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み使いダニエル

(み使いダニエル)ダニエルのクリスマス 星野ひかり

2020年12月24日16時38分 コラムニスト : 星野ひかり
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関連タグ:クリスマス
(み使いダニエル)リカのものがたり 星野ひかり+

お祝いムードの東京タワーが灯っているはるか上の雲間から、ダニエルは街を見下ろしておりました。街はクリスマスに浮かれて、ネオンはいつもよりも激しく明滅しておりました。

ダニエルは優しく鋭いまなざしで、神様を呼び求める者を探しておりました。

こんなに街はにぎやかなのに、どうしてでしょう、街は欲望と孤独に、狂おしく身もだえするようでした。目に見えない炎がめらめらと燃え立ち、ごうごうと風にうめく炎は、この世界を覆い尽くそうとしておりました。

その中にもひっそりと、心から神様に祈る人の祈りが、か細く空に昇ってゆきます。幾つも、幾重にもなりながら、空に昇ってくるのをダニエルは見つめておりました。

その祈りは金色を帯びた絹の糸のように、神様のもとに昇ってゆきます。

神様は瞳をまぶたが守るように、その者たちを目には見えない光で守り、あたためておりました。その者たちも、神様の言葉を自分の瞳を守るように大切に守っておりました。

その者たちは、世の誉れには顔を向けず、本当の誉れを身に帯びておりました。食卓に並んだものはささやかであっても、真実の富にはあふれていました。

そういう者たちはこの世界でもわずかでありました。まだまだ、この世界には闇があふれています。自分たちが貧困や困窮、いつかやってくる老いや死というさだめを前にして、あまりに無力で小さな者だということを忘れるように街は騒ぎ立っており、ダニエルは、いつかすべてが光のもとに晒されるときのことに思いを馳せずにいられません。それは悲しい目をして、思いを馳せるのです。それはあまりにまぶしい光であって、少しも暗い所がないからです。その光にこの世界が晒されたとき、闇は、すべてそのまばゆさのあまりに滅び去るといわれています。

「ジングルベル、ジングルベル♪」

街はいつにも増してにぎやかです。普段の孤独を忘れるように、たいそうにぎやかな夜でした。

ピザにチキン、サラダにポテト・・・宅配サービスのお兄さんは今日がかき入れ時。休む間もなく自転車を走らせ、家々を回っています。ペダルを漕ぐ足も力が入り、次の家に向かって車輪を回します。「みんないいよな。楽しそうで」。少しだけすねた気持ちが湧き上がります。アパートにはかわいい恋人が、シチューを作ってお兄さんの帰りを待っています。アパートは線路沿い。ガタゴトと動く列車の中には人がぎっしり詰まっています。みんなそれぞれの家に帰ってゆこうとしています。一人の家には帰りたくない。そんな気持ちで居酒屋に寄り道することを考え中のおじさん、プレゼントを喜ぶ息子の顔を思い浮かべると、笑みが漏れるお母さん。仲間たちと盛り上がるために宴会場に向かう若者たち。

・・・今日はとっても忙しそう。今日が終わったら、今度はお正月が待っています。大掃除に、初詣に親戚回り。息つく間もない忙しさが冬の寒さをかき消してくれるようでした。

2千年前、宿る所も与えられなかった若い夫婦は汚い馬小屋で御子を産みました。み使いたちはその姿を、貧しい羊飼いたちに現し、救いの到来である御子の誕生を告げました。羊飼いたちは御子の顔を一目見ようと馬小屋にゆき御子を拝しました。

御子はこの世界のすべての人たちのために、この世界に遣わされました。死に至るまで、誰よりも低くあらせられ人に仕えられた御子は、生まれた場所から誰よりも、低くあったのです。

神であった方が、この暗い地にお生まれになり、この暗闇の世を私たちと共に生きてくださいました。

クリスマス、それは主がお生まれになったことの喜びにあふれた日です。私たちは御子の生まれを告げられた、羊飼いたちのように、本当の望みもなく、心貧しく、自分の居場所を探し求めるみじめな者でありましょう。ですから、羊飼いたちのように喜び踊って主を拝しにゆくのです。

世界中の至る所で、主のご降誕を喜ぶ歌が生まれていました。あふれる思いを歌に乗せ、神様に向かってささげているのをダニエルも聞いておりました。歌う者たちは知っていました。

この御子こそ、ひとの孤独を癒やしてくださるお方であり、その重荷を共に担ってくださる方であることを。

御子は道の見えない暗やみに、一筋の道を照らし出してくださるお方です。憎しみやねたみ、人の心のあまりに深い暗がりを光で照らしてくださいます。身を寄せ合って眠る鳩たちも、主の御手の大空の下、安らいでいます。人生は、その生と死は人が担うにはあまりに重いものであり、神様の御手のほかに頼れるものなどあるでしょうか。若さや富や名誉さえ、人の生を支えるにはあまりに頼りないものでしかありません。それでも人たちは、その心もとない2本の足で自分の生を歩き抜こうとしています。暗い影を宿した人の足で、どこへ行けるというのでしょう。

「すべて重荷を負っている者は、私のもとへ来なさい」と御子は世界中の人を招いています。ダニエルもあわただしい夜を見つめて祈りました。

祈りは虹色の彩光を放ち、光の粒子は煌めきながら人の心に降り立ちました。ふと足を止めて、空を見上げて‘大いなる方’を探す人もおり、「助けてください」その人の、言葉にならない心のうめきにダニエルはもちろん気付くのです。さあ、ダニエルは今夜も忙しい。眠ることなく働かれる神様と同じく、そのまぶたを下すことなく働き続けているのですから。

あなたの心が「主よ」と祈り叫ぶとき、主は必ずあなたのもとに来てくださり、心の扉をゆっくりと開き、その中に入ってくださいます。主と共に、この夜の晩餐にあずかれるようにダニエルは今夜も働いているのです。この夜の晩餐・・・それは主ご自身のようであります。私たちのためにその肉をその血を犠牲としておささげになった主の愛に、ひとりでも多くの人があずかれることを願って・・・。

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◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:クリスマス
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