ソマリアの小さな村に育ったモハメドは、ムスリム家庭の中でイスラムの教えに従って成長した。だが数年前、キリストを信じた友人たちの招きにより、彼の人生は静かに変わり始めた。友人たちの信仰に触れたモハメドは最初、聖書の学びに時折参加する程度だった。ところが、学びに参加するごとに、聖書の物語や真理が心の奥に深く残るようになったのだ。
ある夜、それまでの日常が一変する出来事が起きた。モハメドは川岸に立っている夢を見た。そこに、水の上を歩いて近づいてくる一人の男を見た。驚いたモハメドがその人に問うと、「私はイーサー・アルマシーフ(イエス・キリスト)である」と答えが返ってきた。彼はその夢から目覚めた後、恐れとともに新たな使命感を抱いたという。
翌朝、モハメドは興奮とともに友人たちに夢のことを話した。それからというもの、彼は熱心に聖書の学び会に参加するようになった。字が読めない彼だったが、オーディオ聖書を用いて学びを深め、自らが聖書の学び会を立ち上げた。数年のうちに、村では6つ以上の新しい学び会が生まれ、現在では40人以上のムスリム出身の信徒たちがこっそり集うようになったのだ。
しかし彼の歩みには困難も伴っている。同地域では近隣部族との衝突が勃発し、人命が失われるような悲しい緊張が高まっている。彼らは今、平和と和解のために熱心に祈り求めているという。
この証しは、福音が閉ざされた地域においても、夢や幻を通して人々の心が神へと開かれていくことを示している。イスラム世界では、夢が霊的な扉として受け止められる文化があり、その中でイエス・キリストが「私が道であり、真理であり、いのちである」と語りかけられたことは、彼らにとって大きな転機となり得るのだ。
モハメドのように立ち上がった信者やこの村の働き人たちが守られ、霊的な危険の中でも勇気を持って福音を分かち合えるよう祈ろう。また、イスラム背景の信徒たちが夢で出会ったイエスを確かに「救い主」として受け入れ、地域全体にキリストの愛と真理が広がるよう祈っていただきたい。
■ ソマリアの宗教人口
イスラム 99・6%
プロテスタント 0・05%
カトリック 0・01%
英国教会 0・01%
正教会関係 0・28%
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