い訳し、まるで自分は潔白だと言わんばかりでありました。

「飢えているのだ、パンを盗んで何が悪い」。そんな理屈を握りしめて、「罪」には全て「理由」があり、本来人は善良だと信じては、全ての人間に流れる「原罪」には気付けずにいたのです。

しかし、飢えていたとしてもパンを盗んではならないのでした。私は「飢えているのでパンを与えてください」と乞い願ってもいないのに、「私の飢えを察することもできずにパンを与えてくれなかった」と人を憎んできたようなものでありました。

乞い願ったところでパンは与えられないかもしれません。しかしそうであっても人を憎んではならなかったのです。それどころか、愛さなければならないというのです。

聖書に書いてある「愛」とはそれほど高みにあるもので、人には到底及ばず、そこに「原罪」があったのでした。しかし私はそれを悟ることができず、故に十字架の贖(あがな)いの意味が分かりませんでした。

100歩譲って私に罪があるとしても、私のためにイエス様が十字架で、身代わりの罰を受けてくださるわけなどないと思いました。私は見捨てられて当然、私には価値などないのだから。そう開き直っては神様の愛に背を向けていじけていました。

私は天の高みにある神様の愛、聖さも分からずに、孤独の暗闇から神様すら見下して、満足していたのです。

私には回復と癒やしが必要でした。恩師は根気強く教え続け、バプテスマを受けるまで3年近く学びの時間を与えてくれました。それは私が愛を知り、罪を悟ることができるまで、人としての心の回復が必要なためでもあったのではないかと思っています。

「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。あなたがたのだれが、パンを欲しがる自分の子供に、石を与えるだろうか。 魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか」(マタイ7:7~)

御言葉の通りに、神様は、私に回復と癒やしをお与えくださいました。それは急激にでも劇的にでもありません。いらいらとするほどゆっくりと、何年もかけてじっくりと、時には試みの中で、神様は私に回復と癒やしを与えてくださり、そしてまだその道半ばです。

私たちの暮らしを大きくかき乱した新しいウイルス、コロナのまん延も、私を試みたものでした。未知のウイルスのニュースが流れたころ、新しい教会では新牧師が据えられたばかりで、その対応にもさまざまな意見が出ていました。また、新しい教会には外国籍の方たちが半数近くおり、意見の多様性も増し加わっていたのです。

未知のウイルスのまん延は、他者への恐れをも引き起こしました。教会での、兄弟姉妹との交わりにすら恐れが生まれました。

「見よ、兄弟が和合して共におるのはいかに麗しく楽しいことであろう。それはこうべに注がれた尊い油がひげに流れ、アロンのひげに流れ、その衣のえりにまで流れくだるようだ。またヘルモンの露がシオンの山に下るようだ。これは主がかしこに祝福を命じ、とこしえに命を与えられたからである」(詩編133:1~)

御言葉が空に悲しく響いているようで、そして私たちは試行錯誤し、マスクをして消毒や手洗いに気を付けながら、プラスチックフィルムを通して、またはネットを駆使して交わりを続けようと試みました。

世界中にまん延し、どんどん変異する未知のウイルス・・・そして次から次へと起こる自然災害。また、同じ空の下で突如始まった理不尽な戦争は、じわじわと高騰する原油高や物価高に表れては、この世界のひずみから吹く熱風が私の頬にも届き、胸を焦がすようでありました。

そんな不穏な日々の中で、私も風邪症状を覚えるたびにPCR検査を受けました。そしてついに頑丈な夫が熱を出し、コロナの感染が確認されました。小さな家で暮らす夫婦ですから、隔離は難しいことでした。3日後には私も陽性が確認され、2人で熱を出して寝込みました。

私たちの感染を牧師夫人に知らせると、牧師は大きな袋いっぱいの食料を持って、わが家を訪ねて来ました。私にとって、この教会への転籍は3年たっても不本意なものでありましたが、しかし神様が、夫と私を引き合わせ、この地に導き、この教会に結び合わせたという、揺るがすことのできない事実がありました。

当初は母教会との違いに戸惑い、自分が新しい教会を変えなければと思った時もありましたし、また人を変えようと意見を戦わせたこともありました。しかし神様は、教会でもなく、誰かでもなく、この私自身に変わるように、と示し続けておりました。そしてそれだけが、モーセが海を割ったように、無き場所に道の現れる唯一の道であったのです。

