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元エホバの証人との対話(7)マインドコントロールについて 山崎純二

2021年10月12日20時34分 コラムニスト : 山崎純二
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関連タグ:ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)異端カルト山崎純二
元エホバの証人との対話(7)マインドコントロールについて 山崎純二+
※ 写真はイメージです。(写真:Josh Applegate)

元エホバの証人の方との対談記事を連載で書かせていただいています。前回は、輸血問題と排斥との関係について伺いましたが、今回はマインドコントロールについて話が及びました。インタビュアーである私はY、今回証言してくださる元エホバの証人の方はHと表記させていただきます。

*

Y)前回、息子さんの将来のことを考える時期に、輸血に対して疑問を持たれたのがいろいろな情報を調べ始める契機となったとおっしゃっていましたが、具体的にはどのような過程を経て脱会されたのでしょうか。

H)主にインターネットからの情報と、幾つかの書籍の情報が助けになりました。

Y)インターネットや書籍を通して、外部の情報に触れることができたということですね。インターネット以外には、自分たちの組織に対する客観的な情報に触れる機会というのはあったのでしょうか。

H)最初に外部の情報に触れることになったきっかけは、教会の牧師先生とのやりとりでした。妻が教会に通っていたので、私はエホバの証人としての立場で牧師と何度も話し合いを持ちました。三位一体のこと、地獄のことなどです。何度話し合っても平行線のままでした。エホバの証人関連の書籍などもお借りして読みましたが、マインドコントロールというのはそう簡単に抜け出せるものではありません。なぜならそのような書籍は悪であると決めつけ、著者の動機を疑うからです。例えて言うなら、「プロテスタント教会は異端である」という書籍があったと想定した場合に、私たちはそれを読む前からすでに抵抗があり、読み進めたとしても受け入れられない感情を抱きます。ある意味それと似ているかもしれません。そこには「そんなはずはない」という先入観があるからです。

Y)マインドコントロールという言葉が出てきました。今はそこから出られたわけですが、具体的にはどのような方法でマインドコントロールされたと感じるのでしょうか。

H)マインドコントロールは非常に巧妙なので、中にいるときには気付かないものです。多くの場合、その出版物の中の文章構成にあると考えています。一つの論題に対して、どのように問題点を提起し結論付けるか。その過程において読みながら信徒自身が自ら考えているようでいて、どの結論に至るかは信徒が全員同じ見解になるロジックになっています。例えば、魚と包丁とまな板だけを使って何でも好きな料理を作ってくださいと言われたとします。どう考えても刺身しかできないわけですが、考えた本人は自分で考えたと錯覚します。そのように、自分で考え導き出した結論だと思わせておいて皆が同じ結論に至るように仕向ける。それこそが巧妙なマインドコントロールの一つではないかと考えます。

Y)刺身の例えは、とても分かりやすいですね。マインドコントロールから解かれるということは、今まで自分が正しいと思っていたことが覆ることになると思いますが、その過程は苦しいものでしたか。

H)神概念が混乱している数年間は祈るのがすごく難しく、とても苦しかったのを覚えています。しかし、一番助けになった経験が、夜も眠れず霊的に瀕死の状態にいたときに初めて「イエス様!」と心の底から祈ってみたことです。すると真っ白い雲に包まれるような平安に満たされて、気が付いたら眠りについているという経験をしました。それ以来、イエス様との心の距離が一気に近くなったのを覚えています。その後、聖霊様も神様であるとローマの8章26節の聖句から確信を得ることができ、三位一体の神様を心から受け入れて神概念を整理することができるようになったことで、祈ることが混乱から喜びへと変わりました。このことを通して、心から三位一体の神様に向かって祈ることができるのはものすごい奇跡で、そこに行きつくことができていることに感謝の気持ちで満たされるようになりました。その原点があって信仰生活が大きく変化したのだと思っています。

Y)今回も貴重なお話をありがとうございます。

*

前回も言いましたが、自分の立場からエホバの証人の方々を一方的に欠席裁判するような記事にはしたくないという思いがありますので、マインドコントロールということに関しましても、皆様と一緒に少し考えてみたいと思います。まずはフリー百科事典ウィキペディアに記載のマインドコントロールのページの一部を抜粋させていただきます。

マインドコントロール(英: Mind control)とは、操作者からの影響や強制を気づかれないうちに、他者の精神過程や行動、精神状態を操作して、操作者の都合に合わせた特定の意思決定・行動へと誘導すること・技術・概念である。マインドコントロール論とも。不法行為に当たるほどの暴力や強い精神的圧力といった強制的手法を用いない、またはほとんど用いない点で、洗脳とは異なるとされる。

もともとマインドコントロールという言葉は、「潜在能力を引き出すためのトレーニング法」という自己啓発的でポジティブな意味合いで使われていた。

日本では一部宗教団体によるマインドコントロールがマスコミによってクローズアップされるが、マインドコントロールは全ての宗教団体で起こりえることである。またブラック企業による従業員へのマインドコントロール「この会社を辞めたらどこにも雇って貰えない」「雇って貰えるだけありがたいと思え」等と言い続け従業員の身動きを取れなくする行為も問題とされている。

