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み使いダニエル

(み使いダニエル・信仰者編)シュンのものがたり 星野ひかり

2021年1月21日19時59分 コラムニスト : 星野ひかり
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(み使いダニエル・信仰者編)リカのものがたり 星野ひかり+

「信仰! 信仰! 人がどう言っているかではなく、神様がどう言っているかだ! 僕は神様の息子なんだ!」そう言ってほほを打っていたのは、もう50歳になろうとしている一人身のシュンでした。また職場で上司になじられて、洗面所に行き顔を洗って心を立て直していたのです。

イエス・キリストを信じて、神様の民の一人と数えられたというのにもかかわらず、この世においては自分は不出来で不器用なまま。上司もろくに満足させることはできないことに、シュンはいら立っておりました。

自分はこの世の地の塩、世の光であって、みことばの証し人としてこの世を照らすために輝いていなければならないはずでした。しかし、自分の灯は今にも消え入りそうなほどで、イエス様にしがみついてやっとのことで信仰の明かりを灯していられるようなものでした。「こんなんでは、いつまでも手紙を書けないよ」。シュンはくよくよとつぶやきました。

あれはクリスマスの前の週のことでした。珍しく出張を言い渡されたシュンは、週末に北の街に営業に行ったのです。シュンはなんとか日曜礼拝に出席できるように、夜通し車を走らせて、道の駅で仮眠をとっていたのです。早朝に開いた道の駅のカフェテリアで温かいカフェラテを頼んだシュンは、祈りの姿勢をとって、今日の一日が主によって祝福に満たされるように祈りました。そしてどうか御心ならば自分にも助け手を与えてほしい、と心はうめき出しました。

教会には、人生の早い時期に信仰を持ち、早くに結婚し祝福された夫婦が幾組もおり、そんな夫婦たちのかわいい子どもたちも教会をにぎわせておりました。そんな中で、もう50歳も近づいていて一人身の自分をとても寂しく思っていたのです。シュンが信仰を持ったのはつい2年前。ようやくバプテスマを受け教会の一員になったばかり。そんなに多くを望むのはいけないと思いつつも、シュンの心は正直に、悲しくも苦しくもなるのです。

カフェテリアで聖書を開くと、2つ席を離れて座った女性がこちらをちらちらと見ておりました。いけないと思いつつも目をやると、その女性は「新約聖書」を手に持っており、ほほ笑んでくれたのです。シュンの心は簡単にときめきました。次第に席を詰めながら、2人は話し始めたのです。

その女性は、トモコさんと言いました。車中泊をしながら、猫を連れて旅をしていると言います。彼女はまだ救いに至っていないようでありましたが、言葉の端々に、真実の神様への求めを感じました。まるで神様を探すために旅をしているように感じました。年齢はシュンよりも少し年下に見受けられ、同じように一人で生きてきて、真実を探して旅に出ている彼女がとても逞(たくま)しく、まぶしく思えました。

しかし、シュンは自分の救いを証しすることをためらいました。なぜなら、自分はあまりに不出来でいつも上司になじられて、心はねたみと怒りでいっぱいで・・・そんな暮らしに嫌気がさして死んでしまおうかと思ったときに、聖書を手に取った人間なのですから。そんな話をしたら、きっと嫌われてしまうと思ったのです。だから少々格好をつけて、彼女の旅を祝福する祈りをささげて別れたのです。

しかし、またきっと会いましょうと交換した連絡先を、それは大切にしまっておいてありました。(いつか手紙を出してみよう。もっと自分が、自分のことを乗り越えられたときに。)そう思っておりました。

(信仰を持ったところで、何にも変わらないじゃないか・・・。)シュンはうなだれながら通勤電車を降りて、駅前の弁当屋でから揚げ弁当を買うと、団地の階段を上りました。駅前の団地は緑に囲まれており、鳥たちの格好の巣になっておりました。夜空に黒い影を忍ばせて、いっせいに飛び立つ鳥たちを見つめるのが好きでした。耳を澄ますと鳥たちの会話が聞こえてきます。ホゥホゥ、カァカァ、チュンチュンと耳をすませば聞こえてきます。風が吹いてマフラーに首をすくめると、風が木の葉を揺らす音が聞こえてきます。木の葉たちはいっせいに語り出すようです。(がんばれ)(がんばれ)

「がんばるよ」。シュンはつい応えます。鍵を開けて部屋に入ると、寄せ植えのシクラメンたちも待っています。石鹸で手を洗い、そのまま歯磨きコップでシクラメンたちに水をやると、シュンは壁に寄りかかり、から揚げ弁当を開けました。「ほっかほかだ。おいしいなあ」。そうやってほおばるのです。

そんなシュンを見つめていたのは、シュンが信仰を持つ前からずっと彼を見守ってきたダニエルでした。ダニエルは、痛ましくシュンを見つめてつぶやきました。(あなたはもう奴隷のくびきを解かれて、主なるキリストとくびきを共にしているのです。あなたが真の自由を得るように、信仰の炎が消えないように、私は祈りましょう)と。

