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自己中心から神中心の生き方へ 安食弘幸

2021年8月18日10時11分 コラムニスト : 安食弘幸
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自己中心から神中心の生き方へ 安食弘幸+

「まず神の国と義を求めなさい。そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて与えられます」(マタイ6:33)

ある年輩の男性が高速道路を車でぶっ飛ばしています。すると携帯電話が鳴ります。彼の妻からです。彼女曰く「今ラジオを聞いていたら、高速道路を一台の車が猛スピードで逆走していると言ってたから気を付けてね」

すると彼は言いました。「そのニュースは正確じゃないぞ。一台どころかオレを目がけてたくさんの車が逆走してくるぞ!」(オイオイ!オマエが逆走してるんだ!)

自分を中心に物事を理解し、自分を第一に考えて行動する人は大きな過ちを犯し、人生の大切なものを見落としてしまう危険があります。人の生き方には大きく分けて二通りあります。自分の栄誉のために地位や名誉や富を追求する生き方と、神の栄光のために、神の使命に従う生き方です。

「密林の聖者」と呼ばれたアルベルト・シュバイツァーはアフリカで医療宣教師として活躍したことで有名ですが、もともとは音楽家であり神学者でした。彼は20代の若さで哲学と神学の博士号を取得し、何冊もの著書を持ち、一流の学者としての基礎を築きました。また、バッハの音楽オルガン奏者としても名声を得ていました。

ところが、1896年5月に彼が両親の家で休暇を過ごしているとき、イエス・キリストのことばが彼の心を捕らえて離れなくなりました。

「なくなってしまう食べ物のためではなく、いつまでもなくならない、永遠のいのちに到る食べ物のために働きなさい」(ヨハネ6:27)

シュバイツァーはこのことばによって、これから自分の進むべき道を確信しました。そして30歳になったとき、医学部に入学します。38歳になった彼は大学の講師でもあり、牧師であり、バッハの研究家であり、優れたオルガン奏者であり、医者となっていました。

彼がアフリカに渡るに当たり、彼は少なくとも3つのものを犠牲にする覚悟をしました。それは学者としての業績と音楽家としての名声、医者としての経済的安定でした。彼は、神が与えた使命に従って生きるためにこれらのものを喜んで神にささげて、アフリカの地に渡ったのです。

しかし神は、彼がささげたこれら3つのものを思いがけない方法で返してくださったのです。彼はアフリカでの活動報告のために3年に1度は帰国しましたが、その度に欧州各地の大学から講演を依頼され、学者としての活動は続けられました。また、パリのバッハ協会からオルガン練習用のピアノをプレゼントされ、アフリカの奥地で仕事の合間を見て練習を続け、帰国の度に演奏会をすることができ、音楽家としての活動も続けることができました。また、経済的にも彼の講演会や演奏会の収入の他に、彼の活動に共感した多くの人々の寄附によって病院を運営することができ、現地の患者からは治療代を受け取らなくてもやっていけたのです。

シュバイツァーは1952年77歳の時にはノーベル平和賞を受け、65年9月4日90歳でアフリカのガボンのランバレネで天に召されました。彼は地上でも天国でも神から豊かな報いを受けたのです。人は神を中心にして生きるとき、本当に豊かな人生を歩むことができるという見本です。

シュバイツァーの祈りを紹介します。

Jesus, here is my brain, think through it.
Jesus, here is my face, glow through it.
Jesus, here is my eyes, look at people through them.
Jesus, here is my heart, love people through it.

◇

安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

■ 峰町キリスト教会ホームページ
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■ 峰町キリスト教会 Facebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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