櫻井義秀(北海道大学教授、宗教学者)「現代の資本主義システム社会は自身の再生産のために、消費者の欲望を喚起して需要を掘り起こすコマーシャリズムの戦略を採らざるを得ない。このような消費社会においては、情報・シンボル・記号による他者の操作が日常化しているために、個人のアイデンティティ、近代的個人という概念自体が揺さぶられている。自分がいつの聞にか誰かに操られているのではないかという感覚はそれほど特殊なものではないのかもしれない」

まず、マインドコントロール=「絶対的な悪」というわけではなく、ポジティブな意味合いで使われることもあるということです。また会社内の雰囲気やコマーシャリズムの戦略などにより、宗教に限らず、多くの人が多かれ少なかれ、他者によってマインドコントロールされているともいえます。このような前提を踏まえた上で、エホバの証人の組織内の状況について考えてみたいと思います。

Hさんがおっしゃっていたように、出版物の中の文章構成によって、ある論題に対して問題点や課題を提起し、考えられ得る結論のパターンと各結論の問題点などを提示します。そのことにより、あらかじめ組織が意図した結論に皆が至るようなロジックとなっています。このこと自体は、とても効果的な教育方法であり、普通のキリスト教会や一般の教育の場でも使われる手法かと思います。ただエホバの証人の方々は、聖書の理解や生活の在り方の隅々に至るまで、この手法を徹底させているというのが、私の印象です。特に教義に関しては、教団内で毎月発行されている「ものみの塔」という機関誌が、その役割を担っています。繰り返しになりますが、このこと自体が悪いということではありません。ただし、教義の隅々に至るまで、トップダウン方式で答えを決められてしまいますと、各自が自ら疑問を持ち、考えるという機会が失われてしまう懸念はあります。また、前回も触れましたが、聖書が明確に語っているのかどうか検討の余地があり、解釈が割れるような教義についても、組織の解釈や方針に従わない場合、組織から排斥されてしまうこと=「永遠の命の希望が絶たれること」というのも、マインドコントロールが強化されてしまう一因となり得ます。

日本の一般の教会は全般的に、良くも悪くもあまり細かい教義を長時間にわたって教え込むということをしません。もちろん教会によるでしょうし、中核的なことに関してはきちんと学びの時間を持っている教会が多いと思いますが、週に一度牧師先生のメッセージを聞くだけという方々も少なくないと思います。ですから結果的に、聖書の中核的な教義を受け入れつつも、実際の生活においては、各自が考え判断していくことになります。聖書を学ぶ時間が少ないこと自体が良いというわけではありませんが、結果的にこのような現状になっているように思います。

今回エホバの証人の方々の学びの手法について考えてみたときに、多くの時間を用いて聖書の学びをすること自体に問題があるわけでもないし、不法行為に当たるほどの暴力や強い精神的圧力といった強制的手法を用いての洗脳とも異なりますので、どこに焦点を当てるのが適切なのかが分からず筆が進みませんでした。といいますのも、もしも教団の教えに一切の過ちや矛盾、誤謬(ごびゅう)がないのであれば、一般の信徒の方々は詳しく聖書や原語の意味などを調べる余裕はありませんので、中央から全体に向けて統一したテキストが配られ、皆が共通の理解を持つというのも悪い手法ではないからです。しかし、指導者たちの理解力というのは、いかに専門の方々であるとはいっても限界があります。そしてこのことは、エホバの証人の方々に限らず、一般の教会でも同様のことが言えます。そのため、本来は絶対的でないはずの指導者たち(人)の理解が、トップダウン方式で徹底されてしまうと、そこに歪(ひず)みが生じてしまうのだと思います。では、どのようにすればよいのでしょうか。聖書の細部に至るまで熱心に学び過ぎない、もしくは聖書の教えは教えとして実生活には結び付けないというのが、その解決策なのでしょうか。イエス様が弟子たちを指導されたときの教育方法に注目してみたいと思います。このように書かれています。

わたしには、あなたがたに話すことがまだたくさんありますが、今あなたがたはそれに耐える力がありません。しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導き入れます。(ヨハネ16:12、13)

イエス様は多くのことを弟子たちに教えられました。ただし、イエス様は人を言葉によって教えることの限界を知っておられました。そのため、イエス様はその役割を「真理の御霊」に引き継がれました。そして「真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導き入れます」と明言されたのです。もちろん、私たちは先輩や指導者、牧師先生方から多くのことを学ぶことができます。しかし、最終的にすべての真理に導き入れてくださるのは、真理の御霊だと書かれています。この方により、私たちは特定の人の絶対的な教えによってマインドコントロールされることもなく、学ぶこと自体を放棄するのでもなく、すべての真理に導き入れられ得るのです。次回は、対談の中でも真理の御霊である聖霊様について話が及びましたので、もう少し詳しく聖霊論について書かせていただきたいと思います。

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◇

山崎純二

山崎純二

(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。米国ではクイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。ツイッターでも情報を発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)異端カルト山崎純二
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