信仰者たちが生きているのは、悪魔が支配権を握る世界です。私たちは悪魔の支配するこの世界で、患難に会わないことはありません。破れかぶれの信仰の破船で、荒れ狂う世の波を航海することもあるでしょう。シュンもその一人でした。ほかの信仰者たちを見ると、それは立派な船に乗っているような気もします。しかし本当は信仰者なら誰もが、患難の中を耐え忍び、破れやすい帆を繕って繕って、荒れ狂う海を旅しているのかもしれません。

そしてそんな嵐を、凪(なぎ)としてくださる方を知っています。その方にすがるとき、この世の嵐は凪と変わり、心は平安に満ち足ります。この航海の先にあるのは、天の御国。それは素晴らしい私たちの本当の故郷です。

シュンもしがみつくように、聖書を開きみことばを読んでおりました。「主よ、主よ・・・」そう泣きじゃくりながら、みことばを読んでいたのです。この方にすがりつくときだけ、心は甘く満たされて、まやかしではない‘本当の世界’に戻ることができるようでありました。そして聖書の言葉を子守歌のようにして、聖書を枕にいつの間にか眠っていました。

ダニエルはシュンのもとに降り立って、その疲れた体を撫ぜて癒やし、涙の筋をなぞりました。そして兄がか弱い弟に語り掛けるように、ささやいたのです。「この世の物差しで、自分を測ってはなりません。あなたにはかけがえのない真理の御霊が・・・愛、喜び、平和、寛容、慈愛、善意、忠実、柔和、自制という御霊の実にあふれているではありませんか。それこそがあなたが地の塩である証しであり、あなたはもはやどこにあっても輝いているのです。その輝きの見えない人もいるでしょう。そのようなまなざしに負けてはなりません」

「御霊の実・・・」シュンは寝言でつぶやきました。夢の中でシュンは、光り輝いた神様の臨在の光の中におりました。神様の温かなまなざしが、心の芯にまで届くようです。シュンは自分がかけがえのない神様の息子として、白く輝く衣を与えられ、頭に栄光の冠が載せられている姿を見ました。(この世の人にどんなふうに測られようと、これが僕の本当の姿なのだ。)おぼろげに見える自分の真実の姿・・・それを忘れたくないと、こぶしを握り締めて眠りました。

朝の5時、目覚ましのアラームが鳴りました。なぜかとても心が晴れ晴れとしています。窓の外からはチュンチュン、カァカァとすずめやカラスのおはようコールが響いています。カーテンから差し込む光は真白く光っており、まるでもう夜の来ない朝が来たように感じました。不安も心配もないような生き生きとした気持ちが広がります。

しばらくこの朝の素晴らしさを噛みしめて、シュンは顔を洗いに立ち上がりました。鏡に映った自分は、肌も艶めいており、とってもすっきりとした顔をしており、まるで神様に会った後のようでありました。「よし、今日もがんばるぞ」。シュンは大きな声で言いました。

パンをかじりながら昨夜ポストから出しておいたチラシの束をめくっていると、その中に一通の花柄の封筒がありました。シュンは目を丸め、急いでペーパーカッターで丁寧に封を開けました。差出人は、あのクリスマスの前に道の駅のカフェテリアで出会ったトモコさんでありました。心臓はドキドキと飛び出すほどに鼓動します。彼女の手紙の内容はこんなふうでありました。

拝啓、シュンさんへ。
私はあのあとずっと旅を続け、今、南の街の教会に泊めてもらっているのです。
クリスマスの日になぜか教会に行きたくなって、クリスマスの礼拝をしている教会を訪ねました。それからずっとその教会にお世話になり、まるで家族のように迎えられ、世話をしてもらっているのです。聖書の勉強や、信徒さんたちとの交わりをしながら、教会の掃除や料理作りのお手伝いもさせてもらっています。間もなく自分の家に戻る時かなと感じています。そうしたらきっと、聖書のことを教えてください。まだまだ分からないことばかりなのです。

シュンは手紙を抱きしめて、「やったー!」と叫びました。彼女が教会にいること、彼女が手紙をくれたこと、彼女に会えること、すべてがとってもうれしかったのです。立ち上がってそわそわと歩き回り、「がんばるぞ、今日もがんばるんだぞ」とつぶやきました。手帳を取り出し、「かわいい便箋を買う」と書き込んで、今から何を書くか考えが止まりません。

ネクタイを締めて出社です。朝の光に感じたような、夜の来ない朝が本当に来たかのような気持ちです。それでも繰り返し闇は訪れ、シュンを襲うこともあるでしょう。ここは悪魔の支配する世界、そして今は世の終わりも近づいた、暗闇の時であるのですから。

それでも神様は、神様の時にふさわしい助けを必ず与え、信仰者たちがくじけないように、み使いたちも守っています。ですから、何度でも何度でも乗り越えてゆくことができるでしょう。神様は私たちのか弱さをすべて分かった上で、完全な計画を立てておられるのですから。ご自身の民が、天の御国にたどり着くその日までの完全なご計画の上に私たちの人生はあり、どんな困難も、神様の目には最善のことであることを、私たちが信じ続けていられるように・・・み使いたちを遣わされ、私たちが世の嵐に溺れてしまうことのないように守り続けているのです。

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◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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