「だから、あらゆる悪意、あらゆる偽り、偽善、そねみ、いっさいの悪口を捨てて、今生れたばかりの乳飲み子のように、混じりけのない霊の乳を慕い求めなさい。それによっておい育ち、救に入るようになるためである」(1ペテロ2:1~)

私は母教会の恩師を父のように、兄のように慕い、それ故にイエス様に打ち明けるよりも先に恩師に打ち明け甘えてしまう癖がありました。しかし恩師は素晴らしい牧師であっても神様とは違います。私との交わりを楽しみに待ち焦がれてくださっている神様に、もっと全てを打ち明けて、もっと親密になってゆかなければならなかったのです。

新しい教会に来たからこそ、神様にもっとより頼むことを教えられ、覚えてゆきました。造り変えられることは、痛みが生じます。自分を差し出し、造り変えられる、それは本当に嫌な時のほうが多く「私はこのままでいいのだ」と開き直りたくなります。しかし神様はまだ私を、キリストに似た者に造り変えようとしてくださっているというのです・・・。

「キリストのうちにこそ、神の満ち満ちたご性質が形をとって宿っています」(コロサイ2:9)

「愛する者たち。私たちは、今すでに神の子どもです。後の状態はまだ明らかにされていません。しかし、キリストが現れたなら、私たちはキリストに似た者となることがわかっています」(1ヨハネ3:2)

牧師からの差し入れの甘いプリンや果物、ヨーグルトを頬張りながら、新しい教会に結ばれたことを、神様がお示しになられたこととしてもっと厳粛に受け止めよう、そんな思いが生まれていました。

丈夫な夫が弱り、また私も何をしてやることもできないほどに弱りました。10日にも満たないウイルスに侵された時間でしたが、2人して弱るということは2人だけの暮らしでとても心細いものでした。

隣家の義父母も何かと手を差し伸べてくれましたが、丈夫な夫の弱々しい姿を見ることは心細いことでした。イエス様に祈ろうとしても、まるで脳がまさぐられるように思考は混乱し、嫌な白昼夢に溺れ続けるような苦しい闘病でありました。

体が弱っても信仰は燃え立つような、そんな強い者ではありませんでした。体が弱ることで信仰も衰えていたことをよく覚えています。

そのことこそが、この世のどんな人でもなく、神様が主権を握っておられることを教えてくださるようでした。私の命すら握っておられ、時に信仰の灯が消えそうになって、感じることさえできずとも、揺るがぬ臨在・・・私への愛を宣言し続けるこの主のことを考えました。

「私たちは、見えるものにではなく、見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです」(2コリント4:18)・・・見えないもの・・・それは主の存在に対してなおその通りでありました。主は目には見えません。その御手の温かさにどれほど触れたいことでしょう。しかし触れられません。それでも、触れようと求めてゆきたいです。

主を求め、主に叫び、主に聞いて、そして主のおっしゃる御言葉に従って歩む道だけが、この目のよく見えない者に、道を照らし出してくださるのですから。

もう体も私なりの元気を取り戻した、今も「夜明け前」。ひぐらしの声が静寂に溶け込んでいる「夜明け前」です。

夫は寝息を立てて眠っています。どうか眠りの中で十分に疲れをとかして、明日も大変なお仕事を乗り切れますようにと祈り、私も、私の一日分の小さな仕事をコツコツと終えられますようにと願います。

ささいなことばかりです。飼っている猫を病院に連れて行ったり、家の掃除にモップ掛け、洗濯に庭の手入れ、夫の朝食と夕食作りに日用品の買い足し・・・。そんなささいなことばかりでも、私にとってはひと苦労です。この弱い者にどうか、一日を乗り切る力を与え、この小さな家庭の平安を守ることができますようにと願います。

一日一日のささやかな暮らしの中でこそ信仰が現れるといいます。聖書は決して座学ではなく、御言葉を日々の中で生きたものとしてこそ、血のように脈々と私のうちに流れるものとなるのでしょう。

信仰を持って猫を病院に連れて行き、信仰を持って家の掃除や洗濯をし、信仰を持って庭の手入れや夫の食事を作り、信仰を持って日用品を買い足し、信仰を持って私の苦手な自分のケア・・・ヨガや散歩、丁寧な歯磨きや入浴が今日もきっとできますように。そしてどんなに頑張っても足りない者でしかない、この弱い信仰者さえもあわれみをかけてくださる方に今日もすがってゆけますように。

「彼が正義に勝ちを得させる時まで、いためられた葦を折ることがなく、煙っている燈心を消すこともない」(マタイ12:20)

(つづく)

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◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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